3ボランチが機能することもあるんですね千葉vs福岡(4月21日)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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福岡ってクリスマスツリー型の433だったんですね。初めて知りました。ってなわけで、このシステムだと、機能する鍵になるのが3ボランチかと思います。今年のエスパルスをはじめ、これまで、Jリーグでも3ボランチに挑戦したチームは幾つかあります。ただ、あまり成功例は思い浮かびません。

しかし、福岡の場合、それなりに使いこなせてますかね。前半は割り切って専守防衛を心掛けていたのでしょう。かなり高密度な穴熊作戦を展開することができていました。ハーフコートゲームっぽくなっていましたが、かと言って決定機はさほど作らせていなかったので、まずは狙い通りだったのではないでしょうか。

攻撃に関して言えば、1トップなのか2トップなのか、或いは誰が頂点に位置するのが基本形態なのかさえ分からないくらい、流動的に動き回っていました。如何せん、千葉のボランチとCBがサンドする守備に潰され続けましたけど。

一方のジェフは攻撃のキーマンが不調でした。まず、ジェフの裏番長的存在である谷澤が良くなかった。なんというか、ボールが足につかない。どれくらい足につかないかといえば、セットプレーで所定の位置にセットしようとボールをチョコンと転がそうとしても、それすら、ちゃんと当たらないくらい、足についていなかった。

さらに、もう1人、上手くいっていなかったのが、名実ともに‘10番’の兵働。この選手の場合、ボールをもらって前を向くまでは良かった。そして、前を向いてからの視野も広く、狙いを持ったパスを連発していたのですが、どうも周囲と噛み合わない。どれくらい噛み合わないかというと、チャンスと見てキーパーと交錯するように飛び込んだとき、うっかりスパイクが脱げてしまうくらい噛み合っていなかった。

まあ、この2人だけの責任ではないですけど、どうにもこうにもジェフにとっては、物事が良い方向に流れてくれない1日でした。

後半に入るとアビスパはワンチャンスをモノにします。大岩選手がオーバーラップを仕掛けかけたタイミングでボールを奪うと、そのままジェフから見て左サイドを突破(誰が突破したのかは失念)。そのクロスに対して、ギリギリ人数は足りていたにもかかわらず、なんだかジェフ守備陣がもつれてしまって、ボールはハーフタイム明けから投入された坂田のもとに。それを坂田がキッチリ決め、乾坤一擲、先制します。

アビスパプシュニク監督は、ジェフの左サイドに照準を定めたのか、今度は船山選手を右ボランチとして投入。このあともタイムアップまで福岡のチャンスは、殆どジェフ左サイドから生まれていました。そして守備においては真ん中をシッカリと固めて、ゴールに鍵をかけます。少なくともPA内では、古賀と山口のCBコンビがほぼ完璧にケンペスを封じ込めていました。アビスパとしては、概ね狙い通りの試合運びができていたのではないでしょうか。

逆に千葉からすれば大苦戦。右サンドについては、フィジカルが強く、スピードとテクニックでも相手を圧倒できる田中佑昌と米倉のコンビネーションが攻守に安定した働きを見せていましたが、左サイドがブレーキになっていた。右高左低な状況を正しく認識した鈴木監督は、高橋峻希を投入し、低調な左サイドの活性化に成功します。

さらに深井とジャイールという、J2としては、なんとも贅沢というか、反則気味なスーパーサブを続けざまに投入し、同点を目指します。ただ、真ん中を固める福岡の安定したディフェンスを全く崩せない。ジェフのアタッカー陣はバリエーションの面でも、精度の面でも、単純に相手を上回れません。最後の最後、山口智による疑惑のゴール(審判によってはキーパーチャージをとっていても全然おかしくなかった)で追いつきこそしましたけど、試合内容としては、‘完全にしてやられた’ってパターンで、負け試合に等しいといわざるをえませんね。

□日本代表への推薦状

・推薦者

中原秀人

・推薦理由

初めて見ましたけど、良い選手ですね。本文中でも述べましたが、福岡は3ボランチという特殊な陣形を敷いていて、その右に入っていた中原選手としては守備ではボランチとして中盤を潰しつつゴール正面の防波堤となり、攻撃ではサイドバックのように高い位置まで攻めあがってクロスを入れていく必要がありましたが、その両方において、なかなか利いていたのではないでしょうか。

彼の特徴は豊富な運動量で、よくボールに絡むというところにありそうです。しかも、その運動量が無駄走りにならない。空回りが少なめ。日本語遊びをするならば、「的確にバタバタしている」というイメージです。

上で述べた特徴が、たまたまこの試合でそうだっただけなのか、いつもそうなのかは分かりませんが、仮に後者であるとすれば、将来的になかなか期待の持てる素材なのではないでしょうか。