浦和の失速についてアレやコレや後出しジャンケンしてみる【浦和vs鳥栖】の周辺をウロウロと…★テレビ観戦記★

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■浦和 1 vs 1 鳥栖[J1第33節 11月29日]

キックオフして、まずビッグチャンスを迎えたのは浦和。宇賀神のミドルシュートがゴールバーに直撃しました。ちなみに宇賀神、前節のガンバ戦でも決定的なシュートを東口のスーパーセーブで阻まれています。モッてない。全体の構図としては、ガンバ戦とは一転して浦和は遅攻。ポゼッションしたのか、させられたのか。まぁ、そうなります。対する鳥栖は縦一本でシュートまで持っていくという感じ。非常にわかりやすい構図で、その構図が大きく崩れることなく時計の針は進んでいきました。

 

 

ただ、時間の経過とともに、気がつけば浦和のパスレンジが長くなっていた。なんだか縦に忙しい展開となっていったので、真綿で首を絞めるように、少しずつ鳥栖のペースに浦和は引きずり込まれていったのかもしれません。ちなみに、鳥栖って『エルゴラッソ』なんかでは「4231」と表現されることが多くて、このエントリーでもそのような図を挿入しているんですけど、完全な「442」ですね。守備の時も攻撃の時も「44+2人」に見えました。

 

 

さて、後半に入ると浦和は待望の先制点を獲ります。鳥栖のお株を奪うような縦一本に李が反応し、菊池と駆けっこ。李がほんの僅かに良い態勢を作り、菊池はたまらずアフターチャージ。一発レッドの上、PK。阿部がベテランらしくしっかりと決めました。しかし問題はここから。相手が1人少なくなって優位な状況になったことが逆に状況を難しくしたのか、なんだか、よりいっそう鳥栖のペースにお付き合いするようになってしまいました。

 

 

象徴的な場面は、永田が投入された直後のシーン。この交代で1列前に上がった森脇がシュートを2発打ったんですね。なぜ、その展開でWBが相手ゴール前に詰めてる必要がある? そうしているうちに最後の最後、ゴールキーパーの林も上がっていくというコーナーキックで、小林に同点弾を叩き込みまれました。まぁ、鳥栖鳥栖なりに鳥栖として背負っているものがあるということですね。チームをしっかり継続させた吉田監督の手腕が表現されたゴールだったと思います。

 

 

というわけで浦和が7年ぶりに「世紀の大失速」を再現することとなった一戦でしたが、やっぱり一貫してメンタリティに問題がありました。序盤の00の状況から、「気合いだ、気合い!」っていう気負いがテレビ画面越しだというのに伝わってきましたし、リードを奪ったあとも「1点あれば十分」という余裕が感じられなかった。優勝を狙うチームならば、上から目線で相手を見下ろすような精神状況が求められる。この日の浦和には、それがなかった。

 

 

浦和の誤算としては、このクライマックスの時期にチームの精神的主柱たる鈴木啓太がコンディション不良で離脱してしまったことでしょう。またリードを奪ったあとは平川もアウトになっていましたし。阿部や那須が一生懸命にチームを落ち着かせようとしていましたが、彼らは本質的には職人肌なパーソナリティ。槙野や森脇といった面々はイケイケドンドンでこそ、その前向きさが生きる。こういう「落ち着き平常心が求められる局面でのマネジメント」という意味において、控えGKとして山岸を確保しておかなかったことも地味に影響しているかもしれません。