メッシステムの光と影についてアレやコレや呟いてみる【アルゼンチンvsイラン】の周辺をウロウロと…★ワールドカップ各試合を振り返る★

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■アルゼンチン 0 vs 1 イラン[WCグループE 06月22日]

ナイジェリア戦に続き、例によってイランは守ります。ただ、当たり前ですけど、アルゼンチンはナイジェリアとは違う。個人技のレベルがワンランク上ですので、ナイジェリア戦の時のように、「互いにグダグダに引きずるこむ」ってことはできません。アルゼンチンは迫力満点に攻め立てるのですよ。メッシはうつむいて小石を蹴りながら歩くのですよ。そしてセットプレーのときだけ、試合に参加して、精度の高いボールを蹴るのです。そしてまたトボトボ歩く、と。

 

 

アルゼンチンが攻めても攻めても、エリア内の人数が4対8とかですからね、一見、よい態勢でシュートを撃っているように見えても、実はほとんどコースが消されている。ここまで割り切ってリトリートされると、そうそう簡単に崩せません。で、後半になっても、その構図は変わらない。変わらないどころか、むしろイランのカウンターに鋭さが増す。後半の1520分くらいに、明確なスイッチが入りましたね、イラン。ケイロスさんとしてはほくそ笑みが止まらなかったでしょう。

 

 

ただ、いくら切れ味鋭いとはいえ、アルゼンチンの守備陣にも意地があります。ガライが掻き出したり、ロメロが横っ飛びやら縦っ跳びやらでファインセーブを繰り出しまくり、イランの金星を許さない。そうやって時計の針は進んでいき、迎えた後半ロスタイム。メッシの左足ですよ。「こういうのをメッシステムって言いますよ」みたいな展開。彼の場合、決めてしまえば、すべてがチャラになる。決めなければすべての責任を負う。この試合ではチャラにすることに成功しました。

 

 

というわけで、中東らしいカウンターサッカーが、アルゼンチン相手にも機能することを証明した試合となったわけですが、それにしてもアルゼンチンは苦労した。前半なんかはディマリアとアグエロによる左サイドの崩しが目立っていたのですけどねぇ。。。中盤では、相手のプレスをかいくぐれるんですよね。いったんは抜けるんですよ。ただし、抜いた先で潰されてしまう。それでアグエロはイライラしてました。コーナーフラッグを抜いちゃったりしてましたし。あれをJリーグでやったら、オートマティックにイエローですな。

 

 

ともあれ、あれだけスペースを消されると厳しい。1つの解決策としては、イランに奪われた瞬間にプレスをかけて、イラン守備陣のクリアをもたつかせる。精度の低いキックを蹴らせて、バランスを整える時間を与えず攻め返すってのが常道だと思うのですが、そこはメッシなわけですよ。相手ボールホルダーを取り囲むにも、取り囲み要因が常に1人足りないのですよ。なのでアルゼンチンとしては重層的な攻撃、いわゆる波状攻撃ができない。勝因もメッシであれば、苦戦の元凶も、たぶん、メッシ。メッシステムの光と影ってやつが出てしまったのかもしれません。