いつもそこにいたYS横浜vs琉球(10月18日)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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どちらもJ2昇格には少し厳しそうなチーム同士の対決だけあって、互いに決定打に欠く一戦となりました。

 

 

■前半

 

キックオフしてシステムをチェックしてみますと、どうやらYS横浜は3421っぽい感じ。一方の琉球は4231だったんでしょうね、基本形は。ともあれ、DF・MF・FWの人数は掲示板のラインナップと同じ。なんとも素直にメンバーリストを提出したものです。例えば、ここ数年の大阪と岡山の間くらいを本拠地とする某なんちゃらレッドのチームとかは、「どうすれば、実際との相関関係なく、かつ、法則性なくポジションを振り分けるか」に命を懸けているとしかか思えなかったりするのですが。

 

 

YS横浜について言えば、3バックという名の5バックだったわけですが、両ウィングバックの片方がグワッと前線に駆け上がっていきますので、リトリートさせられた時間以外では4バックのように見えなくもない。そうなると、ポイントとなるのは、グワッと攻めあがった後をどうするか。素早く切り替えて戻るのが原則ですけど、そればかりだと両WBに過重な負担がかかりますから、如何にセーフティーにマークを受け渡していくかが重要になって、そこに苦労しているっぽく感じられました。

 

 

一方、琉球。攻守に渡って、このチームのキーマンは中山です。昔なつかし、あの「浪速のゴン」こと中山悟志です。ガンバでも期待されていたくらいポテンシャルの高い選手なので、このレベルではフィジカルが圧倒的。ゆえに、フリーマンっぽくなる。ただ、フリーマンといっても、ワンマンというより、多くの役割を担わざるをえないといった印象で、なかでも、ゴールキックターゲットマンとして役割は全面的に依存されている感じ。

 

 

で、中山がターゲットになるべく頻繁にポジションを微調整しますから、周囲もそれにあわせて動いていく。例えば17番の青木は右サイドでありながら、長身ということもあってCFのようなポジション取りもする。また、15番の藤澤はトップ下をスタートポジションとしながらも中山や青木と横並びになる。11番の小幡は左サイドに固定されていたと思いますが、ともあれ、中山のワントップなのか青木のワントップなのか、中山・藤澤の2トップなのか青木・藤澤の2トップなのか、なかなか流動的でございました。

 

 

■後半

ともに決定打に欠いたまま、試合は後半に。相対的に考えれば、よりポゼッション率を高めていたのは琉球だと思います。YS横浜が明確にカウンターサッカーだったのに対し、まだ琉球は比較的繋ごうとしていた。しかし、なんせ3部リーグですからね。もちろん、3部リーグの選手になることだって大変なことですのでリスペクトを欠くわけにはいきませんが、やはり、引いた相手を個で崩せる技術レベルの選手はそうそういない。

 

 

簡単に言うと、「琉球が攻め倦ねる」って展開。そのなかでも、どうにか打開を図っていたのが、17番の青木。この選手は、ボールを貰うのが上手いんですかね。相手WBの裏で攻撃の起点となっていた。動きも素軽いですが、大柄の選手ですから、どうしても細やかなボールタッチという部分では劣ってしまう。ただ、献身的てす。サイドで動き回る大型プレーヤーでCFもできる。選手交代の時に顔を見て思ったのですが、いろんな意味で矢野貴章に似ているように思います。

 

 

他方、YS横浜。後半の早い時間帯に藤川から山崎へとスイッチしてきました。ちなみに藤川というのは水戸や大分で活躍した、あの藤川です。作田とペアなイメージの強い。そして山崎は、レイソルユース出身で、岡山とかでも存在感を示していた、あの山崎ですね。まだ若いので武者修行中なんですかね。ともあれ、そうやって、多少なりとも攻撃に色気を示したYS横浜ですけど、基本的には失点しないことを重視。スコアレスドローとなりました。

 

 

最後に、この試合は三ツ沢で横浜のクラブと沖縄のクラブが胸を突き合わせた一戦でしたが、その前日、横浜のクラブで長く活躍した元フットボーラーが、沖縄の地で次の世界に旅立っていきました。引退後は「人間、生きていれば、そうそう良いことばかりではないよね」って印象もありましたけど、だからといって、彼がサッカー選手として放った輝きは色褪せるものではありません。黄金期ジュビロにも、岡田マリノスのリーグ3連覇にも、常に中心には彼がいた。ご冥福をお祈りします。

 

 

■日本代表への推薦状

 

□推薦者

有馬賢二監督

 

□推薦理由

元々Jリーグでも活躍した選手ですから、アグレッシブです。ピッチ前に立って、時折、大声で選手に指示を出しておりました。守備に対する指示、特に切り替えの部分についての叱咤が多かったですかね。そんな有馬監督、前半に吉田が競り合いで傷んだとき、レフリーに向かって大きな声で「危ないのでよく見ていてください!」と叫んでいました。ここでのミソは丁寧語を使っているところです。心は熱く、頭はクールにを実行できている。

 

 

というか、全体的にYS横浜って選手も含めて紳士然としてます。この日、ピッチに立った選手に茶髪は1人もいなかったように思いますし。もちろん、ほとんどがアマチュアで社会人もやってるんでしょうから、仕事の関係で黒髪なのかもしれませんが、おそらく茶髪禁止令が出ているのではないかと。YS横浜といえば、このカテゴリーでありながら、ユースチームなど下部組織が熱心にトップチームをサポートしているところに特徴がありますから、そういう若者のお手本とならねばならぬ、ということなのでしょう。なんとも日本的ではないですか。