時代の終焉についてアレやコレや保留してみる【スペインvsチリ】の周辺をウロウロと…★テレビ観戦記★

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■スペイン 0 vs 2 チリ[WCグループB 06月19日]

絶対王者がまさかの2連敗!」というショッキングな結果を先に知ってから見たのですが、「そこまで“崩壊!!”ってほどでもないのかなぁ」なんて考えていたら、チリが先制。中盤でボールを奪うと、まんなかやや右でサンチェスがボールをもらう。そのままグランダーのクロスというか斜めなショートパスを入れ、オーバーラップしてきたアランギスがワンタッチ。最後はエースのハバルガスが決めました。

 

 

ただ、ここからのスペインは宜しくなかった。いわゆるひとつの“浮き足立つ”状態。こりゃアカンってなモードになってしまいました。こうなると機能するはずのものも機能しなくなる。個人個人の視野が狭くなる。そうやっている中で、前半終了間際に、フリーキックから、もう1点を奪われてしまった。キックを蹴ったのはサンチェス、押し込んだのはアランギス。チリからすれば、まさに“シメシメ”な展開。同じ南米の国の躍動に会場も大盛り上がり。

 

 

近年の“王者スペイン”(あるいはベップバルサ)のサッカーというのは、語弊を恐れず言えば「上から目線でパスを回したくる」ってサッカーだったと理解しています。ミソは“上から目線”による視野の広さにあって、逆に言うと、劣勢になって“必死”になってしまうと、効率的なパス回しができなくなる。前半の終盤は、その“上から目線”を喪失してしまっていて、てんでパスが繋がらなくなりました。それでもアラゴネスはハーフタイムにその辺を立て直し、後半の序盤は、“いつものスペイン”の片鱗が見え隠れするようになった。

 

 

しかし、そのスペインに対して、チリはがっぷりよつを組んだ上で押し返してしまいました。フレンドリーマッチでドイツと五分にやりあったりと、もともと強いチームなんですけど、それにしても鮮やか。南米のチームの割にはアグレッシブに走り回るサッカーでありながら、それでいて南米特有のマリーシアもある。リードした展開で残り15分を切ると、シミュレーションにならない口実があれば、必ずゴロゴロと倒れる。そういった伝統芸を見せつけながら、そのまま20でチリが勝利を収めました。

 

 

というわけで、放送でも繰り返し述べられたように「絶対王者がついに陥落!」ってな試合になったわけですが、個人的な感想としては、そこまで大騒ぎするほど「時代の終焉」を強調しなくてもよいのかな、と。初戦で失敗したことで、ワールドカップなどグループリーグのある大会特有の“負のスパイラル”に陥っただけのような。日韓のときのフランスにも共通するので、「それを時代の終焉というんだ!」って言われたら、そうかもしれないですけど。

 

 

それに、こと、この試合に限って言えば、「華麗な欧州流パスサッカーが抜け目のない南米サッカーにいっぱい食わされた」という、よくあるパターンの敗戦にも見えました。もっとも、これまた「全盛期のスペインならば、そういう南米のしたたかさも力ずくでねじ伏せられていた!」と言われると、そんな気もします。ともあれ、あまりセンセーショナルに捉えることなく、次のユーロまでは時代が終わったか否かの判断を保留しておいたほうが無難だと思います。