「余計なイエロー」の持つ意味についてアレやコレや再認識してみる【フランスvsホンジュラス】の周辺をウロウロと…★ワールドカップ各試合を振り返る★

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■フランス 3 vs 0 ホンジュラス[WCグループE 06月16日]

キックオフとともにホンジュラスが攻める。別にこれはホンジュラスが技術的に優位にあったからではなく、逆に劣位にあるからこそ、フランスのリズムを崩そうと揺さぶりをかけるための先手必勝。そこで、それなりにフランスを「うぉっ!」とさせることには成功しましたが、時間の経過とともにフランスも持ち直す。バルビュエナとドュビシーを中心に、右サイドからホンジュラスの守備陣を崩しにかかります。ただ、しばらくはスコアが動きません。

 

 

というよりも、フランスがハーフコートゲーム状態で攻めまくっているように見えて、実際に危険な位置でボールを持てていたのはSBのドュビシーくらいで、全体としてはホンジュラスが築いている守備のブロックの外縁上を右往左往しているだけだったのですね。だから、典型的なジャイキリパターンに持ち込まれてしまう危険性もプンプンと感じられた。ただ、その中で、ホンジュラスは自滅。PKを与えてしまい、ベンゼマに決められてしまいました。もったいない。このプレーでホンジュラスパラシオスが退場となります。

 

 

後半に入ると、1人少なくなったホンジュラス相手にフランスがやりたい放題。まずは後半の3分。ベンゼマのダイレクトボレーがなんやかんやあってホンジュラスGKバラダレスのオウンゴールとなって追加点をあげます。きわどいシーンでしたが、珍しくゴールラインテクノロジーが役に立ってゴールが認められました。ただ、ついでにベンゼマのゴールではなくオウンゴールだったことも明らかになってしまったので、ベンゼマ的には複雑な気持ちでしょうけど。

 

 

で、こうなると、ワンサイドゲーム。ポグバとかマテュイディとかも気持ちよくなってやたらと攻撃的な位置取りをするようになる。そして、こういうときに、キャバイエの良さが出る。羽生ばりの潤滑油ぶりを見せて、バランスを保持すると、フランスとしては、もはやサイドアタックのパターン練習を繰り返しているような状態。相手がルーズな分、かえってシンプルというか、無理をしないというか、雑というか、とりあえずクロスを放り込んでいく感じになります。

 

 

まぁ無理をする必要もないので、それで良いのですね。うっかりとセットプレーとかでダメ押し点が奪えれば、なお結構。って思っていたら、実際にコーナーキックからベンゼマが3点目を決めて、試合の趨勢は完全に決しました。あとはジルーやシッソコなどを試運転させつつ、余裕のゲーム運びで試合をクローズさせる。ホンジュラスとしては、ほぼ何もやらせてもらえなかった。自業自得とはいえ、ほろ苦いワールドカップ初戦となってしまいました。

 

 

というわけで、この試合の分水嶺は、パラシオスの退場でした。このプレーでPKを与えビハインドを負った上に1人少なくなったわけですから。しかも、欧州主要リーグで活躍するホンジュラスの選手は、この人くらいみたいですから、厳しい。けっこう熱くなってましたね、パラシオス。1枚目のイエローカードはポグバとの小競り合いから余計なちょっかいを出して頂戴したものでしたし、PKのシーンでは後ろからのボディアタック。中心選手が冷静さを失ってはいけません。

 

 

日本vsギリシャみたく、ときどきサッカーでは退場者が出ることで、かえって片方のチームが専守防衛モードとなり、スコアが固まってしまうってことがあるのですが、この試合では、わかりやすく退場者の発生が試合を損壊してしまいました。こういう試合を見ていると、ホント、「くだらないプレーで1枚目のイエローをもらうといけないな」と改めて認識させられます。不思議なもので1枚目を“プロフェッショナルファール”でもらった選手は、退場しませんからね。