松田選手の訃報と南米選手権のマッチレポ

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まずは松田選手の訃報について触れておきたいと思います。

報道によると、死因は急性心筋梗塞。しかも、一般的に原因とされる高血圧、喫煙、高脂血症、糖尿病、肥満などの、いずれにも該当しない、極めて珍しい悲劇だったようです。

で、松本山雅の練習場にはAEDが配備されていなかったらしく、ワタクシはわざわざ確認していませんが、そこに対して批判の声を挙げる方々もいらっしゃることでしょう。

ただ、報道が事実ならば医学知識のある方が人工マッサージをしていたらしいですし、AEDがあればあらゆるケースで確実に蘇生するかといえば、そうでもないわけなんで、AEDの不備と今回の悲劇とに直接的な因果関係があるか否かについては慎重に判断しなければなりません。

そもそも、松田選手の死を未来に生かすなら、いわゆる「犯人捜し」に余り意味はないでしょう。むしろ、そこにある構造的な問題を解決しなければならない。

構造的な問題とは何か、についてですが、松田選手が倒れた当初、熱中症が疑われました。心筋梗塞熱中症は全く異なる病ですが、あえて、両者をごちゃ混ぜにして論を進めます。

と言いますのも、両方とも、下位カテゴリーの選手に、その危険が高そうだからです。

まず、心筋梗塞ですが、これは所謂「成人病」ですね。松田選手は例外的ですが、多くの場合、心身ともにストレスが溜まった状況で発症しやすいようです。

むろん、Jリーガーも多くのストレスを抱えているでしょうが、アマチュアであったり、プロ契約であっても十分な環境を与えられていないJFL以下のカテゴリーの選手は、なかなか思うようなフィジカル面でのメンテナンスを施せないかと思われます。そういう意味では、JFL以下のカテゴリーの選手というのは、上位のカテゴリーの選手よりも、成人病のリスクが高いといえそうです。

また、熱中症についていえば、JFLは真夏でも昼間夕方に試合をしたりします。これはひとえに「ナイター設備」の問題でしょう。ナイター照明を使用すれば、どうしても使用料が嵩む。場合によっては、そもそもナイター施設が備わっていないこともあるかもしれないですし、どうしても昼間とか夕方とかの活動を避けられない。試合でもそういった調子なんですから、練習では一層のこと、そういう傾向が顕著となるでしょう。

要するに、お金がないが故に、なかなかおいそれとAEDを設置できないカテゴリーになればなるほど、お金がないが故に心筋梗塞熱中症のリスクが高まるように思うのです。

大学以下の育成年代においては、学校教育の一環として行われるので、学校教育用の予算で、そのあたりをケアしたり、設備を充実させたりすることも可能ですが、社会人の場合、そうもいかない。だからJ1・J2を除いた社会人リーグの選手は、日本のサッカー人口において、最も危険な状況に晒されながらプレーをしていると言えるでしょう。

協会は、まずは、「トップカテゴリーであるJリーグ」からAEDの設置を推進したようですが、「本当にAEDを必要とするカテゴリーはどこか」という基準でものを考えれば、優先順位を微妙に、けれども決定的に誤ってしまったのかもしれません。

さて、ここからは、本題の南米選手権のマッチレポに移ります。東日本大震災の時もそうでしたが、悲劇があったからと言って、服喪モード一色になることが、故人の冥福を祈ることになるかと言えば、そうでもないとおもいますので、いつものモードです。

準々決勝・ブラジルvsパラグアイ

優勝候補のブラジルが砕け散った試合ですね。

なんでもブラジルでは3R以降、絶対的な点取り屋が出現していないことに対して深刻な憂慮が寄せられているとかいないとか。確かに、ロマーリオとかロナウドとかロナウジーニョとか、そういう、「ちょいと王国は違いますな」って選手は、あまり見掛けていないかも。

一応、パトが後継者候補なんですよね、たぶん。パトもミランでデビューした直後に比べると随分と精悍な感じ、オトコの顔になりましたが、一方で今ひとつ悪童っぽさに欠きますよね。あまり不敵って雰囲気じゃないというか、常識人の範疇に入るキャラのように見えます。

で、良くも悪くも、そういう系譜に連なることを期待されたのがネイマール君。彼はヤンチャ感はあるんですが、少し「オレ様オーラ」が足りないような気がしますね。凄み、と言いましょうか。

むしろ、現在のセレソンで不敵というか悪童というか「オレ様オーラ」をプンプンと漂わせているのは、ルシオであったり、マイコンであったりするような気がします。

今大会では特にマイコン。見た目デカいし、街で目が合ったら怖いですよね。ただ、そういう意味では、パラグアイのSBをやっていたベロンも引けをとりません。ベロンも相当デカい。そしてケンカ強そう。

え…と、、、内容的に特に見るべきものをキャッチできなかったので、こんな感じでお茶を濁してみました。

準決勝・ペルーvsウルグアイ

似て非なるもの同士というか、一見まったく違うように見えて、どことなく似ているチーム同士の対決となりました。

かなりペルーが守備的に戦っていたのに対して、攻守にバランスよく試合を進めたウルグアイ。そういう意味では色合いの異なる両チームでしたが、ガテン系という点では共通していたように思います。

両チームともガチンコで体ごとぶつかっていきますし、華麗なテクニックというよりも一生懸命さで不器用に頑張れるチーム。姿かたちは日本人とそれほど変わらないように見えますが、メンタリティなり骨量なりが違うんでしょうね。

この試合ペルーは、途中にバルガスが退場するまでは、442で戦っていました、NHKのアナウンサーさんによると。確かに、守備のときはゲレーロとバルガスより、少し低い位置にアドビンクラがいたようにも思うのですが、実際は、そこまでシンプルな442ではなかったですよね。

攻撃のときはゲレーロがほぼワントップ気味にポストをこなしていましたし、バルガスは左に開きっぱなし。アドビンクラも右サイドで、明らかに他の中盤の選手より高い位置で攻撃に関与していた。

むしろ基本は433で、守備のときはゲレーロとバルガスが攻め残るって感じに見えたのですが、如何なものでしょう。

まあ、スタートポジションが442だったら442と実況するのが、アナウンサーさんの仕事ですしね。

それより気になったのは解説の早野さん。珍しくポジティブな意味で。

早野さん、さすがは監督としてのキャリアも短くないプロフェッショナルだけあって、フォーメーションの変化を見抜くのが凄く速いですね。この試合でも途中でウルグアイが4141に変化させたようなんですが、ワタクシは全く気づかず。一方、早野さんは、ものの数分でを見抜いていましたからね。

いくら日頃、常人の想像力を絶するダジャレ製造マシーンぶりを発揮しているといっても、腐っても鯛のようです。腐ってないなら尚のこと鯛ですね。

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