ブラジルの地における東欧と中東の対決についてアレやコレや思いに至る【ボスニアヘルツェゴビナvsイラン】の周辺をウロウロと…★ワールドカップ各試合を振り返る★

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ボスニアヘルツェゴビナ 3 vs 1 イラン[WCグループF 06月26日]

結局、この試合におけるボスニアのシステムは4222だったのだろうか、4312だったのだろうか、それとも中継のスーパーにあったように4132だったのだろうか。ピャニッチとハジッチの位置関係があまりにも流動的で、判断ができなかったわけですが、そうやって混乱するワタクシを傍目に、ジェコが待望のワールドカップ初ゴールを決め、先制点を奪ったボスニアヘルツェゴビナ。うまくスペースでボールをもらってからドリブル&シュート。さすがジェコってゴールでした。

 

 

妙に“ごっつんこ”系のトラブルの多い試合でしたね。ショジャエイフリーキックを胸に食らってもんどりうったり、シュニッチとベシッチが味方同士で衝突したり、スパヒッチがテイムリヤンだったかのボディアタックで、しばらくピッチアウトせざるを得なくなったり。ともあれ、追いかける展開の中、さしものイランも攻撃に出て、ミドルシュートがポストを直撃したり、その跳ね返りをグーチャンネチャドが空振りしたりっていう惜しいシーンを作りながらも、得点には至らないままハーフタイムを迎えます。

 

 

後半に入るとボスニアヘルツェゴビナが突き放します。ジェコがパスカットすると、スシッチに展開。スシッチのラストパスに走り込んだピャニッチが綺麗なゴールを流し込みました。鮮やかなショートカウンター、流麗でした。こうなるとイランとしても、どうにか意地を見せなければならない。守備的なチームですから、なかなか糸口を探り出せずにいたのですが、デヤガあたりが相手最終ラインと駆け引きしながら、走り回って奮闘していました。

 

 

そういう状況を見て、後述するように、ボスニアはサイドの守備強化をする。面白いのは、最終ラインが安定したことによって、逆にボスニアが攻撃に人数をかけるようになったこと。イランとしては「スペースができた」というより「押し返された」というような雰囲気になってしまったのですが、それでもコーナーキックからネクナムのクロスにグーチャンネチャドが、イランこの大会唯一のゴールを決めて、反撃の狼煙を上げる準備を整えます。

 

 

が、その準備も整えきらないタイミング、イランのゴールの数分後にはボスニアヘルツェゴビナがだめ押しの3点目を突き刺してしまいました。ジェコが味方クリアボールを収めてサリホビッチに。サリホビッチのラストパスをものにしたは、途中から2列目右にポジションを替えていたブルシャイェビッチ。1点目はジェコのゴールで、2点目はジェコのパスカットから。そして3点目の起点もジェコ。自身のゴールは1点だけでしたが、やはりジェコがエースのチームでしたね。

大会も終盤にさしかかり、かつ、事実上のグループリーグ敗退が決まっているチーム同士の対戦で、しかも南米の人々からみれば親近感を感じづらい両国。ということで、観客動員が多かったとされるブラジル大会といえども、さすがに空席が目立っていたのですが、空席ができたことで陽気なラテンの国だけあって、スタンドの座席はエメラルドグリーンだったという事実が発覚しました。ちなみにアナさんが読み上げた公式発表でいくと、収容率は95%くらいあったとことになるらしい。な、わけがない。

 

 

試合の構図としては、ボスニアヘルツェゴビナは、3列目4列目の選手がスペースにボールを持ち上がり、ジェコやイビシェビッチに長短のクサビを入れていくサッカー。一方のイランは徹底的にサイドアタックで勝負する感じ。なので、サイドに蓋をする必要が出てくるので、ボスニアのスシッチ監督は中盤のハジッチに替えて本職CBブラニェシュを右SBとして投入し、右SBで先発したブルシャイェビッチを一列上げ、ピャニッチボランチに回すという選手交代で対応しました。こういうのを采配の妙というのでしょう。