国公立大学の底力についてアレやコレや思い知らされる【チリvs豪州】の周辺をウロウロと…★ワールドカップ各試合を振り返る★

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■チリ 3 vs 1 オーストラリア[WCグループB 06月14日]

「チリが圧倒しているなぁ」と思ってみていたら、そのままチリが先制。ビダルの大きなサイドチェンジに、アランギスがワンタッチで落とす。そこにはサンチェスがいて。サンチェスとワンツーのようなカタチになったアランギスがシュートモーションに。一旦ははじき返されながらも、バルガスがヘッドで繋ぐと、再びボールはサンチェスの足下に。GKが吊り出されていて、半ば空になっていたゴールにがっつりシュートを突き刺しました。

 

 

チリの猛攻は続きます。今度は最終ラインから中盤をじっくり繋いで、サンチェスにボールが入ったところでスイッチオン。サンチェスがドリブルでオーストラリア守備陣を切り裂いて、最後はバルディビア。エースに続いて10番もゲットゴール。2点取ると、チリにも余裕ができる。少し落とす。イタリアを相手に思いのほかやりあえて調子に乗って「2点よりも3点!」みたいに攻め続けてバテて勝ちきれなかった、どこぞのアジアのチームとは、その辺が違う。

 

 

ただ、オーストラリア、そのまま引き下がらなかったですね。ハイクロスでチリの守備陣を混乱させ、そのこぼれ球を再び右サイドに展開。フラニッチのシンプルなクロスにケーヒルが問答無用の高さでヘディングシュートを決めました。で、1点差になりましたので、チリは再びギアアップ。「セーフティリードならセーブするし、そうでなければハイテンション」といったメリハリは、なかなかサッカーIQが高い。見習わなければなりません。

 

ハーフタイムがあけて後半。オーストラリアの時間帯になりましたねぇ。ブレシアーノがフリーで枠内にボレーでシュートしたり。サイドからのクロスで何度かチリGKのブラボに活躍の機会を与えていました。この時間帯のブレシアーノは輝いていた(あくまでプレーが、ですよ)。それから、少しチリが落ちましたね。チリといえば無限の運動量で金魚のなにがし状態を90分続けるイメージだったのですが、さすがに落ちるときは落ちるんですね。

 

 

終盤は、少しプレーの精度が落ち、オープンな展開となって、やや平板な流れというか、エキサイティングって雰囲気が薄まりましたが、かといって集中力が散漫になることもなく、それなりに見ていられる試合のまま土気の針が進む。ロスタイムにダメ押しの3点目を奪って、チリの完勝となりました。ちなみにチリの3点目はボーセジュールのミドルシュート。途中出場のボーセジュールですが、あのフッキなみの胸板はダテではなかったらしい。

 

 

というわけで、好発進となったチリ。チリといえばビエルサ時代から磨きをかけた「次から次へとポジション無視で湧き出るサッカー」なのですが、この試合では4バックということもあり、オーソドックスな433を維持していました。ただ、セーフティリードを奪うまでは、両SBんぼ位置取りが高いのなんの。昔、チェルシーでの第一次政権時代のモウリーニョが「守備的だ!」と批判されたとき、「オレ様のサッカーを2323の超攻撃的システムだ!」と嘯いていましたが、この日のチリはリアルに2323。このあたりの矜持は強烈です。

 

 

この試合の中継を見ていて、もう1つ印象に残ったのがゲスト解説の高橋秀人(@FC東京)。立て板に水のごとく滑らかに次から次へと言葉が出てくる。実に饒舌です。しかし、決して喧しくない。淡々と、ソフトに。ワタクシが受験生の頃、「国公立大学に進学しておけば、何かと潰しが利くぞ!」と言われて、その時にそのことの意味がピンときませんでしたが、こういう、高橋秀人のインテリジェンスを目の当たりにすると、あの頃、身の回りのオトナが説いていた内容が理解されるってものです。