サンロレンソのオールドスタイルについてアレやコレや安堵してみる【サンロレンソvsオークランドシティ】の周辺をウロウロと…★テレビ観戦記★

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サンロレンソ 2 vs 1 オークランドシティ[CWC準決勝 12月18日]

前評判では「2番目に強いはずの南米王者vs圧倒的最下位であろうオセアニア代表」という組み合わせなわけなんですけど、蓋を開けてみたら、まさかのオークランドシティの支配率が60%という立ち上がり。「アルゼンチンのサッカーは、まずは守備から」だと都並さんが何度も繰り返していましたけど、それにしても、サンロレンソは、相手をおびき寄せるような感じでもなければ、相手の隙をニタニタと伺うといった雰囲気でもなくて、単に消極的だけにしか見えなかった。

 

 

もっとも、両チームともバランスを崩さない慎重なゲームプランだったようで、なんとなく静かな前半戦となりましたが、とはいえ、ぶつかり合いという部分ではかなりハードで、両チームの選手ともにかなりエキサイトしていていましたね。そういう意味では熱い前半戦だったともいえます。そして、ハーフタイムを迎える前に先制点を決めてしまうのが、伝統の南米王者の南米王者たる所以。サイドからのグランダーのクロスに、フリーになっていたバリエントスが上手くトラップして、シュートを突き刺しました。

 

 

後半になっても、試合の構図事態に変化はなく、オークランドがボールを支配します。特に、サンロレンソの最終ラインが食いついてこないので、2列目と3列目の間のスペースを効率的に利用し、サンロレンソゴールに迫ります。ただ、その一方でそうやって攻撃的に行く分、個人技に優るサンロレンソのカウンターの危機にさらされる機会も増える。そうなれば、必然的にイエローの数も増えていき、オークランド守備陣にとってはリスキーな状況へと追い込まれていきます。

 

 

しかし、そんなイエロー地獄に怯まない勇敢さが、この大会のオークランドにはあった。どれだけイエローを収集しようとも臆せず攻め続け、同点に追いつくのです。タデが起点となり、ゴール正面に決定的なスルーパス。走り込んだドフリースがスルーパスをスルーし、最後は詰めていたSBのベルランガが押し込みました。その後は岩田の危なっかしいバックパスやファールスローもありましたが、勝ち越しを目指すサンロレンソのアタッキングをオークランドが後半終了まで凌ぎきり、11のまま延長戦に突入しました。

 

 

後半になって勝ち越したのはサンロレンソ。ラマニョーリの受け手に優しく、かつ正確なロングパスにマトスが競り合う。こぼれたボールにバリエントスが突っ込むもミートできず。しかし、詰めたマトスがバチンとミートして突き刺しました。オークランドとしては厳しくなりましたが、それでも引かない。自慢の中盤で丁寧にパスを回しながらビルドアップしていくサッカーで、最後まで応戦。延長だけに運動量的に厳しくなりますが、自分たちのサッカーを崩すことはしない。結局、そのまま試合はサンロレンソが勝利を収めましたが、オークランドシティの奮戦は特筆に値するものだったと思います。

 

 

 

というわけで、今大会3試合目のPK決着となりましたが、それにしても、サンロレンソが展開するサッカーはオールドスタイルでしたね。アルゼンチンといえば、代表チームもブラジルWCでメッシの守備を免除するスターシステムを採用して躍進しましたし、そういうお国柄なんでしょうか。どの辺がオールドスタイルかというと、まず、最終ラインの設定が、とても低い。自陣深くにどっしり構えて、相手がバイタルエリアに侵入してきたら、一気にガツンとボールを奪いに行くといったイメージ。

 

 

逆に高い位置でのフォアチェックには、さほど熱心ではない。なので前線のアタッカー陣は守備に切り替えたとしても、猛烈に追いかけ回すというより比較的タラタラとジョグしている、ように見える。せいぜいリトリートするくらい。要するにハードプレスからのショートカウンターというトレンドからは対極にあるようなスタイルなんですけど、こういうのって数年前のシャビ全盛期におけるバルセロナが大好物としていましたよね。そういう意味では、バルサバイエルンではなく今回の欧州王者がレアルなのは、サンロレンソにとっては、まだ幸いだったのかもしれません。