シュートへの意識の差かもね千葉vs山形(6月1日)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

                                  にほんブログ村 サッカーブログへ
にほんブログ村

試合開始ののっけから、ワンサイドゲームとなりました。それも地力(予算規模)に勝るホームチームではなく、アウェイチームの。その理由はイロイロあれど、最大なのはジェフのダメダメっぷりと言えるでしょう。なんと言っても、基本的な‘止める蹴る’が覚束ないのですから、どうしようもない。

しかし、冷静に考えればおかしな話です。ジェフは毎年のようにJ1でも十分にやっていけるであろう選手を補強し、この試合のスタメンを眺めてもテクニシャンの名前がズラリと並ぶ。にもかかわらず、なぜ‘止める蹴る’ができないのか。それは多分、全体的なリズム感が不協和音を奏でているからだと思われます。

どうにもこうにも、受け手と出し手が噛み合わないというか、気持ちよい距離感と位置関係でプレーできてないというか、窮屈な感じで個々がボールに触っているというか。例え偏差値70の天才君であっても満員電車の中ではそうそう英単語を暗記できないように、どれだけ技術があっても、窮屈にプレーすれば、それを十全に発揮できないということでしょう。

対照的に山形は気分良さそうに溌剌としたプレーを見せてくれました。躍動してましたね〜、山形。特に攻撃陣。山形攻撃陣の特徴は、なんと言ってもパスコースを作るのが非常に上手なところ。そして、1人2人と交わしながらドリブルでボールを持ち上がれるところ。この2つの特性に共通するのは、〈人口密度が薄いスペースを見つける嗅覚に優れている〉ということになろうかと思います。

こういう〈空間を的確に見つけて、適切に使っていく〉という感覚の共有って、普段のトレーニングにおけるケーススタディで身に付くものなんですかね? それとも、たまたま、この試合ではその辺のフィーリングが上手いことシンクロしただけって感じなのでしょうか? 仮に前者であって、ゆえに今後も、それなりの精度で〈空間を的確に見つけて、適切に使っていく〉を再生産できるとするならば、今後の山形はひょっとしたら台風の目になっていくかもしれません。

さて、得点シーンをおさらいしていくと、先制点は前半の早い時間にセットプレーから。堀之内がヘディングをねじ込みました。流れが良かったですからね。シンプルな形からでも得点になります。堀之内は本職の守備でもケンペスをほぼ完璧に抑えこんでいました。尤もケンペスが完璧に抑え込まれること自体は、さほど珍しいことではないので、別に堀之内の手柄でもないのかもしれませんが。ともあれ、学芸大出身の‘元祖高橋秀人’に敬意を表しておきましょう。

後半の追加点は、PKを林がこしゃくなチップキックで決めたもの。PK判定そのものはかなり微妙なものでしたが、千葉に目線を移すならば、ロメロ・フランクにシュートを撃たせてしまった時点で、ある意味‘勝負あり’だったと捉えるべきだと思います。あの時点で完全に崩されたわけですから、必然といえば必然の失点と考えるべきです。

ジェフも、一応、反撃の一点は取り返します。よくわからないですけど、セットプレーでもなんでもないのに、なぜか竹内が相手ゴール前に陣取っていて、ごっつぁんゴールを叩き込みました。直前に高橋峻岐が投入されていたので、高橋効果ですかね? と言っても、カウンターのピンチで高橋峻岐は伊東にペンペン状態で振り切られ、駄目押しの三点目を献上したり、その後も裏のスペースを使われまくり状態だったりしたので、彼の投入は功罪相半ばするのかもしれません。

尤も、千葉と山形の明暗を分けたのは、そういった細部ではないでしょう。先に2点目についてはロメロにシュートを撃たれた時点で勝負があったと述べましたが、シュートへの意識において山形と千葉とでは、雲泥の差がありました。山形は、とにかく手数をかけずに適切なタイミングでシュートをドンドン撃っていった。特に件のロメロは良かった。彼は攻守にオールラウンドですし、ジェラードやランパードみたいな本格派セントラルミッドフィルダーに成長する予感さえしなくもなかった。いやぁ、良い選手ですよ。

□日本代表への推薦状

・推薦者

山形サポーター

・推薦理由

山形に限らず、札幌とか仙台とか、東北・北海道のクラブのサポーターって、アウェイでもゴール裏いっぱいに広がって一糸乱れぬ声援を送りますよね。もちろん関東圏に近いから西日本のクラブに比べて多くのサポーターが駆けつけやすいのかもしれませんが、それにしても、これらのクラブのサポートは見ていて美しい。

雪国ならではの特有のメンタリティでもあるんでしょうか。西日本出身のワタクシとしては、上京したときに「東京の人って、人生を楽しむというより、ストイックに生きるのが好きだよな〜」とビックリしたのですが、東日本全体として、そういう傾向が強いんですかね。こういう「真面目な応援」というのは、どこぞの北方面の民主主義人民共和国におけるマスゲームを除けば、世界的にも日本人に特有の得意技だと思うので、ガンガンと前面に押し出していっても良いのではないでしょうか。