雨男とテリーとビスコンティの周辺をウロウロと…2012年シーズンのJリーグを振り返る・スタンドの住人達

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■雨男伝説[町田vs岡山(09月02日)]

2012年というのは、近年、世間を賑わせていたゲリラ豪雨なるものが、関東南部では余り発生しませんでした。古式ゆかしき、いわゆる「夕立」もほとんどなくって、水害がニュースになり続けた西日本とは対照的に、雨の降らない夏だったのですね。小学校の夏休みが終わりに差し掛かり、海の家が店を畳む頃合いには、「雨不足」なんて文字が新聞紙上でもてはやされたりして。

そんな夏だっていうのに、どういうわけだか、この日は朝から土砂降り。「ありゃま」なんて思っていたところ、昼下がりには雨も落ち着きます。天気予報では夕方まで雨で、それからは曇りとあった。そりゃ「予定より早く雨雲が旅立って、もう大丈夫だな」と考えますよね、よっぽど慎重な人じゃない限り。そしたら、ですよ。17時00分くらいに町田界隈に到着してですね、バスに乗ったら、徐にバスの窓に水滴が飛びついてくるじゃありませんか。

一体、どういうことだ、と。状況を整理しましょう。

・この夏は基本的に雨が少なかった。

・この日は朝から雨だったが、天気予報の展開的に、今回の雨雲は過ぎ去ったと判断される状況だった。

・にもかかわらず、狙い済ませたかのごとく試合が始まる直前に雨が再び降り出した。

・しかも、スタジアムは埼スタや味スタと異なり、全面に渡って一切屋根のない野津田だった。

もうね、どれだけ‘よりによって’が重なっているんだ、と。ついでに言えば、雨って、一般的に「シトシト降り続ける」か「短時間でバケツをひっくり返す」かのどちらかじゃないですか。それが、この日は「シトシト降り続けながら、時折、バケツがひっくり返される」って降り方が試合を通じて持続されていたわけですよ。ワタクシが7歳だったら、相手構わず「いぃ!」って八つ当たりしてましたよ。ホントにもう。

テリー伊藤の凄さ[FC東京vs名古屋(03月17日)]

この日は2012シーズン最初のFC東京ホームゲームということもあり、いろいろオープニングセレモニー的なものがありました。で、その一環として、テリー伊藤氏が開幕宣言的なことをしたのですが、その第一声は、「私は長年ジャイアンツのファンでした!」 …そりゃブーイングですよね。

続けて、「でも、去年一年間でFC東京の虜になりました!!」と続ける。賢明な大人の皆さんは、もうお気づきですね、そうです、いわゆる一つの社交辞令ってヤツです。まあ、それは良いのです。社交辞令とは学校で習うありとあらゆる授業内容よりも大切な必要教養ですし。だから、当然、FC東京サポーターも、それが社交辞令だなんて百も承知。それを聞いたくらいで、「いいぞ、テリー!」みたいにゃなりませぬ。微妙な反応を示すのみ。

テリーが凄いのは、ここからです。周囲のさざ波程度の反応などには目もくれず、「私には夢があります」とキング牧師ばりに切り出すと、「それは、皆さんとシャーをすることです!」と続ける。

ここで俄然FC東京サポーターのハートは鷲掴み。思わず、テリーの一方的で、ともすれば都合の良いお願いに、ついつい一致団結して付き合ってしまいました。おそらく、シャーに関する知識も付け焼き刃に近いものがあるかと想像されますが、それでも、それが周囲を引きつけるのには理由があります。

それはハイテンションを維持し、張った声で喋りきる、ということですね。単純に見えて、これが、なかなか難しい。結婚式とかのスピーチで、面白いことを言おうとして、周囲の反応が今一つだったことにより、心が折れてしまったなんて経験、皆さんにも1つや2つありませんか?

そういう具体的な失敗体験を踏まえれば、たった数分で数万人の意識をキッチリ引きつけたテリーが、いかに凄いかがわかるってもんです。さすがは芸能人、人前に出る仕事だけあります。

マリノスの20周年はJバブルの残り香[横浜vs鹿島(03月31日)]

Jリーグが開幕したのは、皆さんご存知の通り、1993年。なので2012年は、J開幕20周年の記念すべきシーズンとなりました。ということは、いわゆる「オリジナル10」の諸クラブにとってもメモリアルイヤーなわけで、マリノスとて、それは同じ。てなわけで、この試合は20周年メモリアルゲームみたいな演出が、幾つかされていました。

まず、選手入場の際、なぜかビスコンティが謎のゲスト出演を果たしていました。で、マリノスの選手たちと握手を交わす。その流れでキックイン的なことをするかと思いきや、それはなく。単に、入場して握手を交わしただけでお役御免だったらしい・・・。、、、いったい何しに来たんだビスコンティ? 華を添えるなら、もう少し、ショーアップのやりようもあっただろうに。

さて、メモリアルな演出は、ビスコンティのみにあらず。スターティングラインナップ紹介の時に、スタジアムをライトダウンし、エレクトリカルな雰囲気を醸し出して、大型ビジョンに選手の顔と名前を大写しにていきました。なんか、この演出に既視感が…とか思っていたら、まさにJリーグ開幕戦のときの、あの感じに近いのですね。マシュマロマンみたいなのが膨らんだ、あの演出。

いやいや、過去にしがみつくなよ、と思ったりもしたわけですが、もう一つのメモリアル演出である「歴史を振り返る」感じのVTRが、岡ちゃん以降ほぼ省略だったように、マリノスには歴史に拘らざるえないマリノスなりの事情があるようです。