テレビ観戦の周辺をウロウロと…なでしこvsアメリカ代表(アルガルベカップ)と浦和vs川崎

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別館4thDayMarketCentreの宣伝をしようとしたら、書いたきりアップするのを忘れていた記事を発見。なので今回は、そういう内容です。

三ツ沢に騙されるな、とかなんとか言っちゃってYSCCvs藤枝MYFC(04月01日)、その1

シウマイ弁当だけだと思うなよ、とかなんとか言っちゃってYSCCvs藤枝MYFC(04月01日)、その2

サッカーでは頭を使いましょう、とかなんとか言っちゃってYSCCvs藤枝MYFC(04月01日)、その3

■なでしこ 1  0 アメリカ代表 (03月05日)

日本が10で勝利した試合です。先制点というか決勝点は、後半の37分に入りました。

宮間のいつも通り正確なコーナーキックを途中出場の高瀬選手が頭で合わせて突き刺したもの。高瀬選手は、後半、安藤選手に替わってFWとして投入されたのですが、その後、阪口選手から菅澤選手へとスイッチしたのに応じて、ボランチに下がりました。INACで3トップのCFを務めている選手ですから、本来的には専門ではないポジションに移動したわけですが、そのスライドの直後にFWらしい働きをしたのですから、サッカーって摩訶不思議であります。

女子サッカーの場合、男子に比べて、どうしてもパワーとかスピードとかで劣る部分がありますよね、霊長類ヒト科の性質として。だから、最終ラインや、低めの位置に下りたボランチから縦パス一発で前線までフィードされるということが、ほとんどない。したがって、その分、最終ラインやボランチに対するチェックが緩くなる、言い方を代えれば、そのゾーンでボールが回されている限りは放っておくことが多い。

なので、いわゆる敵から見たアタッキングサードで、ボランチとかが、ボールを回しながら相手の隙を伺うことが多くなります。で、この試合では、そこが、なでしこにとっての狙い所となってました。アメリカの場合は主にCBがボールをこねくり回すのですが、そこへのチェックからボールを奪いつつ、なでしこはチャンスを作っていました。

というわけで、前半はなでしこのペースでしたが、後半は、どちらかといえばアメリカがゲームを支配しつつありました。

原因は、なでしこのパスミス、繋ぎのミスですね。これは女子のキック力による必然なのか、なでしこ独自の傾向なのかは不勉強ゆえ存じ上げないのですが、後半のなでしこは、ボランチからFWにクサビのパスを通すというよりは、センターライン辺りで、ボランチ・ハーフ・サイドバックの3者がオフトばりのトライアングルを形成し、そこで相手のマークを外した上で、大きな展開でボールを前線に送ろうとしていました。

その際の、パス交換にミスが多く見られました。男子ならば、そこからパス2本くらいで一気にシュートまで持ち込まれそうな危険なゾーン。女子の場合、男子ほどは致命傷にならないようですが、それでも、センターライン辺りでボールを失うと、相手のチャンスになりますし、何よりも自分たちのリズムが崩れてしまう。

しかも、中盤でボールを失うということはFWまでボールが届かないと言うことですから、どうしても安藤・永里の2トップが引く位置に下がってきたり、動き出しに消極的になったりしてしまいます。そのあたりのことの対応策として、高瀬を投入して、さらにボランチへと配置換えしたり、技術に定評のある宇津木選手を最終ラインに入れたりしたものと想像されますが、正直、完璧にアメリカのゲームでしたね。

それでも粘り強く守り通したことは評価できますし、セットプレーから決勝点を奪ってしまう勝負強さは素晴らしかったと思います。なでしこにとってもグッドゲームだったと言って良いのではないでしょうか。

■浦和 1  1 川崎  (03月31日)

この日は、暴風でした。雨はそれほど強くなかったのですが、風がビュンビュン吹いていて、電車が各地で遅延しまくり。その影響は電波にも及び、我が家への地上波デジタルは完全に計算を失ったらしく、前半40分くらいまでテレ玉の映像はこれでもかと言わんばかりに乱れまくり。知らないうちにポポのヘディングシュートが決まってしまっていました。後半になって川崎が同点に追いつきます。浦和ゴール前で相手を左右に揺さぶって、小松がヘディングで折り返し、そのまま矢島が、やはりヘッドで押し込んだ得点。

この試合、後半になると、一方的な川崎ペースとなりました。理由としては1トップがデスポトビッチではなくポポであったことかと思います。最前線がポポだと、アバウトなロングボールやクリアでは、なかなかキープできません。いっそうのこと勇気を持って、矢島(マルシオ)を2トップ気味に前線に残して、ポポと2人でボールをキープできるような仕組みを作った方が良かったかもしれません。

ともあれ、トップのポポが孤立して前線でタメを作れなかった結果、なかなかラインが押し上げられない。浦和守備陣はベタ退き状態になります。そうするとバイタルエリアの手前くらいの位置にスペースが出来ます。したがって後半になると柴崎と憲剛という川崎が誇る攻撃的Wボランチが自由を謳歌しまっくておりました。

なので、面白いようにミドルパスが通って、完全なハーフコートゲーム状態。しかも御存知のように、阿部と槙野という2人もの選手、しかも守備のキーマンが揃って退場することになって、その傾向に更に拍車がかかりました。

にもかかわらず、川崎が勝ち越しゴールを決めることはありませんでした。その理由として、一つに田坂の谷澤化現象が挙げられます。この試合、田坂は運動量豊富に神出鬼没な動きでチャンスを量産する大活躍をしていたのですが、なぜだかシュートがことごとく上手くいかない。ジーコならば、一日ひたすらシュート練習を命じるくらいの不出来でした、もちろんシュート限定の不出来ですが。

ただ、それ以上に、川崎を勝ち越し弾から遠ざけた要因として、シュートの撃ち急ぎがあると思います。相手が9人となって、「決めて当然」みたいな雰囲気になってくると、川崎アタッカー陣は丁寧に相手の守備を外していくという基礎作業を怠り、安易にシュートを撃ち続けてしまいました。こういうところの「したたかさ」あるいは「ふてぶてしさ」がフロンターレには足りなかったように思います。当時の監督だった相馬さんの生真面目さ加減が選手にも伝染してしまっていたのでしょうか。

さて、話は変わりますが、解説の福田正博って凄いですね。「阿部は勇気を持ったプレーをしていますね。なんと言っても名前が勇樹ですからね」とか言い出したかと思えば、「小松のファールは数が多いですが、それほど悪質ではないのでカードは出ませんね。それに顔が余り悪人っぽくないから、審判も出しづらいですよね」とか繰り返す。

そりゃ、アナが倉敷さんでなくても「・・・はぁ(愛想笑い)」って反応するしかないってものです。

もうね、「早野か!」と。神田正輝かと。

尤も、そういう要素を除去して、純粋に解説だけを聞いていると、非常に解りやすいんですけどね。声もソフトで耳障りが良いですし。