浦和が強いのか仙台が弱いのか浦和レッズvsベガルタ仙台(4月6日)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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ギオンスタジアムで相模原vs秋田の試合を見てから、バスと小田急とJRと埼玉高速鉄道を乗り継いで、埼スタに見参。Wヘッダーで仙台との一戦を観戦しました。JRから埼玉高速鉄道に乗り換えるタイミングで一杯やらかしている件については、来年の今頃、「2014シーズンを振り返る」シリーズで掲載予定。

■前半

というわけで、今シーズン最初の埼スタ。いつものようにSC指定席からの観戦だったのですが、どうにも集中できない。なぜ、集中できないかというと、なんせ、寒かった。この日の最低気温は6.4℃だったそうですが、ほぼほぼそれくらいの数字だったでしょう。

ガッタガタ震えながら見ていりゃ、そりゃ、散漫になっちゃうよってな話ですけど、集中できなかった理由はそれだけではないでしょう。ご存じの通りの事情により、去年までとは明らかに異なるスタイルの応援でしたからね、違和感を感じるなと言うのが無理な話で。しかも、選手紹介の際に、梁勇基にブーイングとしちゃう。相手10番へのリスペクトだとは思いますけど、世の中にはTPOってものがあるわけで。

そんなことを考えていると、もう、そりゃ集中できないわけですが、仙台のチーム状況が、あまり芳しくないことは集中力散漫なワタクシにも理解されました。手倉森監督の禅譲により就任したアーノルド監督、苦労しているようです。

アーノルドさん、「去年までのスタイルを受け継ぐ」みたいな宣言をされていましたけど、手倉森ベガルタのスタイルって、よく言えば「柔軟で融通無碍な試合巧者」ってことになる一方、要するに「わかりやすく、こういう形です」ってのがないのが強みだったわけで。

要するに「監督によりオーガナイズされた阿吽の呼吸」。これを継承したところで、ハード面で受け継げるものは、あまりない。ベガルタの強さはソフト面にあるわけですが、それって、新任監督が継承できる類いのものではないですよね。人間的な信頼関係が必須でしょうし。

言葉遊びをすれば「スタイルなきスタイルを継承した」ということになりますが、それはつまり、「何も継承していない」ことであって、それを尊重して新たな作戦を落とし込むって事を後回しにしているんだとしたら、それはつまり・・・。むむむ、考えるだけでおぞましいぞ、これは。

■後半

とはいえ、結果的に後半になってワンサイドゲームとなったわけですけど、仙台にも付け入る隙が、それなりになくもなかった。というのも、浦和の守備には、かなり明確な弱点があります。それは、端的に述べると、「スペースのバランス良い配分が上手でない」ということですね。5バック状態になれば、それなりに人海戦術で守れますが、415で攻めているときにボールを奪われ、カウンターを仕掛けられるとめっぽう弱い。

浦和の守備は、あまりディレイという作業をしない。そして、ただでさえ361というイビツなフォーメションである上に、けっこう守備陣が前へ前へと食らいついていくので、あっさりと裏のスペースを献上してしまう。要するに(特に速攻における)縦抜けに弱いのですね。だから、後半の早めの時間帯には、仙台も、何度かそこのスペースに活路を見いだせていました。

しかし、そこで仕留めきれなかった。そうするとペトロビッチもそこに修正を施します。具体的には攻撃的な興梠を下げて、守備に特徴のある鈴木啓太を、かなり早い時間帯で投入してバランスを整えます。で、バランスが整ったことで、俄然、レッズは攻守に躍動し始めます。結果はご存じの通り40の快勝。

浦和の4得点のうち、ビックリしたのは鈴木のミドルドッカンでしょうが、それ以上に特筆すべきは何と言っても李の2ゴール1アシスト。2点目の芸術的ループとか、ホント、惚れ惚れしますよね。ただし、冷や水を浴びせるようなことを述べるなら、李が凄かったというか、仙台の守備が李をノせてしまったと考えるべきかもしれません。仙台の2CBがポジションバランスが悪く、原口とかに2人の間を何回もブチ抜かれていましたし、李についても全くマークしきれていませんでしたよね。だから、総合的に俯瞰すると、結局は、仙台の自滅というような気もします。

■日本代表への推薦状

□推薦者

平川忠亮

□推薦理由

言わずと知れた浦和の重鎮。ベテランと呼ばれる年代にさしかかってますね。この選手は大学を卒業してから浦和一筋。「生え抜き」の定義は難しいですが、浦和でデビューした選手ですね。ミシャの方のペトロビッチを招聘してから、ややもすれば「サンフレッズ浦和」なんて揶揄を浮けてしまうくらいにサンフレッチェ出身者が増えた広島浦和。それ以前から、ある種のエリートイズムを追求する強化方針ですので、レギュラーの多くが即戦力として移籍してきた選手たち。その中で、この試合のスタメンを眺めると、浦和デビューの選手は、平川・宇賀神の両WBと原口だけでした。

もちろん浪花節だけで平川を評価しているわけでは決してありません。この試合、例えば李の先制点を初めとして、浦和が作り出したチャンスの多くは“縦一発”でしたが、それを可能にしたのは、それまでの時間帯に、散発的ながら、常套手段としてのサイドアタックをジャブのように繰り返していたから。特に、多くはないものな何回か見せた平川の「スルスルと駆け上がり、シンプルにクロスを折り返しきって、颯爽と戻っていく」動きは、地味ながら、お手本となるプレーといえるでしょう。