バイエルンを手こずらしたラジャのサッカーについてアレやコレや日本のサッカーと比較してみる【バイエルンvsラジャ】の周辺をウロウロと…★テレビ観戦記★

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バイエルン 2 vs 0 ラジャ・カサブランカ[CWC決勝 12月22日]

なんか、この大会って、前半の早い時間帯に試合が動くことが多かったですよね。この試合でも前半の7分、セットプレーからCBのダンテが豪快に蹴り込んで、バイエルンが先制します。一気にアップセットの可能性が減少して、正直、試合に面白みがなくなります。

ただ、全体としては、バイエルンにいつもほどの圧倒的っぷりは感じられず、相対的に五分に近い戦いだったように思います。それもラジャ・カサブランカが、びびることなく勇敢に自分たちのパフォーマンスに徹したから。勢いに乗る好チームの清々しい戦いぶりが光りました。しかし、そんなラジャの健闘を嘲笑うかのように、バイエルンは追加点。左サイドでチアゴがアラバにスルーパス。PA内でボールを受けたアラバは再びチアゴにボールを戻して、チアゴが小憎いばかりに軽やかなシュートを突き刺します。

こうなると、さすがのラジャも針のむしろ。すっかり〈強者vs弱者〉の構図が明確になってしまう。で、バルサとかバイエルンでグラウディオラが見せているサッカーは、言うなれば「強者が弱者をいたぶるサッカー」なわけで、例の、いつもの感じといいますか、圧倒的なポゼッションでバイエルンがラジャを二度と逃れられぬ蟻地獄に引きずり込みます。

しかし、ここからバイエルンはダメ押しできませんでしたね。いくつか理由はあろうかと思います。例えば、後半に入って再びラジャが勇敢さを取り戻したこと。あるいは絶好機でシャキリが決めきれなかったこと。ドイツのチームはダメ押しのチャンスを確実にものにする印象があって、それこそ‘ゲルマン魂’の本質だと思うのですが、いつもいつも、そうはいかない模様。

敗れたものの、大会を通じて大きなインパクトを残したラジャ・カサブランカについても触れておきます。ラジャのサッカーというのは都並さんが絶賛し続けていたようなパスサッカー。ただし、Jリーグの京都やFC東京、あるいは日本代表で展開されているパスサッカーとは少し趣が違う。

日本のパスサッカーはバイタルエリアで細かくパスを繋いでシュートチャンスを伺う。いわば出来上がった守備ブロックを前にして、それを崩すためのパス交換。ラジャのパスサッカーは低い位置でショートパスを多用し、フリーな選手とスペースを作り出すと、そこからは一気にダイナミックに攻める。いわば、速い攻撃のための準備としてのパス交換。ゆえにゆっくりパスを回す局面と、スピーディーに縦へと邁進する局面のメリハリが出て、非常に爽快感がある。逆にいうと、例えば大木さんの京都とか、ポポビッチFC東京は、そこのメリハリがなかったゆえに、どことなく停滞感が漂っていたのかもしれません。