大宮の完璧なミッションコンプリートに感服しつつ、大儀見のロナウジーニョ化に思いを馳せる【FC東京vs大宮】&【なでしこvsデンマーク】の周辺をウロウロと…★テレビ観戦記★

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FC東京 0 vs 1 大宮[Jリーグ 04月06日]

序盤は渋い展開。解説の渡辺一平さんがいみじくも呟いたように、「つばぜり合いの時間」。構図としては〈丁寧な大宮と虎視眈々としたFC東京〉といった感じだったでしょうか。感覚的には、大宮の方が安全確実な各駅停車パスでリズムを作り、FC東京は一撃を狙うっていう展開だったかと思います。

FC東京としては、ベルデニックが植え付けた堅牢な守備ブロックに四苦八苦していましたね。ポポさんのパスサッカーは、相手の嫌がるプレー、つまりアドリブを重視しますから、オートマティックに攻撃を完遂する大宮と比べて、どうしても攻めのスピードが遅くなってしまう。攻守の切り替えの速い大宮守備陣の恰好の餌食になってましたね。

一方、大宮のサッカーを一言で表現するならば、〈‘守備における見事な距離感’と‘奪ってからのカウンターの精度不足’〉といった感じ。「やるべきことはやるけど、それ以上のことは出来ません」って雰囲気が、若い頃に使っていたヒューレッドパッカードの格安プリンターを思い起こさせます。いやぁ、あのプリンターはトラブルが少なかった。紙詰まりしてもすぐ直せた。ただ、画質とかは値段以上のものが一切なかった。でも壊れないから、一向に買い直す機会がなかった。

ともあれ、試合は、オートマティックなカウンターを仕掛ける大宮と、一生懸命に攻略法を考えながら攻めるFC東京という構図で進み、なんとなく、人間vsコンピューターの将棋みたいに感じられました。そして、FC東京は精密な大宮の処理能力を上回り、CPUをフリーズさせられなかった、と。

15戦無敗という大宮の説得力と、相変わらず必殺出来ないFC東京。FC東京が大宮を軍門に下すためには、もう少しスナイパー精神が必要だったかもしれません。繋ぎ倒すのか高速で攻めるのか、しっかりと判断して、そのどちらかを徹底的に追求して、一撃必殺するしかなかったように思います。

一方の大宮は、完璧なミッションコンプリート。得点シーンは、権田のミスですかね・・・。オリンピックの流れでは権田選手を擁護していた弊ブログですが、このシーンは擁護できないっすね。左サイド深い位置から下平選手がフリーキック。それを防ぐべく権田が飛び出したのですが、パンチングが届かないというか空振りというか。そして、通り抜けたボールをズラタン選手が頭で合わせてゴールイン。はい、権田のミスです。

で、先制した後は、今井・片岡と守備的な選手を続けて投入し541気味の穴熊戦法を構築。危ないシーンは多々ありましたが、荒天による消耗戦となって両チームともにキックの精度を失ったこともあり、10のまま、見事に試合をクローズさせました。

■なでしこ 2 vs 0 デンマーク女子代表[アルガルベカップ 03月11日]

この日の放送はフジではなくTBS。青嶋節が苦手なワタクシとしては、土井ちゃんの落ち着いたアナウンスに期待していたのですが、少し、机上の知識に頼りすぎていましたかね。さかんにデンマークのことを「3バック!」と連呼していましたが、少なくとも守備においては多くの時間、4バックでしたよね。ときどき攻撃の時にヨンゲ選手がCBの間に下りてきて、そのときは3バックに見えなくはなかったですけど。

それから、今回がデビュー戦という宮本ともみ氏のピッチサイドレポート。右も左もわからない感じの初々しさが良かった。マイクのボリュームの調整が全く上手くいっていませんでしたし(ディレクターの仕事?本人の問題??)、土井さんの返答を待つとか、シーンに応じたりすることもなく、いきなり事前に準備をしていたであろう原稿を読み出したりして。まぁ2元中継は難しいってことでしょうか。その宮本さんへの土井ちゃんのフォローっぷりが優しかった。男子たるもの、土井ちゃんみたいに心遣いの出来る大人になりたいものです。

なんて考えている間に、うっかり入っちゃいましたね。内に絞った‘オレの鮫ちゃん’が外に流し、川澄が折り返す。。。と、ゴールに入っちゃったや。昔、日本代表の試合で明神が同じようなシュートを決めて、「あれはシュータリングですね!!」とかサブいこと言ってましたが、まぁ、そういう感じです。

で、先制してからは大儀見劇場。序盤のなでしこは、両SHが川澄・中島というWGタイプということもあり、424気味になりがち。Wボランチ、特に田中明日菜あたりが上手くボールに絡めておらず、なかなかボールが繋がらなかったのですが、大儀見が下りてきて、4213っぽくなることで、問題が解決しました。

そうやってと一気になでしこのペースを引き戻した大儀見が追加点も挙げます。もうね、貫禄たっぷり、圧巻の個人技。中盤で相手のパスミスをカットした中島のスルーパスに反応し抜け出すと、調子の良いときのロナウジーニョみたく、相手のGKを見下したような落ち着きで、きっちりねじ込むときたもんだ。

2点リードしてからは、デンマークが凄い勢いで右肩下がりといいますか、尻つぼみといいますか、ともかくグダグダになっていったので、なでしこが危なげなくゲームをコントロールして、試合を終わらせることに成功しました。

なので後半は、それほど見所がたくさんあったわけではないのですが、一つ感じたのが、押し込む展開になると宇津木の展開力が際立つんだな、ということ。これまでナショナルチームではインパクトを残すような活躍が、それほど多くなかったと思うのですが、ロングキックの球質の良さ、糸を引くような美しさには、見ていて惚れ惚れするものがありました。