ドイツの強さについてアレやコレや今更ながらの感想を垂れ流してみる【ドイツvsアルゼンチン】の周辺をウロウロと…★テレビ観戦記★

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■ドイツ 1 vs 0 アルゼンチン[WC決勝 7月13日]

ついに2014ブラジルワールドカップもファイナルです。そこに駒を進めたのは欧州のドイツと南米のアルゼンチン。最高の舞台設定です。皆さんは、この対決のどこに注目されましたか? 見所はあまりにも多かったわけですが、ワタクシ的には、サイドバックのマッチアップですかね。サバレタvsヘーベデスの「どっしり守備をやりまっせ!」対決もワクワクしますし、ロホvsラームの「アグレッシブに攻めまっせ!」対決からも目が離せない。なにより前者が両方ともに「4番」で後者がやはり共に「16番」というのが凄いじゃないですか。なんという偶然。ミラクルですな。

 

・・・。

 

さて、キックオフからゾクゾクするような応戦が交わされました。ドイツは、まるで攻城戦を仕掛けるがごとく、1つずつ相手の守備網を丁寧に剥がしていくような戦い方。一方のアルゼンチンは、いわば野戦。「とにもかくにも相手の総大将の首さえとってしまえば全軍が崩れる」というやり方。軍勢の多い(=総合力に優れる)側は確実に勝つべく短期決戦は避けるし、一騎当千の武将を抱える(スペシャルな個を抱える)側は、一発で勝敗をつけようとする。

 

 

それにしてもドイツは強い。試合開始直前にケディラが出場できないこととなり、急遽抜擢されることとなったクラマーも前半のうちに負傷退場したことで、シュールレスクランブル投入してポジションをいじらざるをえなくなった。でも、まったく質が落ちない。強すぎるでしょ。なお、シュールレ投入後のドイツは4231になったのですが、アルゼンチンも後半開始とともに4312というか4321というか、ともあれアンカーを置くスタイルに変更して、対処を施してましたね。

 

 

後半も、基本的にはドイツがボールを保持する展開。前半との違いは、アルゼンチンの最終ラインをゴール前に釘付けにしてしまうくらいに押し込むシーンが増えたことでしょうか。アルゼンチンは前半と同じく、「肉を切らせて骨を断つ」。75分を過ぎてからは、ドイツのアタッカー陣が最後の力を振り絞って縦への推進力を、もう1段階上げる。対するアルゼンチンは、メッシのキレが、低下しはじめる。運動量をセーブしているメッシが、他の選手と同じようにバテちゃいかんでしょ。

 

 

延長戦。さすがに両チームともバテバテ。その中でも延長前半に決定的なチャンスを迎えたのはアルゼンチン。パラシオがノイアーとの1対1の場面を迎えます。しかし、そこで決められない。千載一遇だっただけに、これは厳しい。そして、延長の後半。内山アナの「ついに扉は開かれました」との言葉そのままの決勝ゴール。シュールレガドリブルで局面を切り開き、そのクロスを胸トラからのダイレクトボレーで決めました。難しい時間帯、展開の中で、まさに勝負強さを発揮したゴールでしたね。

 

 

というわけで、交代出場のシュールレゲッツェが試合を決めた決勝戦となりましたが、凄いのは、途中出場した選手が活躍したという結果論的な部分のみにあらず。後半の途中、クローゼが退き、シュールレゲッツェミュラーの3トップ体制になってから、この3人って、ホント細かくポジションチェンジを繰り返していましたよね。その流動性こそ、本大会におけるドイツの強さの本質だと思うのですよ。スペシャリティを持ったジェネラリスト集団、と言いましょうか。

 

 

大会を通じて、「このポジションは、この選手しか考えられない」って起用の仕方をされたのはノイアーフンメルス・クロースくらいだったのではないでしょうか。他の選手、他のポジションには、それぞれローテションのようなものがあって、良い意味で「代わりがいる」という状況だった。それは「得点シーン製造を担えるのはメッシだけ」であったアルゼンチンと、あまりにも対照的だった。メッシと心中するアルゼンチンに限界があったなんで陳腐で軽薄な批判をしようとは思いませんが、ドイツのポリバレント性は、あのオシムでさえ脱帽なのではないでしょうか。