柏の冒険はまだ続くが、浦和の冒険は少し前に終わってしまった。【柏vs全北】&【ムアントンvs浦和】の周辺をウロウロと…★テレビ観戦記★

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柏レイソル 3 vs 1 全北現代[ACLラウンド16 05月23日]

全北としては点を取らなければならなかったので、キックオフから積極的に攻撃します。序盤は、さしものレイソルも若干タジタジ気味だったでしょうか。ただ、そのうちに落ち着きを取り戻し、全体としては比較的オープンな展開が繰り広げられ、例えば、全北のミドルシュートが菅野にあたってポストを掠めたり、菅野の脇をすり抜けたものの鈴木がカバーしたり、逆にレイソルの茨田がドリブルから幻のPKを奪ったり、スリリングな場面が続きます。しかし、先制は意外な形から。FKからのシンプルなクロスに増嶋が、なんとなく当たってしまったオウンゴールと、なんとも締まりのないゴールでした。

ともあれ試合が動いたわけですが、全北の攻勢や、1失点程度のビハインドは、ネルシーニョ率いるレイソルにとって想定の範囲内だったのかもしれません。先制点を献上したオウンゴールに負けず劣らずシンプルな形で、前半のうちに追いつきます。セットプレーの流れからジョルジ・ワグネルがピンポイントクロス。長身揃いレイソルの中でも、単純な身長に優れるCBの渡部がヘディングシュートを叩き込みました。これは、高さ自慢を集めたチーム作りをしてきたネルシーニョが、春先から思い描いていたパターンの得点だったのではないでしょうか。

追加点もジョルジの活躍。ただし、いつもの‘悪魔の左足’ではなく、ぼてぼての右足。サイドに抜け出したクレオが折り返すと、偶然か必然か、ともあれなんだか茨田にあたって、その跳ね返りが巧いことジョルジのもとへ。で、件の右足、と。

試合全体を振り返ると柏はクレオと茨田が躍動していたように思います。特にクレオは、これまで何度か画面越しながら観戦してきて、いまだ「クレオって、前評判通り凄ぇな!」と感じたことがなかったんですけど、この試合を見ていると、彼の良さは、シューターとしての高さではなく、ターゲットマンとしてのハイタワーぶりにあるようです。フィジカルに勝る韓国のチーム相手に、堂々たる存在感を示していました。どれくらい存在感があったかというと、1990年代初頭に全国を席捲した国見高校の船越君くらい存在感があった。

逆に全北は、選手交代でパワープレーモードにギアチェンジしたのがマイナスに作用したかもしれません。前半は2列目の3人が、乾・香川・家長を擁していた頃のセレッソよろしくな3シャドーっぷりで、流動的に柏守備陣をかき乱していましたが、選手を入れ替えたことによって、完全に膠着してしまった。

特にエニーニョの消えっぷりがハンパなかった。「ニンニンッ!」とか言って水遁の術でも使ってるんじゃないかってくらいの行方不明ぶり。そりゃシシマルもチクワをむさぼりつくでしょうし、工藤にダメ押しの3点目を奪われてしまって、ケビンが一矢報いても時既に遅しになってしまうってものです。

ムアントン・ユナイテッド 0 vs 1 浦和[ACLグループリーグ 05月03日]

アクロバチックでしたね、那須の先制点。後半の立ち上がり、コーナーキックのこぼれ球をサイドに残っていたマルシオが拾ってクロス。同じくコーナーキックの流れで残っていた那須がジャンピングして足を伸ばす。上手にミートしてゴールインしました。

得点シーンは以上。そして、浦和は久々のACLをグループリーグ敗退で終えたとさ。ってことはともあれ、後半こそ浦和もしっかりパスを回していましたが、前半は、リスクを冒さない感じ。3トップが個で突破を図るか、両WBが攻撃参加したとしても、シンプルにクロスを入れて、さっさと帰陣していくような展開。

まぁ、35度だったらしいんで、しかたないですかね。省エネというかなんというか。どれくらい省エネかというと、クールビズという言葉が生まれる遙か昔、羽田孜首相が提唱した半袖シャツで頑張ろうキャンペーン、その名も‘省エネルック’くらいの省エネ。

一方のムアントンは、浦和ホームの初戦とはうってかわって、「なかなかやるじゃん!」ってサッカーを展開。普通にJリーグの試合を見ているような気分になったのですが、特に7番と16番のWボランチコンビには目を奪われました。

7番のダサコンは背番号7に相応しく、落ち着き払ったパス捌きで、中盤の底を締めていました。のらりくらりと相手のマークを外しつつ、ミスの少ないショートパスで攻撃のための第一歩を構築するあたりは、少し遠藤を彷彿とさせる。ダサコンの位置がアンカー的なポジションだったという相違はありますが。

一方の16番のチャッカパンは長谷部系。とにかく運動量が豊富。ボランチとしては高めのポジショニングから右へ左へと動き回り、ボール回しに参加していくとともに、守備の場面では、精力的に危険なスペースを埋めに行く。良い選手でしたね。

このようにプレーでも目立った2人ですが、やはり、日本語に慣れた我々の語感的には、どうしても両者の名前に反応してしまう。だってチャッカパンですよ。もうね、旅館に泊まったときに出される、鍋料理の固形燃料に点火するためのアレか、と。

そして、ダサコンですよ。もうね、おしゃれ感の乏しいコミュニティでムリヤリ地域興しのために開催した街コンか、と。出席した女性陣が帰り際にワンレングスを靡かせながら「今日はハズレだったよね。ダサコンよ、ダサコン!」と吐き捨てている画がこびりついて脳裏から離れません。