選手交代の妙千葉vs群馬(8月21日)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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ここのところ連敗しているとはいえ3位につける千葉と、シーズンを通して20位界隈を低空飛行している群馬の対決。戦力の層を考えても、JRという優良スポンサーを持つチームと、何度となく経営危機をヘロヘロになりながら乗り越えてきた市民クラブ。戦前から千葉が優勢に試合を進めるであろうことは容易に推測できました。

で、案の定、群馬はフォーメーション表の上では343なんでしょうが、要するに541でガッチリ守備を固める戦いを余儀なくされました。そして、これまた案の定、人海戦術で丁寧なブロックを形成するザスパ守備陣をジェフは思いっきり攻め倦ねます。

そしてそして、やっぱり案の定、攻められていた方のザスパがセットプレーから先制点を奪ってしまいます。ついでにいえば、失点はディフェンダーが重なってしまって、アクシデント的にゴールをプレゼントしてしまったもの。これも、案の定っちゃ、案の定。もうね、どれだけ‘案の定’が重なるんだ、と。

ちなみに決めたのは群馬11番の小林選手、なのですが、この小林選手、先制点の直後に交代してしまいます。あるいは何らかのアクシデントがあったかもしれませんが、単純に出来が悪かっただけのようにも思われます。本人的にはカウンターの急先鋒たろうとしたんでしょうけど、一発狙いが余りにも過ぎて、全くボールが足に付いていませんでしたから。まさに、空回り。

空回りといえば、最前線真ん中で起用されたジェフのナムスンウ選手も空回っていましたねぇ。一番の空回りはワンツーから抜け出して迎えたGKとの1対1で外してしまったシーンでしょうが、他にも幾つか周りと呼吸の合わないプレーが散見しました。ボールを奪われたときの切り替えは早いんですけど、そのときの猛ダッシュが却って空回り感を増大させていたような。加えて言えば、右SBに入ったキムヒョヌン選手も、攻撃への意欲が空回ってブレーキになっていたかも。

そんなわけで、鈴木監督はハーフタイムに修正をかけるべく、少しシステマティックな選手交代を敢行します。CBの竹内を下げ、田中選手を右SHとして投入。右SHの米倉選手を右SBに下げ、右SBのキムヒョヌン選手を竹内選手の入っていたCBにスライドさせした。おそらく、米倉選手を右SHとして先発させた時点でプランにはあってのでしょう。あまり喜ばしくない既定路線って感じでしょうか。

少し予想外だったのはキムヒョヌン選手を残して、特に問題がなさそうに見えた竹内選手を退かせたこと。たぶん、高さという武器を温存しておきたかったのでしょう。そして、その意図は見事に結実します。ジェフの同点ゴールはコーナーキックに山口選手がヘッドで合わせたもの。想像するに、キムヒョヌン選手にマークが集中したことの恩恵が多少なりともあったのではないでしょうか。そして米倉選手を今シーズンの定位置である右SBに戻したこともドンピシャ。ジェフの逆転ゴールは米倉選手の正確で鋭いアーリークロスに群馬ディフェンダーが対応を誤ったオウンゴールでした。

逆転されたザスパは苦しくなります。頼みのエース・平繁選手が前半から終始、ジェフのベテラン山口選手に押さえ込まれていました。一度、バーだかポストだか直撃したミドルシュートがありましたけど、ほぼ完敗だった。で、そうなっちゃ仕方ないってわけで、群馬ベンチも動きます。平繁選手を下げてダニエル・ロビーニョという、名前だけ聞いたら何だか凄そうなFWを投入。もちろん、この上州のロビーニョに対しても山口選手は容赦なく潰し続けます。

そこでロビーニョ選手は、マッチアップの相手をキムヒョヌン選手に変更。そうしたところ、キムヒョヌン選手がバタバタバタとミスを連発してしまいました。これで群馬のリズムが良くなった。あるいはジェフのリズムが崩れた。群馬の同点ゴールは横山選手によるラッキーパンチ的なミドルシュートでしたが、その位置でシュートを打てる状況が作れるようになったこと自体、群馬のリズムが良くなった証拠ですから、ロビーニョ投入の効果と言えるかもしれません。

□日本代表への推薦状

・推薦者

米倉恒貴

・推薦理由

右SBとして本気で代表を狙えるんじゃないかと思われる米倉選手ですが、この試合ではサプライズ的に右SHの位置で起用されました。ただ、ジェフの1トップはナムスンウ選手だったと推定されますが、ナム選手ほ基本的にCFの位置にはいません。あっちこっち動き回っている。ということで、前半の終わりの方は米倉選手が1トップ気味に張っていたように見えました。

で、前述したようにハーフタイム明けからは右SB。そして、逆転して守備固めに入るや、またまた最前線にスライドします。このときはたぶんナム選手との2トップっぽくなっていましたが、まあ、とにもかくにも、ユーティリティ。ジェフっぽく言えば‘ポリバレント’。フル代表というより、オリンピックまでに覚醒が間に合っていれば重宝されたかもしれませんね。