ワールドカップ効果の周辺をFC東京vs神戸(0717)を素材にウロウロと…

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いつもながら、今更ながらの話を。

皆さんは、もしかしたら忘れてしまっているかもしれませんが、2010年の6月にWCというイベントがありました。

WCといっても、もちろんトイレではありません。「WC」と書いて、「ワールドカップ」と読ませます。

実は、そのワールドカップに、日本の代表チームも参加していました。多くの人にとって、それは、「あぁ、そんなこともあったねー」ってな感じの薄れゆく思い出の1ページでしょう。

さすがに、少し語弊がありますね。上の言い方だと、「幣ブログをご覧になっておられる多くの人」という意味になりますが、残念ながら、日本人のうち圧倒的多数派であろう「あぁ、そんなこともあったねー」という人々は、もはやスポナビのサッカーブログなんて見ていないものと思われます。

無論、幾つかの大御所ブログさんは、そういう層もキッチリ繋ぎ止めているかと思われますが、隙間産業としか表現しようのない幣ブログをご高覧くださっている皆々様におきましては、ワールドカップが終わった後もサッカーなんてものに興味を持ち続けている、日本人の平均値からすれば確実にニッチな方々かとご推察申し上げます。

ともあれ、覚えているか否かはさておいて、ワールドカップって行事があったんですね。で、ワールドカップ閉幕後、多くのクラブにとって最初の試合が7月の17日と18日にありました。

で、ニッチ界の少なからざる人々は、ワールドカップ効果でJリーグの観客動員は、どれくらい増えるのか、なんてことに興味を持っていたかと思われます。たぶん。

かくいうワタクシも、そういう関心を持って7月17日に味スタへと足を運びました。

とりあえず、手荷物検査のところで、「えぇっと、ペットボトルは…」とか呟いている人とすれ違いましたので、ある一定の割合で、「普段はJに来ないけど、この日は来てみました」って人がいたことは間違いないですね。

味スタでのペットボトルの扱いは「フタを取る」で、おそらく東京スタジアムのオープン以来ずっと一貫しているはずなので、ペットボトルの扱いで悩むのは、日常的には味スタに通っていない人たち、具体的には、あまりJリーグをみない人orアウェイ(=神戸)サポです。標準語っぽいアクセントでしたので、たぶん前者である可能性が高いのだろう、と。

ただ、ではビックリするくらい動員数が増えたかと言うと、そうでもない。バックスタンド1階も含めたホーム自由席は、ほぼ満席に近かったですが、二階席やアウェイ自由席はガラガラみたいなもんでした。

実際に発表された有料入場者数は25000人くらい。アウェイチームの動員力を鑑みれば、おおよそ普段の2割増といったところでしょう。

実はワタクシ、8年前も、同じようにワールドカップ終了後初戦を観戦すべく味スタに赴きました。相手はジュビロだったことを覚えています。当時のジュビロは少し斜陽の影が忍び寄りつつありましたが、黄金期の真っ只中。Jリーグの歴史に残る「強さと美しさを兼ね備えた」チームでしたので、アウェイ戦での動員力も、現在とは比較にならないほど有してました。

そういう点を差し引いて考えなければならないのですが、この日、ワタクシ、スタジアムに入れなかったんですね。

ウッカリ前売り券を買い忘れていて、当日、飛田給駅に着いた時点で、「本日、当日券の販売はございません」という現実を突きつけられました。

つまり、大入り満員、フルハウスだったわけです。今じゃ味スタが満員御礼になるなんて、ちょっと考え難いわけですが、当時はそうだった。

それに比べて、今回の2割増というのは、いかにも寂しい。でも、これは必ずしも悪いことではないのではないかと考えます。

ワールドカップ効果で観客動員向上を図ろうというのは、クラブの立場からすれば、他力本願でしかない。

ワールドカップで代表が活躍すればサポーターは増えるが、惨敗すれば減少する、それでは、観客動員を神頼みしているのと変わらないと思います。

「代表人気をインパクトにしてJリーグの需要を発掘する」という方程式が、ある程度機能した時代もあったのかもしれないのですが、代表人気にぶら下がってクラブの観客動員を維持するというあり方は、Jリーグクラブにとって健全なカタチじゃないと思うんです。

話を神戸戦に戻しますと、多くのサポーターがレプリカユニフォームを着用していました。つまり、あの日、味スタにいたのは「代表しか知らないサッカーファン」ではなく、圧倒的に「元々FC東京を応援していた人々」なんですね。そこに2割ほど「ワールドカップをきっかけにスタジアムに来てみた人、スタジアムに戻ってきた人」が加わった。

これって、すごく健全なことだと思うんです。全く御新規さんがいないというのも、些か淋しい熱帯魚ですので、この2割増という数字は絶妙だったんじゃないかと。

今後のJリーグの持続的安定成長について、ユラユラながらドリーミンできるのではないかと、なんだか嬉しくなった試合でした。

そして、あれから3ヶ月。今年の観客動員って秋になってから、かなり多くのクラブが、シャレでは済ませられないくらいに減らしていませんか?

特に浦和と、本エントリーで取り上げたFC東京は、観客動員という点において余り楽観視できないくらいの苦戦をしていますね。これを、どう捉えるか。

たまたま、シーズン前にサポがいだいた期待値より成績が劣った両チームが減らしただけと捉えるか、「ワールドカップイヤーには、夏過ぎに日本社会全体としてサッカーに対するエネルギー切れを起こす」という法則があるとみるべきか。

いずれにせよ、Jリーグの観客動員は自助努力によってしか増加しない、そういう時代になったことは間違いないかと思われます。