アトレティコの敗因についてアレやコレや勝利の女神の非情を実感してみる【CL決勝】の周辺をウロウロと…★テレビ観戦記★

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アトレティコ 1 vs 4 レアル[CL決勝 05月24日]

いきなりジエゴコスタが負傷退場する波乱の幕開け。最初の数分はレアルのペースでしたけど、途中から割と互角な展開となりました。なんだかんだでレアルは両SBのオープンなクロスくらいしか活路を見いだせないって感じに追い込まれていく。

で、先制したのがアトレティコ。セットプレーですよね、こういう時は。決めたのはコウルグアイ代表のゴディン。何かと意味もなく自己主張したがる青嶋さんが「ゴディン」の「ディ」にやたらとアクセント置きたがっていて、そっちにばかりる気をとられてしかたなかったのですが、それはともあれ。

後半に入っても、アトレティコが実質的なイニシアティブを握ります。アトレティコが手数をかけないオートマティズムからシンプルにシュートまで持ち込むのに対し、レアルはベイルやクリスティアーノロナウドといったタレントの個性を発揮させてもらえない。

しかし、そのような流れは後半30分を過ぎてから、いきなり180°変わってしまいました。アトレティコの運動量が下がったのか、あるいは精神的な部分か、とにかくレアルの7番(セブン)と11番(イレブン)が「良い気分」になっていく(若い人にはピンと来ないかもしれない語呂合わせ。最近はデイドリームビリーバーですからね)。

それでも気合いと根性で凌いでいたアトレティコ。キリキリする展開のなか、どうにかこうにか時計の針を進めていたのですが、最後の最後、後半ロスタイムも4分を過ぎたところで、レアルが同点に追いつきます。決めたのはセルヒオラモス。中国戦の岩清水を想起させるような、コーナーキックからのヘディングシュート。さすがCL決勝、壮絶です。

延長戦に入ってからのことは、まあ、触れる必要はないでしょう。満身創痍同士の殴り合いとなれば、個の違いが、そのまま出てしまうってことです。

さて、敗れたアトレティコ。ハードなディフェンスがクローズアップされるチームですが、案外、2トップというところにミソがあるように感じました。4231とかだと、1トップは、他の選手の押し上げを待つべくキープして耐えたり、ショートカウンターから一発で決めたりってことを求められますが、2トップだと、「とりあえず2人で頑張ってくれ!」という、ある意味での裁量が与えられます。

ポジショニング的には流動的であることが許される一方で、駆動域はかなりの広範囲になる。それに加えてアトレティコでは守備でのハードワークを求められますから、運動量という点で、2トップへの負担は相当に大きい。だから、フレッシュな選手を入れるなどして、前線に運動量を加え続ける必要があると思われるのですが、そこで、ジエゴコスタですよ。

彼が先発して、わずか数分で交代を余儀なくされたことで、アトレティコからは「前線に運動量を加える」という選択肢が奪われてしまった。1枠使ってしまったという意味でも、スクランブル投入によりアドリアンロペスというカードを切ってしまったという意味においても。勝負のアヤというか、勝利の女神は新参者に試練を与えるのが好きなのでしょう。