前田遼一の不在〜横浜FCvs磐田(7月26日)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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低迷からの脱却を図る横浜FCが、息切れ気味の磐田を迎え撃つ、そういう構図の試合。

■前半

この日の横浜FCセカンドサードか知りませんが、紺を基調に赤のラインが入ったユニフォーム。対するジュビロは、おそらくセカンドなのでしょう、白を基調に赤が差し色のユニフォーム。これって、たまたまですかね?それとも、あらかじめそういう申し合わせがあったのか、ともかく、ともに水色をチームカラーにしているにもかかわらず、両チームとも水色を使わないという現象が発生してました。たまたまだったら、なんだか皮肉。そんな、今ひとつ噛み合ってるのか噛み合ってないのかがわかりづらいマッチアップですけど、それはあくまでプレーとは無関係な部分。ピッチの中では随分とミラーゲーム的な要素も見られました。例えばそれはWボランチの組み合わせ。横浜FCは松下と寺田のコンビで、一方のジュビロ小林祐希と岡田という2人。典型的な「潰し屋+レジスタ」という組み合わせですよね。ここの噛み合わせは良かった。

 

 

同じように、前線2人の組み合わせも、よく似ていた。横浜FCは長身CFのパクソンホと、運動量豊富な野崎。対する磐田は、ケガの前田遼一に代わって阿部吉郎が最前線に入って、松井大輔が衛星的に動くイメージ。これまた、中央でターゲットになったり、シュートチャンスを窺ったりという役割のストライカータイプと、前後左右に動き回ってチャンスメーカー的な役割も担うタイプという組み合わせで、両チームとも共通している。それにしても、ここ最近、特にJリーグでは、4231と442の区別がなくなってきているような。本田や香川みたいな純然たるトップ下というよりも、ほとんど、かつて“セカンドストライカー”と呼ばれていた役割に回帰している気がしてならない。ともあれ、より直接的にゴールに貢献したのは野崎の方。前半における横浜FCの先制点は寺田が決めたものですが、その時間帯、横浜FCは野崎の裏抜けやフリーランニングで磐田を押し込んでいたので、起爆剤は野崎だったといってよいと思います。

 

 

 

■後半

先制された磐田のシャムスカ監督は、ハーフタイムに動きます。まず、小林祐希に代えてチンガを投入。さらに前半はポポがSHで松井が前線だったのを入れ替えてきました。ちなみに、久々に生で見た松井ですけど、相変わらずのトリッキーさ。テクニシャンです。例えば、トラップからドリブルに移行するときのボールの置き方とか、随所に踵を使ったプレーを織り交ぜてくるなど、ベテランになっても、松井はどこまでも松井。素敵なのです。ただ、残念ながら、そんな松井のチャンスメークが報われることはなく、逆に横浜FCが抜け目なく追加点を積み重ねていきます。2点目は、松下の超絶なクロスに小池が反応。本当ならそのまま小池が決めてしまうのがベストだったのですけど、ほんの僅かに、そこのタッチは合わず。それでも、そのまま小池が折り返し、最後は猛然と走り込んできた野崎が押し込みます。さらに直後にはコーナーキックから野上が合わせて3点目。どうしたんですかね、横浜FC。唐突に覚醒しましたね。

 

 

で、ここからの横浜FCの試合運びは手堅かった。まるで強者による逃げ切り劇のよう。なんせ、残り25分のところでクローザーとしてアンヨンハが投入されたりする。そりゃ、チーム全体に落ち着きがもたらされ、かつ守備強度も格段に向上するってもんです。しかもアンヨンハ、後半のロスタイムには駄目押しの4点目も決めました。山口采配ズバリ。何より、横浜FCのベンチメンバーがえげつない。逆に磐田のベンチメンバーはいささか迫力に欠いた。といよりも前田遼一の不在が響いた。前田という明確な基点がいないことの直接的な影響もさることながら、金園の怪我も相俟って、阿部吉郎を先発起用しなければならなくなったことが痛い。スーパーサブ属性の高い阿部がベンチにいないのは、采配の幅を著しく制限します。結果として、ジュビロのベンチには、ペクソンドンくらいしかアタッカーがいなかった。ただ、ペクソンドンも悪い選手ではないですが、切り札としては、少し迫力不足だったと思います。

 

 

 

 

■日本代表への推薦状

□推薦者

小林祐希

□推薦理由

昔から期待していた選手ですが、知らないうちに爽やかなスポーツ刈りになっていたんですねえ。ヴェルディにいた頃は、いかにも“未成熟な若者”といった軽めの佇まいだったんですけど、徳島に行く前と行った後の柿谷くらいイメージが変わった。プレースタイルも、まだまだ相手に抜き去られる場面が少なくないながらも、カラダをぶつける守備とかは、あまり嫌がらない模様。いわゆる“インテンシティ”も、それなりに向上しているようです。

 

 

特に注目されたのは、これまた、満足できるって程ではないですけど、2CBの間に降りてきてボールを捌いたり、攻撃の起点になったりという場面が散見されたこと。こういうプレーは近年のトレンドですからね、貴重です。そんな小林祐希、この試合でも何時ものように前半だけで下げられてしまいました。まだまだ修行の途中なのでしょう。それでも、いつか彼がシュバインシュタイガーのようになる日が来ることを願ってやみません。