千代反田は超単打京都vs徳島(12月8日 J1昇格PO決勝)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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■前半

戦前の予想通り、京都が圧倒的に攻めまくった前半戦。京都は中盤の三人(秋本、倉貫、工藤)に加えて、状況によっては横谷も低い位置での組み立てに加わり、中盤を制圧してゆきます。2013シーズン前半のガンバにおける倉田のような役割といいますか、安直に例えてしまうなら、バルセロナにおけるメッシ。清水秀彦さんの表現を借りるなら‘トップレス’。要するに0トップ。

尤も、バルサにおけるメッシは‘カラダを張って起点にならる役割を免除されたゴールゲッター’ですが、横谷の場合、12ゴールを挙げているとはいえ、あまりゴールゲッター的な動きはしない。アクセントにはならない。そこで、京都の攻撃にアクセントを加えていたのが山瀬功治ということになります。山瀬もすっかりベテランになりましたが、突貫ドリブラーっぷりは相変わらず。スピードに頼るのではなく、狭いなかで技術を駆使して繰り出すドリブルのキレ味は、いまなおホレボレします。

しかし、京都が圧倒的な支配率でパスをつなぎ倒すというのは、あらかじめわかりきっていたこと。そして徳島は小林さんという手練れによってトレーニングされた基本に忠実なチームですから、パスサッカーをする京都のような相手とは、むしろ相性が良い。しっかりリトリートし、相手を自陣におびき寄せてから、広大なスペースに2トップを走らせ、京都守備陣と追いかけっこをさせる。そして、少しずつ腰をひかせていく。

そんな、非常にわかりやすい‘ポゼッションvsカウンター’の構図のなかから、徳島は絵に描いた得点パターンで2ゴールを奪います。先制点はカウンターで奪ったコーナーキックに千代反田がヘディングで合わせたもの。そして、追加点は縦一本のロングフィードに津田が抜け出して勝負強く決めきったゴール。セットプレーにカウンター。わかりやすい、あまりにもわかりやすいゴールで、気がつけば京都は2点もの借金を背負ってハーフタイムを迎えてしまいます。

■後半

こういう展開になると、前半以上に京都が攻め立てて、徳島は防戦一方になるものかと予想されたのですが、そうは問屋が卸さない。むしろハーフタイムが明けてから、京都の攻勢は削がれた。というか、最初の数分だけ徳島が攻めに回って、京都を押し込んだ。そして、そこからは、なかなか京都がリズムを作れなくなります。おそらく、徳島のボールを奪う位置がいくぶん高くなったのではないかと思われます。

さすがは策士の小林さん、このあたりは巧みです。そして、それ以上に選手交代が巧みでした。最初の高崎からドウグラスへの交代は、まあ、常套手段。カウンターの圧力を高めるため。で、その次に、中盤の宮崎を下げ、SBの那須川を投入し、アレックスを一列上げ、最後の仕上げには、FWの津田を下げてアンカーの斉藤を投入。明確に「守り切れ!」というメッセージを送り続けます。このような傭兵をシーズン中から

繰り返し、成熟させていたというところが、小林さんの奥深さでしょう。

一方、京都の大木さんは、山瀬と倉貫に代えて、三平と原を投入。横谷を中盤に下げ、三平を右に入れて、駒井を左へ。三枚のアタッカーのうち、駒井だけが前線に残された。ここから、大木さんの駒井への信頼が伺われます。シーズン中の駒井のキレキレっぷりを踏まえれば、十分に理解されるところ。ただ、残念ながら、この信頼は病み上がりの駒井には、少々、荷が重かったのかもしれません。後半に入って、駒井はきれいさっぱり消えてしまっていました。

むろん、それは駒井の責任だけではありません。対面した相手が悪かった。途中でポジションを代えましたが、基本的に駒井の対面にはアレックスが構えていた。ただでさえ、ブラジル人はゲームを読むための基礎的な教養が日本人とは段違いである上に、Jリーグでの経験も豊富な選手ですから、そりゃ、相手の嫌がるプレーを的確に選択するわけです。引いてスペースを消されて、その上、相手がアレックス。なかなか勢い自慢の若武者には厳しいシチュエーションでした。

■日本代表への推薦状

□推薦者

・千代丹田

□推薦理由

本文で述べたように前半の京都はひたすら攻めまくっていました。でも、シュートはかなり少なかったような。山瀬のFKと、駒井のカウンターからの決定機くらいじゃないでしょうか。それもこれも、守備重視サッカーの常道、‘真ん中をシッカリ閉める守備’をしていたから。その堅牢な守備の中心にいたのが、千代反田。しかも先制のヘディングまで決めています。

相方の橋内にも言えるのですが、この選手は今シーズン、CBのファーストチョイスではなかった。なんなら、本職じゃない青山とかにポジションを奪われていた。それでも腐らずコンディションを維持し続け、福元とか青山とか故障者が続出になった後、その穴をピッチリと埋めた、このことが何よりも素晴らしい。ジーコジャパンほどでないにせよ、ザックジャパンもサブメンバーのモチベーション維持が難しいチームだと思いますが、是非とも千代反田を見習ってほしいですね。