決勝戦らしい攻防についてアレやコレや思うところもある【なでしこvs北朝鮮】の周辺をウロウロと…★テレビ観戦記★

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■なでしこ 1 vs 3 北朝鮮女子代表[アジア大会決勝 10月01日]

序盤から圧倒されるなか、先制点を許します。2番(ユンソンミ)のFKに10番(ラウンシム)が足でフリックするよなプレーで繋ぎ、最後は12番(キムユンミ)に決められてしまいました。キムユンミのトラップ、凄かったですね。あの厳しいプレッシャーのなかでピタッと足下に収めてしまった。あんなプレーをされちゃったら、そりゃ、無理だ。そりゃ、我らが海堀も、その前後の時間帯で“1人バタバタ劇場”を開演してしまうってもんです。

 

 

明らかにシビアな戦い。この大会を通して解説の川上さんは比較的親切に、アナさんの事前に必死で調べてきたであろう、どうでもよい(←あくまでワタクシにとっては、ですけど)エピソードトークにもお付き合いしていたのですが、この試合だけは、そんな余裕もなく、ひたすらプレー解説に終始。「そんなこといいから、プレーに集中しましょう!」って言いたかったんだろうなぁ・・・本音では。アナさんにはアナさんの仕事があるので仕方ないんですけど。

 

 

ともあれ、ハイレベルでヒリヒリするような、サッカーというスポーツが好きで見ている側としては、とても素敵で幸福な時間が過ぎていくなか、後半の開始直後、ロングカウンター1本で追加点を奪わます。ラ・ウンシムの独走&決定力にやられましたね。それでも、なでしこはすぐに追撃。川澄のクロスに高瀬がスルーし、背後に走り込んでいた宮間がきっちりと押し込みました。これは良いかたちでした。失点してすぐに奪い返せたというのは、評価すべきポイントでしょう。

 

 

ここからは互いにオープンな展開。ともにシュートまで持ち込む決定機を多く生み出します。目立ったのは、なでしこのサイドアタックですかね。ベトナム戦だったか香港戦だったかでもそうでしたけど、この大会のなでしこは、時間の経過とともにサイドアタックの比率が上がっていく印象がありました。対する北朝鮮は、リードしている分、受けに回っていましたが、時折なでしこのお株を奪うかのような長短のパスワークをワンタッチで発動させていて脅威となりました。

 

 

そして、後半の40分。決定的な3点目が入りました。セットプレーのチャンスで、負けているなでしこは多くの人数を前に上げる。そしてセットプレーのチャンスは同時にカウンターのピンチ。サッカーを見ていれば、常にお見かけするお約束のパターンでダメを押されました。この失点も含めて、残り15分くらいは、いかにも「実力が拮抗しているチーム同士の対決で、一方がリードしたら、最後の方はこういう感じになりますよね」っていう“The 終盤の攻防”が展開されていて、繰り返しになりますが、サッカーというスポーツが好きで見ている側としては、とても素敵で幸福な時間を過ごすことができました。

 

 

というわけで、我らがなでしこの完敗となった決勝戦。佐々木監督が率直に仰っていたように、北朝鮮のレベルが高かった。それまでの対戦相手が中国を除いてアレだったこともあって、久々にしっかりとした個人技術を備えたタレントが組織的に戦うチームとマッチアップしている姿を見ました。部活でレギュラーだった人ならわかると思うのですが、県大会とかにいくと、強いチームってアップを見ただけでも強いってわかりますよね、テレビ画面越しながら、そういう感覚を思い出しました。

 

 

そんな「相手が強かった」としかいいようのない敗戦においていても、宮間主将は「情けない」と厳しく自分たちに問いかける。カッコいいですね。一方、そういう宮間のストイックな言葉尻に便乗して、やれ「若手がどうの」とか、やれ「成長がない」だの、匿名で揶揄できてしまう人たち。カッコいいのかどうかワタクシには判断が付きかねますけど、ワールドカップ制覇なんていう何十年に一度の快挙を基準に、「それを再生産できないのだから批判されて当たり前」と発想しているとするならば、あまりにも非生産的だなぁ、と思います。