ダービーの周辺をウロウロと…2013年シーズンのJリーグを振り返る

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■もうちょっとで時代劇ダービー[栃木SCvs富山(7月7日)]

栃木SCカターレ富山。共通点を探すことは、さほど大変な作業ではありません。「とちぎ」と「とやま」。ともに、平仮名3文字で、「と」から始まる。この時点でもはや栃木SCカターレは姉妹クラブと言って過言でない。改めて申し述べるまでもなく過言ですけどね。

 

 

ワタクシ、数年前には狂ったように一人旅を繰り返していて、当然、富山も訪れたのですが、何やら港のような場所に行って、その帰りに路面電車に乗った記憶があります。そして宇都宮と言えば、新型の路面電車を導入するかどうかが選挙の争点となるような街。そういう意味では新旧路面電車ダービーとも言えるでしょう。

 

  

確かに東武宇都宮とJRの宇都宮駅って、絶妙に面倒くさい感じで離れていますから路面電車があれば便利でしょう。ちなみにワタクシの地元界隈に引き付けるならば、JRの四日市駅近鉄四日市駅が、ちょうど同じくらい離れています。

 

 

さて、栃木と富山、さらにもう一つ共通点を探すなら、〈もうちょっとで名作時代劇になれたのに〉ってのもあります。東日本出身者が「岐阜」「三重」「滋賀」「奈良」を区別できないように西日本出身者は「群馬」と「栃木」が見分けられない。しかし、関東では、そこに「茨城」を加えて「北関東」と総称する。つまり、栃木と茨城は隣県であり、茨城の県庁所在地は水戸。そう、栃木は、もう少しで『水戸黄門』になれたのです。同じく富山についても、「とやま」を少しだらしなく発音すれば「とぉやま」となり、「とおやま」となる。そうですね、富山は、もう少しで『遠山の金さん』になれたのです。どうです、栃木と富山って似てませんか?

 

 

 

内部留保金ダービー[大宮vs名古屋(7月10日)]

 

この両チームの共通点は極めて明確。大宮の(事実上の)親会社がNTTで、名古屋の親会社がトヨタ。日本を代表する超優良企業がバックに控えているので、潤沢な資金力を誇り、かつ、近年はGMに優秀な人材を迎えているので、的確な補強を毎年のように積み上げています。

 

 

しかも、どこぞの楽天や、どこぞのユニクロや、どこぞの低価格居酒屋チェーンや、どこぞのゴーンと違って、‘社員に優しい’(=内に甘い=内部留保が多い=福利厚生に熱心)伝統的な体質と外野からは見受けられますので、今後しばらく大鉈を振られる危険性も低い。

 

 

そんな、良くも悪くも親会社依存度の高い両クラブですから、逆に、その影響をモロに受けかねない。そう、この両クラブは宿命のライバルと言って過言でないのです。といいますのも、確かauはかつて、IDOと名乗っていて、そのIDOは、トヨタが旗振り役になって立ち上げた企業だったはず。

 

 

つまり、一見するとトヨタ(生産業)vsNTT(通信業)という異業種対決に見えて、その実、audocomoという血で血を洗う仁義なき資本主義戦争だったりするのです。菅原文太も、ドスの利いた両クラブの応酬に、思わず「なめたら、あかんぜよ」と口走るに違いないのですね。

 

 

ただし、そういった因縁を踏まえるとき、一つ気になることが。NACK5スタジアムのスポンサー看板を、よくよく眺めていると、なんと、‘埼玉トヨペット’の文字が・・・ むむむ、これぞ、いわゆる一つの、〈背に腹は代えられない〉ってヤツなのでしょうか。

 

 

 

■フッチボルダービー[柏vs鹿島(7月13日)]

レイソルアントラーズのダービー要素、それは今さら申し述べるまでもなく、「かし‘わ’」と「かし‘ま’」だけに「かし○ダービー」というところですね。音感的に非常に似ている。

 

 

あと、近年のレイソルネルシーニョが長期政権を築いていますし、アントラーズJリーグの創成期より、一貫して‘ジーコのDNA’を大切に大切に育んできたクラブ。そして2013シーズンはトニーニョ・セレーゾが再任した。つまり、ブラジル人名将対決、あるいは、‘フッチボルダービー’でもあるわけです。

 

 

しかし、この試合で最も興味を惹かれたのは、〈柴崎vs茨田〉の‘新進気鋭のセントラルミッドフィルダー対決’でした。ともに20番を背負い、将来を嘱望されてきた若者同士。一方は地方の高体連出身で、もう一方は都会のユース育ち。このように背景は対照的ながら、プレースタイルは両者とも華麗。ただ、やはり草深い地方で足腰を鍛えられながら育った方が、逞しさは早めに身に付くらしい。この日に限れば、柴崎の方が、しっかりゲームに参加できていました。

 

 

ちなみに、この両チーム、同じ背番号の選手が、同一ポジションだったり、対面したりすることが多かった。例えばクレオダヴィ。ともに11番を背負ったブラジル人ストライカー、。あるいは菅野と曽ヶ端。やはりキーパー同士で21番です。しかも、年齢的に脂ののった実力派というところも似ている。さらに橋本と西は、同じサイドで対面する攻撃的SBですよね。こういうことも、なかなか珍しいのではないでしょうか。