東京の4クラブの周辺をウロウロと…

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ロンドンにはプロのクラブだかプレミアのクラブだかが6つもあるんですよね。この6クラブって、どういった棲み分けをしているんでしょうか?

セルティックとレンジャースみたいに2クラブくらいなら、「プロテスタントカトリック」とか「ブルジョワジープロレタリアート」のような棲み分けも出来てくるんでしょうが、6つとなると、「地域」以外の属性で棲み分けるのって、なかなか難しくなりそうですよね。

ベンゲルのパスサッカーが好きなのでアーセナル」みたいな、やっているサッカーの中味で贔屓のクラブが変わってくるというのは、勿論あるんでしょうけど、例えば、「自分は、こういう出自、アイデンティティがあるので、トットナム派!」みたいなのって、どうやって決まってくるんですかね?

話を日本に変えましょう。

日本の首都は、今のところ一応、東京ですね。その東京には、「入場料を取って全国リーグを戦う」クラブが、少なくとも4つありますね。

FC東京東京ヴェルディについては多言は無用でしょう。更に長年に渡り「東京第三勢力」として、首都のフットボール環境に深みを与えてきた横河武蔵野(武蔵野横河?)、そして、その横河から「第三勢力」の座を奪いつつある町田ゼルビア。昔は国士舘大学がJFLで戦っていましたが、その辺りのことは、さしあたり省略。

東京の4クラブを地域で分けてみましょう。

まず前提として、東京というのは、いろんな意味で23区と多摩(市部)に分かれます。生活上の行動範囲もそうなんですが、意識の上で、非東京在住の方々には想像できないくらいの差があるんですね。京都市における洛中地域と、醍醐や山科などの地域くらい感覚的な差がある。

そんな多摩地域は、かつて「三多摩」と称されたように、23区と比較的じかに結びついた「北多摩」、神奈川県の影響が強い「南多摩」、ピクニックな雰囲気で半ば秘境感を醸し出す「奥多摩」に分けられます。

で、ゼルビアのホームタウンである町田は、多摩地域の南端にあります。その昔は神奈川県だったそうなので、地図を見ても東京都というには不自然なくらい南にあります。「南多摩」の南端であり、中心都市ですね。

それなりに栄えていることもあって、良くも悪くも独立王国っぽい。国王はいませんが。住民にとって「町田」というアイデンティティはかなり強いらしく、経験上、町田の人は出身地を問われたとき「東京」とか「東京の方」とか言わず、「町田」と答える率が高いように感じます。

一方、横河は北多摩ですね。吉祥寺とか三鷹とか。都心から各駅停車で帰れる範囲です。23区との境界地域で、あんまり「多摩」感はないですが、市部であることに変わりはない。

いずれにせよ、町田と横河は、自らダービーを「南北多摩決戦」と銘打っているように、北多摩、南多摩というふうに棲み分けてます。

一方で地域的な棲み分けが今ひとつ明瞭でないのが、FC東京ヴェルディ。正直、よく分かりません。

ただ昨今、ヴェルディが拠点を移すとか移さないとか騒がれていますが、その移転先によっては両者の棲み分け、というよりもFC東京の立ち位置がハッキリするのかな、なんて思ってます。

報道によるとヴェルディの移転先として八王子なんて名前が挙がっているようです。八王子というのは、多摩地域全体の一大拠点であると同時に、奥多摩の玄関口という性格を持つ都市でもあります。

なので八王子に移転した場合、ヴェルディは「奥多摩を中心にした多摩地区全域を支持母体とするクラブ」というカラーになると思われ、必然的にFC東京は「23区を中心に味スタ界隈(=京王線沿線)」を足元を置くクラブになっていくものと思われます。

23区、北多摩、南多摩奥多摩が、そのままFC東京、横河、町田、ヴェルディに対応する感じですね。

一方、ヴェルディの移転先として練馬なんて話もありました。練馬は練馬区、すなわち23区ですので、その場合、ヴェルディは西武とか東武とかの沿線を中心に23区の、下町というよりベッドタウン的な地域に根を張るクラブになっていくでしょう。

そうするとFC東京の位置付けがややこしくなります。予算規模的に東京随一のFC東京が調布を中心とした地域クラブになるとは考えづらいので、地域的棲み分けとは異なる論理がもたらされるように予想します。

案ずるに、「23区はヴェルディ、多摩は町田と横河という地域的棲み分けがあり、それらの上位機関として全東京に等しく強い影響力を持つFC東京」みたいな秩序ができるのかな、みたいな。

FC東京が微妙なのは、東京ガス時代には江戸川区界隈での活動が多かったこともあり(本社は未だに移転していないんでしたっけ?)、荒川区とか葛飾区とか江戸川区とか、その辺の印象が強いクラブでもある一方、いち早く味スタをホームスタジアム化したこともあり、調布や府中にも強い支持基盤を持つ。

で、この2つの地域って、基本的に別々の生活圏なんですね。東京駅より東に住む人たちにとって、新宿より西に行くのって、「小旅行」と感じると思われます。逆に、新宿より西に住む人たちが東京駅より東の地域に行くことも、極めて機会が限定される。

だからFC東京には、大股開きで片足を江戸川区界隈に、もう片足を調布界隈に突っ込んで立ってる印象があるのです。

そういう二面性というか両属性が、FC東京というクラブを考える上でややこしかったりしますし、今後のホームタウン展開の武器にも桎梏にもなるのかもしれないなぁ、なんて思います。

というよりも「大いなる真空地帯」である東京のど真ん中界隈は、実は最近ヴェルディ派なんですか?

先日、麻布十番を通りかかったときにヴェルディのフラッグがハタめいていたような。