圧倒しながらのウーノ・ゼロ〜ジェフ千葉vs愛媛FC(5月31日)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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5月に入ってからジェフは調子がよいですよね。愛媛は湘南の連勝を止めたんでしたっけ?

 

 

■前半

 

愛媛は去年から361を採用していますね。ただ、シャドーが守備時にワイドに開いてラインを形成する森保パターンではないバージョンの361。これだと、シャドーの選手がワイドから長い距離を走らないでいいので、シンプルなカウンターが効果的に繰り出せます。頂点を含めた愛媛の3トップは、各々、キャラクターがありますから、狙いとしては悪くない。

 

 

すなわち、いわゆる“1トップ”に位置する西田は、特別に高い選手ではないなですが、身体能力に秀でているということでしょうか、フリックの成功率がとても高い。また、堀米は、それが彼の持ち味かどうかは知りませんけど、一度突貫系のドリブル突破を披露するなど、ボールを前に運ぶことができる。そして、“えなり君”こと河原については、その献身性をいまさら述べるまでもないところでしょう。

 

 

一方のジェフは、フリーマンっぽく起用されていた大塚の出来が出色。運動量もありますし、ボールを引き出すのも上手い。ビルドアップに参加したり、三人目の選手として味方のフォローアップも欠かさない。相棒のケンペスは、千葉のエースとして君臨しているものの、競り合いなどでの高さとゴールゲットに特化した選手で、それ以外のことはあまりできない。そして、その“それ以外のこと”を全て大塚が担っている、そんなイメージですね。

 

 

これまで、千葉ではケンペスの相棒として動き回る役割を、主に町田也真人が担ってきたと思いますが、簡単にいえば、そこの部分が町田から大塚に代わった。ミソは、それにともないポジション表記が442に変更されたことでしょうか。それは、単に表記上だけの問題ではなくって、実際に相手を背負ってのポストワークなどは町田より大塚の方が上手い。踏ん張りがきく。そういう部分で、実際の光景も、確かに4231というより442に近くなっていました。

 

 

 

■後半

 

ジェフは前半のうちにセットプレーからケンペスが先制点をあげて優位に試合を進めていたのですが、後半に入ると、両チームの実力差が露骨に表現されるようになる。いわゆるワンサイドゲーム。あるいはハーフコートゲーム。、

 

 

後半の、特に75分くらいまでのジェフは、愛媛がカウンターを仕掛けようとしても、悉く3トップをアッサリ潰せてしまえていた。結果として愛媛はゴール前に釘付けとなり、ベタ引き状態に追い込まれます。

 

 

で、こうなると逆にスペースがなくなって攻める側としては攻め手を失うものです。しかし、この日のジェフと愛媛では、それでもジェフが決定的チャンスを量産できてしまうくらいの実力差があった。ただ、決まらないんですよね〜、ゴールが。あの手この手でいろんなパターンを織り交ぜつつ、「後は決めるだけ」ってシュートを放ち続けながらも、決まらない。サッカーには、よくある光景です。

 

 

そうやっているうちに少しずつジェフにも攻め疲れが見え始める。これまた、サッカーにおいては、往々にして見られる風景です。その攻め疲れ感が特に著しかったのが谷澤。交代になる前の谷澤は見事なまでにヘロヘロ。ちなみに、谷澤といえば“良い谷澤”の日と、“悪い谷澤”の日が明確に分かれることで有名ですが、この日については、一試合の中で“良い谷澤”と“悪い谷澤”が交互に顔を出す、“謎の谷澤”の日。まあ、谷澤は常に謎ですけれど。ともあれ、谷澤がヘロヘロになったので山中が投入されます。レイソルから移籍してきてレギュラーを掴みかけた選手ですが、この試合に関しては、なんとも消化不良。全く縦に仕掛けないのだから、宝の持ち腐れってヤツです。

 

 

そんな調子で結局、最後まで1ー0のままスコアは動かず。内容的にはジェフが圧倒していましたので、サポーターとしては「内容が良かった」という側面と、「1点しか入らなかった」という側面の、どちらを重視するか、評価に難しい試合だったかもしれませんね。

 

 

 

■日本代表への推薦状

 

□推薦者

井出遥也

 

□推薦理由

 

この試合でリオ五輪の出場資格がありそうなのは、ジェフでは井出遥也、愛媛では原川と、それから堀米も有資格者でしょうか。違ったらスイマセンですけど、そして他にもいたらスイマセンですけど、まあ、両チームで3人ですから、少なくはないですね。その中でも特に目をひいたのは右サイドを軽やかに疾走していた井出遥也。愛媛の守備陣があまりガツガツこなかったからかもしれませんが、右サイドで使う側にも使われる側にもなって、崩しの起点の一角を担っておりました。

 

 

しかし、この選手の良さはサイドでのプレーだけに尽きません。特筆すべきはエリア内でのアジリティーですね。スルスルスルと侵入していき、相手CBの隙を突いたポジショニングをする。そしてシュートまで持っていく。このプレースタイル、どことなく、誰かを想起しませんか。そうなんですよ、井出遥也、背番号が26番なんですよ。つまり、香川真司、彼にプレースタイルがよく似ている。追いつけ追い越せで頑張ってもらいたいところです。