湘南vs札幌(3月16日)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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え〜、今節は平塚まで行ってきました。BMWスタジアム。名前だけ聞くと、なんだか、とってもベルマーレがリッチであるかのように感じるスタジアムまで、湘南新宿ライングリーン車で往復という、豪遊モードにて。

■前半

湘南は今年も去年までと同じように、走力全開でゴールへと一直線なサッカーを展開してました。その肝は、3トップめがけて入れるロングパス、あるいはクサビのパスを、ポストプレーで受け止めるというよりも、上手くカラダを入れ替えて、スピードを淀ませることなく前へ前へと進むというところ。

で、そのようなスタイルに、思いの外、フィットしているのがウェリントン。上手く相手ディフェンダーとカラダを入れ替え、カウンターの起点になっていました。というか、ウェリントンポストプレーも、あれこれ頑張ってこなしていましたし、この試合では先制ゴールも決めた。なかなか隅に置けないヤツですな。良かったと思います。

一方の札幌ですが、皐月賞は札幌でスピーディーなサッカーを展開します。尤も、等しくスピーディーと言っても、中身は少し違う。札幌の場合、丁寧にトライアングルを作って、ワンタッチパスを繋げることで相手のチェックを剥がしていくというサッカー。

ただし、そういうパス回しのキーマンであるはずの宮澤の出来が良くなかった。サイドチェンジにせよ、ショートパスにせよ、その精度を悉く欠いてしまっていて、彼のパスがインターセプトされるところから、湘南のカウンターがスタートするというパターンになっていて、札幌としては厳しい前半戦となりました。

■後半

後半になっても基本的な構図はさほど変わりません。ベルマーレの微細な変化を捉えれば、前半は3トップをターゲットにしていたのに対し、後半になると、札幌の組織に綻びが見えたということでしょうか、スペースへのボールが増えたこと。しかも、なかなか相手の急所を的確に突けていたと思います。それぞれの局面において、相手が対処しづらいようなプレーを選択できていた。

それを象徴的に示しているのが、二点目の場面。遠藤がサイドから蹴ったキックを札幌GK金山が掻き出すも、ウェリントンがオシャレに繋いで、最後は大槻が、ごっつぁんゴール。一連の展開の中で、特に強調したいのは、最初の宇佐美のプレーですね。一般的には、遠藤なクロスを入れるような位置、バイタル手前のサイドライン際、ここから、強烈なキックをお見舞いしました。善意に解釈すると、おそらく、意図を持って撃ったロングシュートだと思います。あの位置で、あの選択をされると札幌守備陣としても守り方に迷いが出てくるでしょうし、しっかりと意表を突けていました。

そうやって湘南がプレー選択の多彩さという意味で“差”を見せていたのに対し、札幌は、その“差”を作るべきベテラン勢が総じて奮わなかったですね。先に述べたように、札幌はワンタッチパスで相手守備陣を剥がしていくという、正攻法でゲームを作りますから、それだけでは、なかなか相手を凌駕できない。得点のためには、どこかでアクセントを入れて“差”を作らないといけないわけですが、砂川にせよ、内村にせよ、河合にせよ、なかなかそういう働きができなかった。

終盤には加入したばかりの都倉が投入されます。都倉というのは高さがありますし、パワーもある。まさにアクセントとしての役割を託すにはうってつけの人材なのですが、なんと言いましょうか、都倉はいつてでも都倉なわけで。いやあ、消えてましたよ。ただでさえ自分のストロングポイントを持て余すことの多い選手である上に、加えて途中出場となると、なかなか試合に入っていくのは厳しいですよね。ってなわけで、札幌は一矢も報いることができないまま、0ー2で敗北しました。

■日本代表への推薦状

□推薦者

前田俊介

□推薦理由

いまさらどうのこうの説明する必要もないでしょう。いわゆる天才肌の天才です。“天才肌の天才”とはどういう意味かと申しますと、要するに、「良いときと悪いときの差が尋常じゃない」ということです。“無双”モードの試合があると思えば、感覚があわずにトラップ一つまともにできなくなっていて、やがて行方不明になってしまう日もある。そういう選手ですね。

そんな前田俊介、通称“前俊”、ついに新境地を開拓したらしい。この試合を見ていてビックリしてのですよ、なんだか前俊、普通なのです。湘南守備陣を手玉に取るような無双モードでは決してなかったのですが、それでもキレることなく、ボールを収めたり、ファーストチェックを敢行したり、消えているわけでも、見るも無惨になっているわけでもない。ホント、普通。これまで“良い”と“悪い”の2択しかなかった前俊がついに“普通”という選択肢を手に入れた。これは、もはや事件でしょう。