96ジャパンのリアリティについてアレやコレや総括気味に感想を述べてみる【U17日本vsU17スウェーデン】の周辺をウロウロと…★テレビ観戦記★

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■U17スウェーデン 2 vs 1 U17日本[U17準々決勝 10月29日]

例によって例のごとくな立ち上がりを見せた96ジャパン。もはや完全に対策はされているわけで、先制点を早い時間帯に献上します。右SBのラムホルンによるピッチの対角線上にフィードするロングパスを受けた左SHのハルバジッチが独走すると、どフリーになったCFのベリーシャが易々とゴールをゲット。解説の藤田さんが洩らした「非常にダイナミックな攻撃でしたね」との感想が全てを表しています。

で、勢いづくスウェーデンは前半の内に追加点まで奪います。おそらく9番のベリーシャあたりがセンターサークルあたりでポストプレー。そこから先制点と同様にハルバリッジが独走し、今度はシュート。GK白岡がキャッチできずに前にこぼすと、もの凄い勢いで飛び込んできたエングバルに押し込まれました。

後半30分を過ぎた時点で日本の支配率は75%なんていう、とんでもない数字を叩きだしていたのですが、数字ほど優位に試合を進めているようには見えなかったのではないでしょうか。というのも、このマッチアップって、非常に組み合わせの妙を感じさせる。

スウェーデンに限らず北欧のチームって、基本的には平均身長の高さを前面に押し出したロングカウンターのサッカーを伝統的に持ち味としていますよね。このロングボールサッカーというのは、要するに足下の技術を持ち味とするチームに対抗するために磨き上げられたもの。つまり、96ジャパンのようなチームに勝つことを目的としたようなサッカーなわけですね。どこぞの‘(元)ガチ番組’じゃないですが、まさに‘矛’と‘盾’のぶつかり合いなわけです。

そして96ジャパンのサッカーはバルサ風サッカーですから、攻めまくって、高い位置でボールを失ってもすぐにプレスをかけ、苦し紛れのパスを素早くカットして、再び攻めまくるってスタイル。そうやって相手を蟻地獄に引きずり込むサッカーなわけですが、スウェーデンは、苦し紛れにならない。正確なロングパスが出せる。96ジャパンとしては、その度に、イチイチ低い位置まで押し戻されて、そこから再びビルドアップしなくてはならない。75%のポゼッション率を誇っていながらも、どうにもこうにも蟻地獄れない(「ありじこかれない」と読んで下さい)。なので、今ひとつ圧倒的に攻めている雰囲気が出てこないのですね。

後半に入り日本は選手を入れ替え、キーマンの1人である三好を左ウイングに移します。こういうサッカーで左利きの選手を左に置く(カットインしづらくする)ことのリスクを心配しましたが、その三好を基点に相手のオウンゴールを誘発しました。そして1点差にまで追い上げますが、残念ながら反撃はここまで。爽快なサッカーを見せてくれた吉武ジャパンでしたが、今回はベスト16での敗退と、あいなりました。変に黄金だの、プラチナだのバブルに仕立て上げられない絶妙な結果だったのではないでしょうか。