結局イランは強かったのかどうかについてアレやコレや悩んでみる【イランvsナイジェリア】の周辺をウロウロと…★ワールドカップ各試合を振り返る★

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■イラン 0 vs 0 ナイジェリア[WCグループF 06月17日]

「それにしてもイラン、ビビり過ぎじゃありませんか?」みたいな立ち上がり。もともと中東のチームはリトリートしてカウンターってスタイルなんですけど、そこまで実力差がない中で、“必死に守る”って戦い方をされると、かえって滑稽にさえ見えてしまう。実際に、イランから強者認定を受けてしまったナイジェリア、完全に攻め倦ねていましたしね。「そんな守られちゃ、俺ら、なんもできねーし。しばき合おうぜ!」ってな前半の戦い。

 

 

そういう状況にイランもうすうす気づきだしたのか、前半も30分を過ぎたあたりからは、散発的ながら攻撃も仕掛けます。コーナーキックからのドンピシャヘッドがナイジェリアGKのエニアマのスーパーセーブで弾き出されたりってことも。で、そういうフラストレーション全開な展開は、後半も続く。ナイジェリアが攻め込みながらも、まったくゴールの気配がしない。というかシュートもほとんど撃てていない。攻め込んでからのアイデアが皆無。

 

 

そういう状況を見透かしてか、試合前のプランだったのか、イランとしても後半20分過ぎたあたりから、おもむろにスイッチオン。攻撃に人数をかけるようになります。クロスを入れまくります。合う合わないの問題ではないのです、クロスを入れるのです。終盤になると、ナイジェリアも何度か決定的なチャンスを作りかけましたが、「必死のディフェンス」で対応できる範囲を超えることはなく。この大会では、とても貴重なスコアレスドローとなりました。

 

 

 

というわけでイランが伝統的な中東のサッカーで、スタイルを感じさせてくれた試合でしたね。なんせ、前半の支配率はナイジェリアの68%ですからね。圧倒的にナイジェリアが攻めていた。つーか、イランが守っていた。ただ、「バックパスの多い選手=パス成功率の高い選手」の論理と同じように、ナイジェリアのポゼッション率は、ほとんどが自陣の横パスで稼ぎ出したもの。結局は、アバウトな縦ポンを放り込んで、攻撃が終わるのがパターンでした。

 

 

にしても、イランはミケルのロングフィードは捨てていましたね。ナイジェリアで気の利いたパスを通せるのはミケルだけだったんですねぇ。もう、そこは仕方ない、と。ボールを受けた前線の選手を潰せば良いって守り方。実際に、ミケルがパスを出した後のコンビネーションは、まったく成熟していなかったですからね、ナイジェリア。いたずらに1対1を仕掛けては、イラン守備陣に潰されるっていうのの繰り返し。ナイジェリアが拙かったのか、イランの守備が巧みだったのか。評価が難しいですけど、スタンドからはブーイングが飛び交う試合でございました。