南アフリカワールドカップの周辺をウロウロと…

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まったくの偶然ですが、今回のエントリーにはゼロックスで大活躍した楢崎選手がチョイ役で登場します。ウォーリーばりにお探しください。

というわけで、

「あえて旬じゃないときにアップする」というモットーを持つ幣ブログ。単に筆が遅いだけとの説もありますが、そんな雑音には耳を貸さずに、なぜか、この時期にこの夏のワールドカップの各試合レポ(地上波限定)をします。

の、第十一弾。

アルゼンチンvsドイツ

皆さん、ゲルマン魂ってご存知ですよね?

ドイツ代表の強さやら、ベッケンバウアーの偉大さやらを説明するにあたって、何かと言えば「ゲルマン魂、ゲルマン魂」と連呼されます。

では、ゲルマン魂の定義って何ですか?

ワタクシにはチンプンカンプンでございます。一応、最大公約数的には「ドイツ代表のサッカー選手が試合中に発揮する精神力」ってことになるんだと思いますが、ぢゃ、ドイツ人以外は試合中に精神力を発揮しないのか、と。

他の国の代表選手と比較して、ドイツ代表選手の精神力は、質的にどう違うんですか?

単純に量的に精神力が強いというならば、後半の得点がやたらと多いとか、先制されても追い付く確率が高いとか、そういう数字的な裏付けがあれば、そうなのかもしれませんが、どんなもんでしょうか???

今回の南アフリカ大会に限定したとき、ドイツ代表チームが他の代表チームに比べて顕著に持っていたメンタリティは、「ほっと一息つける場面でも、緊張感を緩まさない精神力」だと感じました。

例えば、オランダ代表を見てみましょう。

オランダは、ブラジル、ウルグアイと続けて厳しい試合をしました。2試合とも1点差の激戦を制したのですから、その勝負強さには敬意を表さなければなりません。

ただ、2試合とも、だめ押しをする決定的なチャンスはあったんですね。すぐに思い浮かぶのが、ウルグアイ戦でロッベンがカウンターから独走しながらも、シュートを浮かせ損ねてキーパーへの優しいパスになったシーンです。

これが負けていたり、同点だったりの場面なら、決まる決まらないは別にして、もう少し緊張感あるシュートを撃てていたと思います。別にオランダに限ったことではないですが、やはり人間ですから、リードしている場面では、少し緩さが出てしまうものです。

しかし、ドイツ代表は、その辺りが見事でした。このアルゼンチン戦でも、1つ前のイングランド戦でも、追加点を、勝ち越し点と同じような緊張感を持って叩き込み続けていました。

普通、イングランドやアルゼンチンといった強豪と息詰まる熱戦を繰り広げていれば、リードを奪ったあと、多少なりとも気が抜けるというか、多少、緊張感を無意識のうちに緩めてしまいそうなところを、淡々と、それぞれ4点ずつ奪ってしまう。この精神力こそ、ゲルマン魂の正体かもしれません。

日本人は、やたらと「火事場のナントカ力」的な精神力を美化しがちですが、危機的な状況で、いつも以上の力を発揮するなんてことはネズミにでもできます。超人界で「火事場のナントカ力」を使えるのは額に「肉」ってある彼だけかもしれませんが、人間界で猫を噛むのは万国共通の現象でしょう。

ついつい油断してしまいかねない場面においても、全く緊張感が緩まないドイツ代表のメンタリティは、南アフリカ大会に参加したチームの中でも特異なスペシャリティだったと思います。

パラグアイvsスペイン

イニエスタの変態ドリブルからのチャンスをビジャが美しく決めてスペインが勝った試合でしたが、PKでの辻褄合わせがガッツリついてしまった試合でもありました。

最初は、コーナーキックからの流れのなかで、ピケがカルドソだったか誰だったかを引っ張ってパラグアイがPKを獲得しました。しかし、このPKではカシージャスカルドソのキックを完全に止めました。

カシージャス、本当に貫禄がつきましたね。若い頃のイメージでは川口的なヤンチャさも多少あったように思うのですが、いまや、冷静かつ自信たっぷりに「俺に任せとけ!」オーラを漂わせていますね。

ドンと構えて、チームメートに落ち着きを与えるというジャンルに限れば、楢崎は世界的にも屈指だと思っていたのですが、技術的に完璧なカシージャスにあんな貫禄がついてしまうと、我らが楢崎の出る幕もなくなってしまうってもんです。

一方、スペインもPKを獲得します。カウンターからのスペインの攻撃の中で、アルカラスがビジャを倒してしまいます。

残念ながら「ビジャvsビジャール(パラグアイGK)」の直接対決は実現しませんでしたが、ミドルパスの精度をPKに置き換えてシャビ・アロンソがきっちり決めます。

んが、スペインの選手が蹴るより以前にペナに入ってしまい蹴り直しに。シャビ・アロンソは、その蹴り直しに失敗、記録としては、両チームがPK失敗という試合になりました。

まさに「辻褄合わせ」。ヘタな審判が、片方にレッドとかPKとかを与えると、何故かもう一方にも同じジャッジをして作り出す「辻褄合わせ」は、よくJのピッチでも見かけますが、こういう「辻褄合わせ」は珍しいですね。