FC東京関連の周辺をウロウロと…2012年シーズンのJリーグを振り返る・選手の群像

                                  にほんブログ村 サッカーブログへ
にほんブログ村

■2012年版FC東京のクオリティ[FC東京vs札幌(10月27日)]

キックオフの30分くらい前ですかね、選手がピッチに現れてウォーミングアップを開始しますよね。そのとき、まずは客席まで挨拶しにきます。その際の並び順が、なかなか興味深かった。FC東京の話です。キャプテンの梶山が先頭、今をときめく現役代表選手の高橋が二番目、そこにクラブの精神的主柱でレジェンド化しつつある羽生が続き、FC東京サポなら足を向けて寝れないであろうルーカスが、その次。豪華ですよね、これだけでも、ずいぶんと。

でも、FC東京の凄いところは、それだけに止まらず、さらに徳永やら、森重やら、石川やらもいるところ。徳永はご存知の通りロンドンオリンピックオーバーエイジとして大活躍した選手ですし、森重も、いつ代表に呼ばれても不思議でない選手。石川は、ケガに泣かされ実績は残せなかったものの、かつて何度か代表に招集されたことがあります。

こうやってメンツを見ていくと、FC東京って、監督の嗜好次第では、日本代表に選ばれていても可笑しくない選手が勢ぞろいしてますよね。梶山も国際舞台で何もできないってことはないでしょうし、米本だってコンビの相手次第では非常に魅力を感じさせます。

あるクラブの地力を計る目安というのは、そのクラブのベストプレーヤーから数えて56番目の選手が象徴しているものと考えますが、その観点からすれば、FC東京はJ1の強豪と考えても過大評価ではないのかもしれません。

正直、「いくら天皇杯で優勝したからといって、1シーズン前はJ2にいたクラブ、J1初年度は一桁順位で御の字でしょう」くらいに評価していたのですが、こうやって主力選手のクオリティを指折り評価していくと、2012シーズンの成績というのは、ギリギリ最低限の及第点だったのかもしれません。

■2012年版FC東京の基本形態[FC東京vsC大阪(6月23日)]

開幕して直ぐに「スタイル」を感じさせてくれた“ポポトーキョー”。2012シーズンの基本的な在り方というのは、概ね以下のようなものでした。

まず、森重、長谷川、梶山、ルーカスというセンターラインが背骨としてシッカリ存在している。足下の技術、なかでも長短の正確なパスに秀でた選手が縦に四枚並んでいて、これらの選手が攻撃のリズムを作っていく。具体的には縦にクサビのパスを入れて攻撃のスピードアップを促したり、サイドチェンジなど左右への大きな展開を作り出したり、そういった、攻撃の基軸となるパスを出すのがこれらの選手ですね。

そして、それらサイドへの展開を受けるのが両SB。右は徳永で、左は太田とか中村北斗とかが使われていましたが、この試合は椋原。これらSBは、ボールを受けると縦に切り込み、サイドの攻略を、さしあたりは、目指します。

こうやって書いてくると、ごく当たり前で穏当な戦略ですよね。そうなんです、ポポトーキョーの基本形というのは、ごくごくスタンダードなやり方なわけです。特別、奇をてらったり、珍しいことをやったりするわけではない。

なので、たぶん、相手チームとしては、どちらかといえば対応策はとりやすいものかと想像されます。そうなると、相手に対策をとられた時、要するに退いてブロックを作るということを徹底されたときには、「正攻法で正面から相手を更に上回る」か、「異分子を混ぜ込むことで相手を撹乱する」か、の2択になるわけですね。

で、その異分子の役割を担っていたのが谷澤なり、石川なりの両WGだったかと思われます。ゆえに、2013シーズンは、このポジションこそポポトーキョーの鍵を握っていくのではないでしょうか。

■ルーカスvs茂庭[FC東京vsC大阪(6月23日)]

普段からキックオフ直前のタイミングでスタジアムに到着するワタクシですが、この試合では、いつも以上にギリギリの到着になってしまいました。どれくらいギリギリかと申しますと、慣習としてJリーグの試合の開始時間って、13時なら13時04分、18時なら18時04分というように、04分になるわけですが、その4分間がなければキックオフに間に合わなかったくらいギリギリ。

という感じでしたから、選手紹介のときにどのような反応があったのか確認できず、少しガックシだったのですが、セレッソのDFリーダー茂庭選手というのは、FC東京に長く在籍し、サポにも愛された選手ですね。なので、いつも以上に気合いが入っていたであろうことは、容易に推測されるところです。実際に茂庭選手、FC東京1トップのルーカス選手を密着マークし、自由を奪うことに、かなり成功していました。

ロングボールへの競り合いは勿論のこと、地上戦でもきっちりとカラダを寄せることで、ポストプレーを潰し続けたり、シュートを撃てる体勢を作らせないなど、この試合のルーカス選手は、渡邊選手が投入されトップ下にスライドするまで、ほぼ良いところがなかったように思います。

ただし、かつてのチームメイトにやられっ放しで黙っているようなルーカス選手ではありません。そっちが密着マークをするならば、こっちも同じことをやってやろうじゃないか、ということで、茂庭選手がボールを持ったときには果敢なフォアチェックを仕掛けます。

なんといっても茂庭といえば、ガニ股でオッサンぽい、とてもアスリートとは思えないフォルムで走る選手ですから、足下の技術はなかなか覚束ない。そりゃ狙いますよねってなわけで、一度、わたわたボールをキープする茂庭選手からボールを奪ったルーカス選手がGKと1対1の場面を迎えるというシーンがあって、それがなんだか妙に微笑ましかったのはワタクシだけでしょうか?。