柏がACLで結果を出した理由を探りしつつ、変わり果てた(?)チョンテセに思いを馳せる【柏vsセントラルコースト】&【柏vs水原】の周辺をウロウロと…★テレビ観戦記★

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■セントラルコースト 0 vs 3 柏[ACLグループリーグ 05月01日]

序盤は、若干ながらセントラルコーストがイニシアティブを握りましたかね。もっとも両チームともに‘引き分け上等’というシチュエーションでしたから、前半は互いにリスクを冒さず、グループリーグ最終戦にありがちな‘お約束感’がなくもなく。

セントラルコーストの攻撃は比較的低い位置から始まることが多かったかと思います。それで縦へ縦へとボールを運び、バイタルあたりからFWにクサビを入れる。そして、クサビが入ればサイドに振って、SBがクロスを入れるという、常套的of常套的。

特徴的なのは、悪く言えば「一本調子」、良く言えば「スピーディーかつリズミカル」なところでしょうか。隣国ニュージーランドの影響でも受けているのでしょうか、ラグビーの攻撃みたいな感じですね。前へ前への猪突猛進というか。

一方のレイソルは、まずは相手陣営でハイプレスをかけ、そこで捕捉しきれないときは潔くリトリートするというメリハリのある守備を披露する一方で、攻撃においては、攻め急がず、ディフェンダー陣がボールをシッカリ回す、いつもの‘のらりくらり’作戦。

ただ、先制点が入るまでは相手がしっかりとブロックを形成してしまって、その外周上を右往左往するだけってパス回しになっていて、完全な‘攻めあぐね’パターン。しかし、そういう状況から先制点をもぎとります。栗澤が相手ブロックのわずかなほつれを見逃さず、キラーパスを配球。反応した工藤が鮮やかに決めました。

で、セントラルコーストが攻撃に重心をかけるようになると、そつなく追加点をあげます。増嶋のロングスローから。レアンドロ・ドミンゲスの胸トラップ気味のパスが、クレオとのワンツーっぽくなって、ごちゃごちゃっとしたところでボールがクレオの足下にこぼれて、それを落ち着いて流し込みました。このあたりは点取り屋の面目躍如といったところでしょうか。

さらに、ゴール正面やや左からレアンドロ・ドミンゲス直接フリーキックを鮮やかに決めてダメ押し。柏の完勝となったわけですが、少しレイソルの守備が気になりました。一言で表せば〈ハイプレス&リトリート〉といったイメージなのですが、その分、バイタルでの守備が少しルーズになる。アジアの戦いでは、そこでボールをこねくり回すチームが少ないので構わないのでしょうが、総じて‘バイタルこねくり’が大好物のJリーグを相手にすると、どうしても、そこを使われてしまう。今季ここまでの柏が、ACLでは好調なのにJリーグで苦戦している理由は、そういうところにあるのかもしれません。

■柏 0 vs 0 水原[ACL 04月10日]

まぁ、スコアレスドローですからね。見ていて‘手に汗握る’という雰囲気はなかったですかね。どちらかというと退屈というか。90分を通して概ね五分五分の展開でしたが、決定機の絶対数は柏が多くて、水原もそれなりに押し戻すものの、なんだかんだで〈中盤でガチャガチャしているだけ〉の90分だったような印象が残りました。

試合が退屈に感じたレイソル側の要因としては、いわゆる‘小気味よいパス回し’が見られなかったことがあげられます。チャンスらしいチャンスは自陣から直接2トップに当てて、そのままシュートに持って行くか、茨田がオシャレなパスを出して、局面を打開しかけるかのどちらかか。

ただ、茨田のシャレオツパスって、局面を打開しかけはするのですが、実際に打開できているかというと、なかなか微妙。たまたまワタクシが見る試合との相性が悪いだけなのかもしれませんが、どうも茨田のプレーって、いつも周囲の選手とシンクロしてないんですよね。

消えている時間も長いですし、今ひとつ「今日は茨田の日!」みたいな場面に遭遇したことがありません。試合中の運動量を見ていると、決してフワフワすることなく、むしろガムシャラさを前面に押し出しているのですが、もがいてももがいても上手くいかない、まさしく「壊れかけのradio」みたいな状況に直面しているかもしれません。

レイソル全体に目を移すと、ネルシーニョの柏というのは強いときの鹿島みたく、いかにもブラジリアンな、〈ツボを押さえた〉サッカーをします。一見ダラダラと試合を進めているように見えて要所で効率よく得点を奪っていく。だから、柏のサッカーの爽快感というのは、そういう、〈要領のよい得点〉にあるわけで、逆に言うと、得点が入らないと、どうにも物足りなさを否めない。

一方の水原ですが、これまた典型的な‘つまらない’サッカー。守備は安定していたのですが、如何せん攻撃がタレント任せ。そして、攻撃を託されたタレントたちが、あんまり冴えない。たとえばチョンテセ。川崎時代のチョンテセは、まさに‘ブルドーザー’だったのですが、なんかオーラが消えてしまいましたね。

そして、何よりもボスナーとステボ。ボスナーは我々の知っている通りの〈強烈だけど決まる気配のしないフリーキック〉を連発していましたし、本来ならアジア人にはないゴール前でのスパイスを期待されて加入したはずのステボも、まぁ、何度も何度も決定機を外すこと。サポーターの方には気を悪くさせるかもしれませんが、水原って、どこか、悪い頃の大宮みたいなイメージのチームでした。