ワールドカップ各国分析〜オランダ編【グループB】

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ザックジャパンコートジボワール相手に初戦を落とした瞬間、多くの「(自称)サッカーに関心のある」日本人にとって、ブラジルワールドカップの記憶は風化を始めたわけですが、一応、ワタクシはWCの全試合を録画を中心に見ました。で、その各試合のレポは少しずつ「ワールドカップTV観戦記」としてアップしておりますが、それと並行して、「ワールドカップ各国分析」もアップしていこうかなと思います。1週間に1カ国とすると、コンプリートするのに8ヶ月、2015年の5月、完全に皆さま「とっくにそんなこと忘れたよ!」って時期になってますけれども・・・。

 

というわけで、今回はファンハールが旋風を起こしたオランダ。

 

□“「デ」軍団”と“「ファン」軍団”

 

この大会で、サプライズ的に大躍進したのがオランダ代表。その躍進を支えたのが、通称(?)“「デ」軍団”。たとえばそれはデ・パイ。あるいはデ・フライ。さらにはデ・グスマン。そして、総大将格のデ・ヨング。オランダ代表は“「デ」軍団”が多ければ多いほど、結束力が高まるみたいな法則でもあるのでしょうか? あるいはデ・ガワテツロウとか、デ・イアフタートゥモロー(misono)とかをメンバー選出していれば優勝したかもしれない。

 

 

その一方で、オランダの伝統的勢力として覇を唱えてきたのが“「ファン」軍団”。今回もファンペルシーがファン軍団のエースとして、気を吐いておりました。スペイン戦のヘディングゴールとか、凄かったですよね。今回のオランダ代表ではファンペルシーくらいだったでしょうか、“「ファン」軍団”。でも“「ファン」軍団”が幅を利かせてあるときのオランダ代表って、あまりイメージが良くない。ニステルローイとかホーイドンクとか大型ストライカーばかりが目立ってバランスが悪い印象があります。

 

 

ファンハール采配

 

と、思っていたら、今回のオランダ代表、総帥が“「ファン」軍団”でしたね。ファンハール。この、名声があるのかないのかよくわからない総帥さん、本大会においては采配が冴えまくった。

 

特に準決勝のアルゼンチン戦とかは見事でした。メッシにマンマークを付けた上で、中盤真ん中にしっかり人数をかける。その分、サイドが空くんですけど、ディマリアのいないアルゼンチンのサイドアタックは大して怖くない。非常にロジカルでした。また、アルゼンチン戦では最後のカードとしてPK戦用にクルルを投入するではなく、フンテラールを投入してきた。チームスポーツというのは、多くの選手を使ったほうが一体感が出る。当然、リスクもありますけど、そこを恐れなかった。そこはザックに足りなかった部分。ファンハールの偉大さでしょう。

 

 

□ビバ!ロッベン

 

でも、結局、大会を通じて、最も素晴らしい働きを見せ続けたのは、なんと言ってもロッベンなわけで。この人の後半に見せる運動量は何なんですかね? 周囲が動けなくなるのを尻目に、むしろドリブルのキレが増していく。日本のサッカー選手で例えれば田中隼磨に近い。90分経とうが、120分経とうが、1人だけバテない。相手はバテている。相対的に、時間が経てば経つほど、対面する選手の守備対応力を圧倒するようになっていくんですよね。いやあ、凄かった。

 

 

そんなロッベン、でも、「オランダの浮沈を一身に担っている」というような感じではなかった。ワンマンチーム化して、チームマネジメントまで任されるようなことはなく、わりと自身のプレーに専念できていたように思います。そこには、当然、キャプテンのファンペルシーの存在もあるんでしょうけど、それ以上にベテランのカイトという存在が大きかったのかな、なんて想像します。ロッベンが若大将ならカイトは青大将、みたいな。エースがプレーに専念できるためには、ベテランの存在が重要なのです。