都外の試合のレポ解禁!〜京都vs新潟(10/10)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

□試合前

横文字カタカナ英語大好きおばさんが「一応、念のため都県境をまたいだ不要不急の……」って言っていたので、これまでは都内での試合ばかりのレポートとなっていましたが、もっと偉いおじさんたちの集団が「お前らいいから旅行しろ。これは命令だからな」と言わんばかりにJR救済キャンペーンを始めて、晴れてお国の太鼓判を得たので、都県境をまたいだ試合のレポートもアップします。権威に従順なワタクシとしては、不本意ながら(?)旅行してきました。ホントはイヤイヤ(?)なんですよ。でも、お国の方針に逆らうと、謎の推薦表にリストアップされても、理由なく外されて任命されないとか、そういうこともあるかもしれないじゃないですか。専制志向強めの政治家クラスターを長年にわたり社会が支持してきたのだから、お国の方針に逆らうなんてできるわけがありませんので、不本意ながら(?)、gotoに、イヤイヤ(?)参加でございます。まったくもぉ〜、ホントはイヤなんだからね、大っ嫌い‼

 

□両チームの現状

というわけで5位6位の直接対決です。2020年10月10日現在、熱烈なサンガサポであるワタクシとしては、5位のチームを応援します。でも、どっちも頑張れ、みんな頑張れ。ともあれ、京都は現在5位。よくも悪くも、實好監督は、我らが四中工OB(ワタクシは四中工OBではないですけど)の一三に比べると地味というか、鮮烈さに欠きますね。

対する新潟については、今シーズン、2試合目の観戦となります。例年と違って「とにかく見れる試合から見に行こう」ってやっていると、こういう重複が出てくる。ただ、その時はチョンテセとか萩原拓也とか福田晃斗とかいなかったし(中島元彦はいた。試合中にポジションがチキチキ七変化してた)、監督さんの戦術も浸透途上だったので、また違った顔が見られるかもしれないなという期待感もある。順位も6位と、新潟サポ的には不満かもしれませんが、外国人新監督としてはそこそこなんで、ちょいと期待です。

 

□ピッチ上の両チーム

京都のシステムは352なのですが、3421から352に進化したというより、442の変形としての352って感じですね。442で選手を当てはめて、ボランチを縦にして一方をリベロ化して両SBが押し上がると、あら不思議、両SHが中央寄りでプレーできるじゃないですか、みたいな。両SHをセントラルでプレーさせるために一工夫というイメージです。

一方の新潟は、4231の「3」に10番タイプを3人並べたような雰囲気。ボールをもらって、剥がしながら前を向いてパスを出せる選手が2列目に揃っているので、それなりに押し込むことができます。尤も、それは新潟側の要因ではなく京都側の要因かも。京都の中盤逆三角形は、どちらかというと守備での強度を売りにしている選手ではないので、しっかりリトリートして5バックで守る傾向がある。故に新潟が押し込んでいるように見えただけって可能性もあります。

 

□注目点

新潟はヨーロピアンスタイルなんで、5レーンサッカーをやっている模様。そして特徴的なのは、おそらく攻撃時には両SBはハーフスペース(2レーンと4レーン)にいなければならないという約束事があるっぽいこと。ゆえに右SBの田上は大外を回らずペナへと一直線に走り込んでいくし、左SBの早川はボランチのようにコンダクターっぽくボールに絡んでいく。そういう関係性だったと思われます。

京都はそういうバルサッカーとは一線を画すカウンタースタイル。ラストピースとして迎え入れられた仙頭がボールを運び、庄司が後方援護するW司令塔みたいな役割分担なんですけど、仙頭がボールを持てる分、チームに余裕ができて、結果として逆に「頼むからウタカ、なんとかしてくれ」感が薄まったかもしれません。特定の個に頼らなくなったことは俯瞰で見れば良いことですが、こと、今シーズンの勝ち点積み上げに限って判断した場合、この「いつもいつもウタカに依存するわけじゃないぜ」ってのが、直接的な合理性を帯びるのかってのは、なかなかいじらしいところかもしれません。

 

□試合展開

前半はスコアが動かず。互いに悪くはないものの、「そこでもう一段階ギアアップできないから、その順位にいるんだぞ!」っと思わせるような内容です。特別にヒドいわけでなく、一見それなりにできているように見えるからタチが悪いとも言えるかもしれません。

って状況を打破するためか、新潟は「3」のうち2枚を10番タイプから大本・堀米というWGタイプにスイッチ。それが奏功したのかどうかはわかりませんが、試合は動きます。右サイドからの展開でスクランブルが発生し、最後は田上が仕留めて新潟が先制。とはいえ、追い込まれて余裕がなくなっ京都は、逆に、ウタカをシンプルに使う、そして、そのおかげであっさり追い付く。しかし、その次に輝いたのは新潟の左サイド。堀米がワンツーからダイアゴナルにゴールへと突進。鮮やかに決勝点を決めました。これは美しかった。新潟が逃げ切って京都との順位を逆転させました。それにしてもサンガスタジアム、素晴らしいスタジアムです。

 

 

 

長谷川唯とイベリコ豚と一人焼き肉と〜ベレーザvs伊賀(9/26)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

□試合前

この日も昼過ぎまでは、都内を散策してから西が丘を目指すことに。というわけで、最近はまっている江東区の都営新宿線沿線界隈をお散歩。これまで、例の赤いシェアサイクルを借りたり返したりするのに、よくサイクルポートを利用していた「中川番所資料館」に入館してみた。区立の博物館だけあって、なかなか立派でしたよ。亀戸の特別展をしていたのですが、実は総武線で亀戸だけ江東区。西隣の錦糸町墨田区で、東隣の平井は江戸川区だったりするのです。

昼ごはんを「サンロード中の橋」なる商店街の店で食べたので、大島駅から新宿線に乗る。で、神保町で三田線に乗り換え。つまり都営地下鉄だけで移動ができた。西が丘に行くときはたいてい赤羽から歩くかバスだったので本蓮沼駅を使うのは久しぶり。そして「本蓮沼」は、「ほんはすぬま」ではなく「もとはすぬま」だったのですね。勝手に脳内では「ほんはすぬま」として再生していたよ。

 

□ピッチ上の両チーム

今シーズンは、これまでみたいには圧倒的な勝ち点を積み重ねられていないベレーザ。この試合でも、圧倒的感は影を潜めます。とはいえ、それはベレーザの問題というか、伊賀が良かったのかもしれません。伊賀の猛烈なフォアプレスに苦戦していて、さしものベレーザも前半はなかなか形が作れていなかったです。

逆に伊賀は前半の入りが良かった。というかフォアプレスが剥がされるようになるまでは、とても良かった。プレスにリソースを割く分、攻撃は物足りなかったですが、その中でもアクセントとなっていたのが杉田。この試合ではISHに入っていましたが、フォアプレスの後は攻め残って良いという役割だったらしくその攻撃力の片鱗を見せまくり。この選手はたぶん視野が広いのでしょうか、判断が速くてアイデアも流暢。流れるような動きでボールをさばくので、見ていて気持ちが良い。さすがです。

 

□注目点

なんだかんだで先制しつつも前半は大苦戦したベレーザ。後半は一転してリズムを握り返しますが、その要因は長谷川唯の位置取りでしょうか。前半は中盤ダイヤモンドのトップ下だったのですが、後半の立ち上がりにはボランチ近くまで位置を下げて、途中からは完全に左SHにスライドしました。で、それが奏功した。

というのも、伊賀はアンカーを置くシステムだったので、結果的にアンカーの乃一にマンマークされるような形に前半はなっていた。ハーフタイムの微調整でそれが剥がれた分、後半は長谷川の流動性が生きるようになった。代わりにトップ下に入った木下もフィジカルで乃一に負けていなかったですし、立派だったと思います。ついでに言えば、伊賀のアンカーに入った乃一、ようやく天職に巡り合えた感じですね。パワフルでパスセンスもあるけどアジリティに欠けるという本田圭佑みたいな選手なんで、構えるポジションの方が良さが生きると思われます。

 

□試合展開

スコアは、先にも触れたように前半のうちにベレーザが動かしました。サイドからのクロスに小林が合わせたヘディングのゴール。ただベレーザとしては内容的に不満だったでしょうし、伊賀は追いつかないといけない。そこでベレーザはケガ明けの清水(と宮澤ひなた)を、伊賀は切り札の道上をそれぞれ投入します。

そして後半はベレーザの試合。長谷川唯が輝きまくり。輝きながら明日のドアを開けるのか!と言わんばかりに輝く。まずはパスカットから持ち上がって、そのままロングシュートを決めてしまう。もうね、帽子を脱ぐしかないですよ、あんなんされたら。で、こうなると長谷川は止まらない。ベレーザダメ押しの3点目も、ほぼ長谷川唯の得点。低い位置でボールを持つと、もはや伊賀のプレスもユルユルだったので、雑な感じで狙い澄ました縦一本を入れる。それに合わせて抜け出した宮澤ひなたが決めきりました。往年の宮間あやを彷彿とさせるスーパーパスで勝負あり。そのままベレーザが3ー0で完勝しました。

 

□試合後

西が丘での観戦後は決まって赤羽で一人酒。この日は「トレボ」というバルだかビストロだかわからないですが、それ系の店へ。普段だと、こういう、「デートなり女子会なりで来てくださいね(はあと)」っていう店は、一人客をお断りされがち。実際にフロアの案内係は「一人?」って反応でしたが、なんせ、こういうご時世。すっと入れてくれました。なので、イベリコ豚のグリル(1600円)を一人で食ってやりましたよ。

でもさすがに、多少の気疲れもしてしまったので、池袋で店を変えてみた。ということで訪ねた先が「ひとり焼肉 美そ乃」。こちとら、一人客であることが前提なのだから、文句言われる筋合いはない。ただ、赤羽トレボで美味しい美味しいイベリコ豚のグリルを食べた後なので、焼き肉は若干……の問題など一ミリもなく、ただただひたすら美味しく食べましたよ。「極上サーロインの2枚付け」とか「ホルモン盛り合わせ」とか「小ライス」とか。ライスが「(小)」のところに加齢を感じたのと、580円の「氷結レモンハイボール」ではなく、440円の「角ハイボール」にしておくべきだったという反省こそあれ、2軒ハシゴ(計6500円)に一片の悔いなし。

最強気味の盾vs最強からほど遠い矛〜FC東京vs仙台(今日)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

□試合前

(承前)調布の「潤」でコーヒーを飲んだ後、近くの「香泉の家」というお店で夕食をいただく。一応、カテゴリー的にはカフェなんですかね。でも、創作和食系で腕をふるいそうな板さんがやってて、定食屋っぽいメニュー構成でもある。和食系の店は味噌汁を飲んで、どういうダシをとってるかを味わえば、最低限、心意気はわかる。立派なお店だと想うのですが、この時はワタクシの貸切状態でございました。

そのあと、本日3回目の京王線飛田給に戻ります。ただ、そのまま味スタを目指すのではなく、途中、左に折れて逸れていきます。なぜ逸れたかというと、そらもう、ワークマンパトロールですよ。ワタクシ、味スタに来たときは、ワークマン府中白糸台店に立ち寄らずにはいられないのです。我が心のワークマンなんですけど、普段の生活圏には店舗がない。何かのついでで立ち寄れるとすれば府中白糸台店。いつも通りパトロールしてから味スタへと向かったのでした。

 

□両チームの現状

ここのところのFC東京ですが、コロナ禍の影響でタイトな日程となり、かつU23が活動を辞退したこと、さらには東の故障と橋本・室屋の欧州移籍も相まって、幸か不幸かU23との融合を果たしました。果たさざるをえない状況になってなければ、こんなにも若手が大量抜擢されることはなかったでしょうから、ケガの功名といえるかもしれません。あとは毎試合ベンチ入りしながら、一切起用されない秘密兵器バングーナガンデがラストピースでしょうか。

一方ほ仙台ですが、順位はもちろん勝ち点的にも例年なら残留争い待ったなしの順位です。木山さんがどうこうというより、渡邊前監督が偉大だったのでしょう。しかも、おそらく攻守の柱として計算されていたであろうシマオマテとクエンカがケガでこれまでほとんど試合に出られていないのだから、厳しい。シマオマテは復活したので、クエンカが戻るまで、どこまで頑張れるかってところでしょうか。

 

□ピッチ上の両チーム

そんなこんなでキックオフ。FC東京は、例によって強力アタッカー陣を走らせる。スターティングポジションアダイウトンがCF、レアンドロが左WGですが、アダイウトンはよくサイド、特に左サイドに流れる。そして、アダイウトンが空けたゴール前真ん中には入れ替るようにレアンドロが入って…いかない。レアンドロはトップ下みたいなところに入っていきがちですね。最前列がサイドに張った両WGで、真ん中下がったところにゴールを決められる選手がいるゼロトップ、もはや変則ヴェルディやん。

対する仙台。Wボランチの一角に入った浜崎ですが、公称だと身長は175cm。絶対、ウソですやん。3バックとボランチの相方椎橋が長身なので、その比較で小さく見えるだけかもしれませんが、にしても。たぶん、175cmよりも170cmに近いのではなかろうか。それから3バック右のアビアタウィア。ビルドアップのときパスコースを探すべくターンをしたりするのですが、そこに自爆の臭いがプンプンする。相手にフォアプレスされようとしているとしか思えないようなボールの持ち方をするぞ。

 

□注目点

予想通りのロースコアとなった試合でしたが、それでもFC東京には颯爽とした爽快感がある。逆に仙台からは停滞感を感じてしまいました。たぶん仙台の基本戦術は、ポゼッションではないですよね。長いボールを攻撃のスイッチにしたいのだと想われますが、どうもそれが機能しない。最も表面的な理由としては、長沢がボールを収められない点が挙げられるのですが、それを長沢の個に押し付けるのは、いささか気の毒。

むしろチーム全体として、どうやって前線にクサビを出せる状況を作り出すかというオートマチズムが不足しているように思いますし、長沢がカラダを張ってボールを落としても、それをどうやって周囲が受けるのかってところの練度が物足りない。唯一の突破口は関口の隙を突いた仕掛けだったのですが、それを生かすのであれば、サイドを起点とするフィードをもっと多様すべきで、そのための状況作りをするべきでした。いずれにせよ、最終ラインがフィードを狙い澄ましているのではなく、出しどころに困っているような印象が残りました。

 

□試合展開

さてさて、スコアは前半からうごきます。クイックリスタートからどさくさ紛れにドリブルを始めた三田が、ヌルヌルと中央突破に成功して、そのまま先制ゴールをあげました。こうなるとFC東京は堅い。そして仙台は破壊力に欠く。とはいえ打開しようとしないわけにはいかない。後半途中に仙台は選手交代と併せてシャドーの関口を左WBに回すなど配置を換える。FC東京もアダイウトンからディエゴ・オリベイラにスイッチするなどして応戦。仙台は途中投入の道渕が潤滑油的に存在感を示すなどしましたが、最後はジョーカー永井謙佑のフォアプレスがそれらを凌駕して、FC東京が手堅く逃げ切りました。

 

たぶん世田谷のが絶対値が高かった〜スフィーダ世田谷vsFC十文字ベントス(9/20)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

□試合前

この日も試合前には都内を散策したりして。ワタクシが大学生だった頃、京王相模原線ユーザーだったのですが、ごく稀に「大島行き」というのがありました(「東大島行き」だったかも)。それ以来、ワタクシの憧れの場所、それが江東区大島。一帯は都営住宅タウンなのですね。で、団地の一角に「おがわ」という蕎麦屋があったので入ってみた。高度成長期からバブル期にかけて開発された公団には、だいたい蕎麦屋があります(ありました)、増田屋的な。

メニューを眺めた結果、「ざる蕎麦と親子丼のセット」をオーダー。食べてみて、「あれ⁈美味しいぞ」と。「むむ、美味しいぞ」でも、「おぉ、美味しいぞ」でもなく、「あれ⁈美味しいぞ」。大袈裟に本格派感が前面に押し寄せてくるとか、そういうのではなく、言うなれば、食堂のカレーがメッチャ美味しかったときの感動です。お昼とはいえ蕎麦屋ですから、もちろん瓶ビールも頼みます。最近は、夜に飲むなら生ビール、昼に食べ物屋で飲むのは瓶ビールって感じになってきました。チビチビお茶代わりに飲めるのが良いのです。ってのを満喫してから都営新宿線京王線飛田給を目指しました。

 

□ピッチ上の両チーム

女子サッカーで、しかも2部とくれば、今ひとつどう見れば良いか難しい。女子サッカーってそういうものだったようなきもするし、この試合固有の特性だったのかもしれませんが、前半はスフィーダが相手陣内で守備をしている時間が長かった。攻撃しているのではない、プレスをかけているのです。だけどボールは相手陣内。攻撃については、手数は少なめ。でもシンプルにシュートまでやりきる、そんな感じでしたっけね。

逆に十文字は、スフィーダのハイプレスに四苦八苦。マイボールになっても、なかなか前を向けない。剥がせない。いわゆる“ビルドアップ”が不全状態。とはいえスタイルはあって、「ツートップに相手の裏を取らせて、サイドを走らせよう」という狙いは一貫していたように思います。そこから人数をかけるのか、少ない手数でシュートにいきたいのかは、よくわかりませんでしたが。

 

□注目点

女子サッカーにほ、男子ではなかなか見かけないプレーがありますよね。例えば、キーパーの図上を越えてゴールネットに吸い込まれていく、フンワリとしたロングシュート。まず、男子と比べてキック力がないので、ロングシュートが山なりになってしまう。では、そんなロングシュートに意味がないかと言うとそうではなくて、キーパーはキーパーで、サイズも小さいし、ジャンプ力も男子よりは劣るので、そういう山なりシュートでも決まるのですよね。で、こういう光景を見て、「男子と違ってレベルが低い」と感じるのか、「これこれで、男子とは違った面白さがあるな」と感じるかで、女子サッカーという(男子サッカーとは異なる)競技を楽しめるかどうかが分かれるのかな、などと考えた次第です。

 

□試合展開

試合はわりとスコアが動きました。早い時間帯にスフィーダが9番のヘディングシュートで先制します。サイドからのクロスに奇麗にあわせたのですが、女子としては9番のジャンプの滞空時間がかなり長かったような。スフィーダはさらに畳みかけショートカウンターから11番が押し込んで2点目。そこからはしばらく試合が落ち着いて、十文字も少しずつスフィーダのプレスをかいくぐれるようになってきた。そんな前半終了間際、コーナーからの流れで10番がファインショット。前半だけでスフィーダが3ー0としました。その前からバーやらポストやら直撃3連発だったので、必然のゴールとも言えます。

後半に入ってもスフィーダの攻勢は続き、コーナーキック地獄に十文字を追い込むと、連続何本目かCKからヘディングシュート。クリアしようとした十文字の選手がヘディングにヘディングをかぶせて、オウンゴールとなりました。ただ十文字もここから意地を見せ、ぐりぐり右から突破して最後は左ハーフの11番が決めて一矢報いると、さらに11番の選手がドリブルでスフィーダ守備陣を切り裂き2点差に追い上げます。しかし、後半も前半同様、終了間際のセットプレーでスフィーダが十文字を突き放し、そのまま完勝となりました。

 

□試合後

この試合の後は、お隣の味スタでFC東京戦。とはいえ3時間も間が空くので、いったん調布に引き上げます。以前に入ろうとして勇気がでなかった「潤」という喫茶店に突撃。やはり、齢も四十(しじゅう)を越えると、若者で賑わうフラペチーノ屋さんよりも、落ち着いた純喫茶を好むようになるのですよ。

東京には、なんだかんだで多くの商店街が残っていて、商店街が残っていれば純喫茶の一つや二つは健在だったりします。ちなみに「潤」がある商店街の名前は「調布銀座」という。この「〇〇銀座」という響きの持つ絶妙な(いい意味で)ウラブレ感(←褒め言葉)、たまらないですよね。フロアのお姉さん(と表現しておく)の愛想も素敵で、いまさら調布にお気に入りのお店が出来てしまったよ。

 

熱かったのか暑かったのか、どちらでもなかったのか〜町田vs磐田(8/19)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

□試合前

コロナ禍もとどまることを知らず、超厳戒態勢が続いております。例によって「不要不急の都県境を越える移動は控えましょう」が継続していて、Jリーグ観戦も原則その線。……「都道府県」というのは行政の枠組み、経済流通の枠組みとは、本質的に異なるもの。病院を用意するのは行政だから「都県境を越えるな」と言わざるをえないわけですけど、人の流れはそれとは別の論理で形成されている。ってのを最も実感するのが町田ですね。東京都民が都県境を越えることなく、どうやって東京都町田市に行けと言うのだ?

正解を教えます。まず小田急線は使えません。思いっきり神奈川県を通過します。京王相模原線も駄目です。稲田堤のあたりが神奈川県です。なので、まず京王線聖蹟桜ヶ丘高幡不動に向かって下さい。そこからバスなりモノレールで多摩センターに行って、で、無料シャトルバスです。都心から町田に都県境を越えずに行くのは、これしかないと思われます。

 

□両チームの現状

壮大な遠回りの末、辿り着いたは野津田公園。町田ギオンスタジアムをホームとする町田を率いているのは、今年からポポビッチ。第1次相馬政権→第1次ホポビッチ政権をトレースするように第2次相馬政権→第2次ポポビッチ政権。…ということは、ホポビッチが退任した後には、その頃にはフリーになっているに違いない、ヘディングの鬼と呼ばれたあの漢の第2次政権なのか? ともあれ、現状の町田を評価するなら「良くはない」といったところでしょうか。

乗り込んできたのはジュビロ磐田。昨シーズン途中からフベロさんが率いています。昨シーズンは名波さんが勤続疲労を起こし、跡を継いだ鈴木秀人がハチャメチャなことになって、絶望感に包まれているなか、多少ながらも希望を持てるチームにしたというので、それなりに評価されていますけど、ワタクシ的には、結局のところ降格させましたし、半信半疑。ということで、今シーズンを注視しているのですが、、、やっぱり半信半疑。決して良くはないですよね。シーズン、まだ先は長いですけど。

 

□ピッチ上の両チーム

何はともあれ大切なのは、いま現在どんなサッカーをやっているのか、ということ。ポポさん率いる町田は、ワンタッチ、ツータッチのパスをリズミカルに繋いでいこうというスタイル。ただ、いわゆる“ポゼッションスタイル”かというとそうではなくて、リスクを冒しすぎず、最小手数でカタチを作りましょう、という感じ。個人では安藤瑞季が良かったですね。前線でカラダを張ったり、裏抜けダッシュを繰り返したり、いかにもCFといったプレースタイルで。

対する磐田ですが、3バックでしたね。10代の鈴木を抜擢し、「伊藤とどちらがCBで、どちらがボランチなのかな?」と考えていたら両方ともがCBだったというオチ。サッカーの内容は少しわかりづらかった。だってフィールドプレーヤー10人のうち7人が黄色とオレンジの、同じデザインのスパイクなんですもん。スタジアムの観戦環境も相まって、誰が誰だかサッパリわかりゃしない。

 

□注目点

この試合で際立っていたのは伊藤洋輝の左足ですね。大型ボランチとして将来を嘱望されてきただけあって、キックの質はDFではなく、MFのそれ。糸を引くような弾道のロングパスはイチローのレーザービームを彷彿とさせる。しかも回転が綺麗ということでしょうか、受け手にとっても鬼パスになってないっぽいんですよね。この選手が最終ラインからゲームメイクできるのは、とても大きい。

もちろんこのポジションで使われている以上、本職は守備。その守備でも大きな穴はみせていなかったのみならず、キックが上手いから、クリアも綺麗。遠藤保仁なんかもそうなんですが、しっかりミートしてクリアするから、安心して見ていられる。ひょっとして、3バックの左CBというのは、この選手の天職なのではなかろうか。ボランチや4バックのCBも対応できるポリバレント性も加味すると、おそらく3421で挑むであろう五輪代表には打ってつけの存在かと思われます。

 

□試合展開

試合は…荒れました。荒れたといっても乱打戦になったという意味ではなく、レフェリーのジャッジが不安定だったのか、両チームの選手のバイオリズム的なあれこれの巡り合わせなのか、とにかくヒートアップする場面が多かった。それに伴ってポポビッチ監督の声も大音量になっていく。いや、これについては審判のジャッジ云々とは無関係に、そもそもポポさんが激情的なだけかもしれません。にしても声のボリュームが尋常じゃないよな〜。

ハーフタイムを挟むと両チームとも落ち着きを取り戻し、丁々発止は収まりましたが、スコア的にも落ち着きまくってしまいます。大勢としては磐田が押し込んでいたわけです。でも、決定機がたくさんあったかというとそうでもない。むしろ時間の経過とともに町田のカウンターが鋭さを増し、決定機の数、決定機の決定機感については町田の方が得点に近づいた。でも、決まらないんですよねぇ。となれば、どうなるか? そう、スコアレスドローになるのです。という一戦でした。

 

 

藤本寛也の壮行試合〜東京Vvs琉球(8/8)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

□試合前

え〜、都内にはですね、かつて都立図書館が三カ所あったのですね。日比谷、広尾、それから立川。そのうち日比谷の図書館は都立ではなくなって、ときどき図書館で調べ事をしてるフリして、涼みながら居眠りしたくなるワタクシとしては、まれに広尾の都立中央図書館に行くことがあります。

ただ、多摩の図書館には、そうそう行かない。というよりも、20年ほど行ってない。20年前は聖蹟桜ヶ丘に住んでいて、しかも大学生だったので、卒論云々とかで多摩図書館に行くことはあった。で、この日、久々に調べ事をしてるフリして(以下略)のため、わざわざウェブ予約して多摩図書館に行ってきた。多摩図書館、リニューアルして、もはや立川にはない。西国分寺にある。建物はピッカピカ。でも、閉架資料を借り出すときに、紙カードを預けて、返却とともに返してもらってっていうシステムは平成のまま。なんか、懐かしかったぞ。

 

□両チームの現状

東京Vについては、再開以来、ずっと一貫して「まあまあ」ですよね。ときどき、「永井サッカーは浸透に時間がかかる」なんて言われたりもします。その言葉の裏側には「浸透すれば、一気に駆け上がる(に違いない)」という期待が込められているかと思われますが、なんとなく、浸透したところで、ずっと「まあまあ」のままになるのではないかとの危惧もなくはない。風間さん時代の名古屋とか、大木さん時代の岐阜みたいに。

アウェイの琉球も、あまり絶好調という感じではないですね。というか「低空飛行」。尤も、苦戦はある程度予想されたことでもある。戦力的にも、昨シーズンは這々の体で残留したところですし、ただでさえ振興策が模索される経済状態の中で、高原のところとか複数のクラブが、限られたリソース、僅かなパイを奪い合っていて、そこに昨今の流行病。観光産業が占める比重が高いお土地柄だけに、これは厳しい。来シーズンも含めて、ベテラン監督たる樋口さんの手腕で、なんとかサバイバルを果たしてもらいたいところ。

 

□ピッチ上の両チーム

毎度毎度、思うのですが、東京Vって、『エルゴラッソ』なんかではゼロトップっぽくフォーメーションが表記されたりもするのですが、言うほどゼロトップじゃないですよね。スタンドからは明確なワントップに見えます。また、立ち位置は中盤逆三角形の433ってことになってますが、守備時はインサイドが攻め残ってウイングが下がたりするので瞬間的にクリスマスツリーになったりもする。

対する琉球ですが、風間宏矢はセントラルのユーティリティというイメージがあったのでボランチかトップ下だと思っていたら、右のハーフで起用されていました。逆に右のハーフかと思っていた山口和樹がボランチで、その山口和樹の相方が上里でした。高卒でルーキーイヤーから活躍しているので大々ベテランっぽく感じるのですが、まだ33歳かぁ。この選手の出場数もヤバいですよね。15年間、コンスタントに試合に出続けているので、普通に500試合出場とか達成してしまいそう。

 

□注目点

この試合の注目は、なんといっても藤本寛也でしょう。ポルトガルのジル・ヴィセンテFCに移籍する壮行試合ですからね。藤本については、大ケガをしていたこともあって、「J2では、もはや格が違うね!」って地位を築いたわけではないかと思いますが、安西とか中島翔哉とか、ポルトガルでは「安心安全のヴェルディユースブランド」が定着しているということでしょうか。まだまだケガ明けで、コンディションが100には戻ってなさそうですけど、まずはお手並み拝見ですね。

それにしても藤本、勝手に「高木3兄弟ー中野ー井上」の黒髪系譜ではなく、「河野ー小林祐希ー南」の茶髪系譜に位置づけられるパターンと思い込んでいましたが、壮行セレモニーに流れたビデオを見る限り、一貫して黒髪(多少の茶色は入っているにしても)ですし、スピーチではカンペを棒読みするのではなく、訥々と自分の言葉を紡ぎながら、感謝を表現していましたので、本当は前者の系譜だったのかも。ただ、訥々と言葉を選びながらも、次から次へと言葉が湧き出てくるタイプでもなさそうなので、言葉の面で壁にぶつからないよう祈るばかりです。

 

□試合展開

試合について、前半の戦いを端的に言いあらわすなら、「まずは一進一退」といった感じだったでしょうか。互いに志向するところの片鱗は見せつつも、十全には表現できていない感じ。ということで、ハーフタイムに積極的な動きを見せたのは東京Vの永井監督。アンカーを山本から藤田に交代。そうすると、確かに中盤でのリズムは良くなった。繰り返すこのジョエリズムですね。

とはいえ灼熱の戦いということもあり、徐々に両チームともトーンダウンしていく。KINCHOの夏、日本の夏、これもJリーグの風物詩。試合は終盤に「こういうときのためにVAがあります」という案件のPKで決勝点を挙げた琉球が9分のアディショナルタイムを凌いで勝ち点3を獲得しました。ヴェルディとしては後味の悪いPKでしたが、この時節柄です、サポーターはブーイングしちゃいけません。

 

キャラ変〜FC東京vs鳥栖(8/1)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

□試合前

FC東京というか、味の素スタジアムの城下町といえば飛田給ではなく調布。コロナでない状況で、「飲んで帰ろう」となれば、いったん調布にいく。混雑するので国領や仙川の鳥貴族に行くという選択肢もある。それはともあれ、その調布の再開発が止まらないのですよ。ジャマな踏切が地下での立体交差になって、地上部分の再開発がひとしきり完成に近づいている。

それはそれで結構なのですが、なんかね、パルコが歪んでいるんですよ。もちろんピサの斜塔みたく物理的に歪んでいるわけではないのですが、再開発前の調布に馴染んだ身として、駅前のランドマークがパルコ。線路を挟んだ向こう側がグリーンホール。駅出口とパルコの位置関係で調布の地図イメージを作っていた。でも、もはや、「改札でたら、ドンっとパルコ」でなくなったので、駅前の風景が全体的に歪んで見えてしまうのです。

 

□両チームの現状

え〜と、FC東京ですね。スタートダッシュ的には可もなく不可もなく、いかにもFC東京らしい平常運転。なんですけど、東が故障離脱しちゃいましたね。それから橋本がロシアに飛び立った。U23がリーグ参加を辞退したので、三田も含めて、駒数が足りないということはないと思うんですが、職人的な働きのできる選手が不足していますね。今シーズン、ブラジル人トリオの個を日本人選手の献身が支えるというイメージでチーム作りしてきたと思いますが、そこの部分で献身性担当が足りないかもしれません。

一方の鳥栖ですが、なんか『101回目のプロポーズ』状態。武田鉄矢浅野温子を好きになって、結婚指輪(婚約指輪だったかも)まで買って、でもいったんフラれて仕事も指輪も捨ててしまって、「もう、ボクには何もありませんよ」と浅野温子に問いかけた名シーン。鳥栖の社長さん、たぶん、現在、こういう感じですよね。ただ、武田鉄矢はそれでも、いや、それだからこそ浅野温子と結ばれた。きっと鳥栖も「僕は死にましぇ〜ん‼」ってなるのでしょう。

 

□ピッチ上の両チーム

さて、オンザピッチ。FC東京は442なのか433なのか定まりきっていない今シーズン。この試合では、一応、433だったんでしょうか。高萩アンカーの。ただ、流れのなかで、守備を整えていると、なぜかディエゴオリベイラがセンターサークルにいることも多くて、ほぼ中盤ダイヤモンドの442に見えるような時間帯も多かった。ほんの少しだけ、立ち位置だけみればヴェルディっぽかったりもする。哲学は正反対だけど。

アウェイの鳥栖は、こちらも433なのか442なのかって感じですが、442だったでしょうか。サッカーの内容ですが、ちょいと前『フットブレイン』で岡田武史さんが「中央突破を抑制して、サイドアタックばっかりやってれば、カウンターをうけないから、勝つんですよね(未来がないけど)」みたいなことを言ってて、この試合の鳥栖は、まさにそんな感じ。サイドから攻めてシュートで終わるを愚直に追求してました。

 

□注目点

ワタクシ、高萩のことが好きだったりします。好きと言ってもそういう意味ではなく、と中学生みたいなことを言ってしまう程度には好きです。そんな高萩、年々、長谷川監督の序列が下がっている模様。おそらくそれは、年々高萩が家長化していることと関係があるのでしょう。尤ももともと高萩は家長と雰囲気が似ている。一方、家長は年々家長化している。それゆえ、家長の家長化に比例して、高萩も家長化しているように思うのです。

家長化とは、一言でいうと「舐め腐った悠然」。ボールを取られないという自信があるからか、家長って、他の選手と違う競技をしているのかってくらい、ゆっくりとプレーする。それが年々、より顕著になってる。高萩も、そういうタイプ。ただ、家長と違って高萩はボールを失うんですよね。それから、相手に飛び込む気力を失せさせてしまうようなオーラというか、凄みも違う。三田の序列をみても長谷川監督は、家長系のプレーへの評価点が高くなさそう。東や橋本みたいに、キビキビ走り続けるってことが求められるんでしょうけど、さすがにキャラ変も簡単じゃないと思われますので、なんにせよ、もう一発奮しておくれ。

 

□試合展開

試合としては、比較的スコアが動く試合でした。まず試合を動かしたのは、鳥栖の若武者・石井。鳥栖は数撃ちゃ当たる的に攻めてましたが、昔の人というのは人生の真理を付いた格言を残すもんですね。数撃ちゃ当たるんです。とはいえ、FC東京も黙っていたない。レアンドロが、「えっ! そこからそのコースに蹴って決めてしまうの⁈」ってフリーキックを放り込んで同点に追い付く。ただ、鳥栖はこれまた若武者な森下が練習でも決まらないようねミドルを突き刺して、リードを奪い返す。そんな前半戦でございました。

後半もスコアの動く展開は続きます。まずは鳥栖がデザインされたセットプレーから東京を突き放します。で、そのまま鳥栖は逃げ切りモード。FC東京は総攻撃。両チーム合わせて9人の選手交代が繰り返されるなか、終盤、「いやん、高丘、困っちゃう〜」みたいなゴールでFC東京が1点差に追い上げながらも、決定的なシーンでのシュートミスも重なって、鳥栖に逃げ切りを許しました。

 

 

渡邊新の真価とは。〜東京Vvs新潟(7/29)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

□試合前

ワタクシの記憶が定かならば(『料理の鉄人』の鹿賀丈史風)、東京都立川市といえば、今世紀初頭に繰り広げられたFC東京東京Vによる多摩地区争奪戦において、いち早くヴェルディ領化した自治体だったように思うのですが、現在はどうなんですかね。ってなわけで、試合前に久しぶりに立川へと立ち寄ってきました。「グリーンスプリングス」なるニュースポットへ、夕食がてら。

それにしても立川の開発が止まらない。思わず「止まらない柏♪」と口ずさみたくなるくらい止まらない立川。イケアとかなんと、ここ10年くらいで次から次へと駅前が再開発されていく。それだけ再開発できる土地が余っているということですが、ここで勘違いしてはならないのが、立川に土地が余っているのは、田舎だからではなく、米軍をはじめとする軍用地銀座であったから。返還されて、一つ一つ丁寧に再開発している印象を抱きながら南武線から京王線に乗り継いで飛田給を目指します。

 

□両チームの現状

対戦する両チームについて、ホームの東京Vは、さほど負けてないのですよね。もはや昨シーズンと思って差し支えない開幕の徳島戦と、絶好調時の大宮、この2試合です。まあ、7戦して2敗ですから、悪くはない(良くもない)。にもかかわらず14位。引き分けが「3」と少し多い。ちなみに引き分けが一つ勝利であれば、8位。そこまで極端にジャンプアップするわけではないですね。まあ、7戦2勝の順位ということです。

アウェイの新潟は、ワタクシ的には予想外の好調。今年も含むここ数年のトレンドとして、攻撃サッカーを志向する戦術家タイプの欧州系指揮官を迎えると、けっこう苦労する印象が強い。そのなかで5位に付けているのは、まずは素晴らしい。しかも3ー3で引き分けたり、3ー5で負けたりのバカ試合をやらかしたからと思いきや、ここ2戦はスコアレスドローとウノゼロ勝利ですからね。比較的、修正能力の高い、柔軟なタイプの指揮官なのかもしれません。

 

□ピッチ上の両チーム

さて、キックオフ。東京Vは例によって井出がISHで、井上潮音がウイングという左サイドコンビ。これって、どういうことかというと、一般的には配球役がボールを持つと、それを外から追い越していく。で、そちらに気をとられてスペースができるとインナーラップを繰り出していくってのがパターンですが、この組み合わせだと、まずインナーラップありきで、それを補う手段としてSBの大外オーバーラップが位置づけられることになる。いうなれば、「インナーラップの構造化」ともいえる現象が発生するのですね。面白い試みですが対策されてからどうするかが気になるところです。

対する新潟、ボールを持たれるものと予想していてのですが、存外、そんなこともなく。尤もそれは「ポゼッションで負けていない」というより、「相手にポゼッションさせない」という部分が優れていたから。永井さんが志向するのは、大きく言えばポジショナルサッカーで、多くの場合、ポジショナルサッカーは攻撃における優位性をポジショニングで作り出そうとするもの。それに対し新潟はポジショニングによって守備での優位性を作っていた。「ポジショナルディフェンス」という造語を作りたくなるスタイルでした。

 

□注目点

5人交代制になってから、まだまだ慣れないですが、少しずつその楽しみ方もわかりつつあります。それを実感させてくれたのが、この試合の新潟の選手交代。同時に3枚替えしてきたのですが、そのうち2枚はファビオとシルビーニョという、言わば飛び道具。ただ、3枚目に選ばれたのが、いぶし銀・島田というのが心憎い。攻守のバランスを考えるというのは用兵の常套ですが、オーガナイズのバランスも整えるというのは良いですね。

で、前線で先発した選手のうち、ピッチに残さたのは中島と渡邊新。中島についてはレンタルされてすぐですので、いわば、「お手並み拝見」的な要素もあったのかもしれませんが、渡邊新については期待されているというか、アルベルト監督のサッカーにおける戦術的なキーマンなのでしょうか。正直、ボールを持ってからのプレー選択にハズレが多かったような気もするのですが…

 

□試合展開

試合の方は、ポジショナルな攻撃を、ポジショナルな守備で受け止める、詰め将棋のような展開でハーフタイムを迎えましたが、「おっかしいなぁ、こんなはずじゃないんだけどなぁ」って焦れていたのはヴェルディの方ではなかろうか。メンタル的な充実感は新潟にあったと思われる前半戦でした。

後半に入るとヴェルディはそれなりに微修正に成功した、「まんまとパスカットされる」というシーンは激減しましたが、両チームともにこの試合では決定力を欠いたため、詰め将棋状態は続く。そのなかでスコアを動かしたのはヴェルディコーナーキックに高橋がヘッドで合わせます。で、そこからは往年のヴェルディらしい、“舐め腐った(褒め言葉)”逃げ切りモードにはいるのですが、ロスタイムに決壊。ロングスローから、件の渡邊新が足を振り抜いて同点に追いつきました。…渡邊新、ワンタッチゴーラーということか?

 

“映える”試合〜東京ヴェルディvsヴァンフォーレ甲府(7/15)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

有観客試合ですね。都内では感染者が多く出ているので、いろいろ躊躇するところが全くないわけではないのですが、都内から都内への移動ですし、ここは堂々と。ということで、渋谷から井の頭線、明大前から京王線に乗り継ぎます。15年ほど前までは毎日乗っていた京王線。もはや、「区間急行」の意味がさっぱりわからない。「この電車はつつじが丘あたりで準特急に抜かされるのか?」なんて疑問を抱えながら調布で途中下車。常に『孤独のグルメ』状態なので、勝手にソーシャルディスタンスは守られるし、飛沫が飛んでくるようなシチュエーションも全く発生しないっつうわけで、怯まず外食。「CAFE BunS」で軽食を済ませます。調布が誇るモツ焼きの一大勢力「い志井」系列のアメリカンダイナー風カフェ。ミックスピザは貫禄のクオリティでございました。

 

□両チームの現状

試合に先立って両チームの状況を確認すると、まず東京ヴェルディは監督が永井さんですね。志向するスタイルが風間さんとかぶる印象があります。その割に風間さんほどはアンチにストーキングされていないような気もする。「出る杭は打たれる」と言いますが、 永井さんの場合、まだ「出る」に至っていないということでしょうか。あるいは、現役の頃から太客なタニマチがスポンサーにいることで有名ですが、そちら方向からのゴリ押しがありそうな雰囲気も仄かに漂う。そういう意味では風間さんというよりも秋田さんとかラモスさんに近いのか?

対するヴァンフォーレ甲府の監督は伊藤彰さん。佐久間さんがフロントの実質的トップだけあって完璧なアルディージャ閥。別に閨閥が自動的に悪いわけではないので、手腕で評価したい。では、その評価はどうか。この試合では随分と大胆なターンオーバーをしてきました。まずは、その胆力に花束を。それもこれも今シーズン無敗の進軍を続けている余裕でしょうか。まあ、無敗の進軍といっても、1勝3分の勝ち点6なのですが、悪くないの範疇に入るところに付けています。

 

□ピッチ上の両チーム

試合が始まって、まず思ったのは、ヴェルディ、意外と秩序があるぞ。もっと「最後は1対1ですから」とか、「止める蹴るが完璧なら守備なんてする必要ないわけですから」みたいなポジションレスアナーキーになるのかと思っていたら、ちゃんと各人に持ち場は割り振られている模様。守備でも、きっちり532のブロックを作ってましたし(途中から4321で4-3ブロックになったかも)。

対峙するこの日の甲府は、山本英臣リベロで先発していました。ホント、鉄人ですね。中盤をやってたのは15年くらい前なんでしょうけど、いまだ、元中盤らしくボールを持ち出して、ダイナミックな配球ができるので、思わず「お前は長谷部誠か!」とツッコミたくなる。それから、ポゼッション率で圧倒されることは織り込み済みだったでしょうから、そういう時のディフェンスリーダーには焦れない強さが求められる。そこの部分でも、豊富な経験が生かされていました。

 

□注目点

この試合で注目されたのは、藤田譲瑠チマ。なんか、藤田譲瑠チマ、「ジョエル」という響きの持つ「なんかわからんけど、かっこいい」感と、「チマ」という響きの持つ、どことなく脱力的なラブリーさ、そのアンバランスに心を奪われる。そんな長谷川アーリアジャスール、じゃなくて藤田譲瑠チマ、途中からピッチに入ってきた甲府の宮崎・アジアの・純真(一瞬、宮崎幾笑かと勘違いした)と謎のグータッチを交わしました。

アプリ版エルゴラ選手名鑑をチェックしたところ、譲瑠ジャスールの一個上でFC多摩出身とあった。アーリアチマはヴェルディの下部組織出身なんで東京都多摩地区出身の可能性も十分にある。同じ小学校に通っていたご近所さんとか、そういう関係か?必然的に最寄り駅は京王永山とか京王多摩センター、意表を突いて唐木田、ワンチャン若葉台、みたいな。

 

□試合展開

試合はたくさんゴールが生まれる展開でした。まず、序盤からインサイドに流れずアウトで辛抱しながら虎視眈々とペナルティエリアを伺っていた井上潮音の我慢が報われるゴールでヴェルディが先制すると、甲府もサクッとコーナーキックに合わせた今津の一発で追いつく。

後半に入るとさらに試合は加速して、たぶん森田か誰かのスルーパスに抜け出した小池の折り返しを井上潮音がこの日2点目を決める。ケチャドバ状態になったヴェルディは、前半から「ゴール決めたい病」でもんどり打ってい井出がようやく決めて突き放すと、前半から「攻撃参加したい病」でのたうち回っていた若狭がダメ押しゴール。でも甲府甲府で、ハーフナー・マイクの落としからの流れで山田陸が押し込んで差を縮める。

ただし、甲府の追撃もそこまでで、まあ、ヴェルディの完勝といった内容でしたね。ポゼッション率で圧倒するのはいつものことですけど、ここに、人間のバイオリズムばりに気まぐれな「決定力」というマレビトがマッチすると、それはそれは“映える”試合になるってもの。7月半ばとは思えぬ肌寒さでしたが、試合は寒くなかったです。

 

 

ジェフへの期待感と柏の貫禄〜ちばぎんカップ(2/9)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

前日のゼロックススーパーカップに続いて、日曜日はちばぎんカップです。「ちばぎんカップ」「エッセルスーパーカップ」「翔んだカップ(ル)」が世界三大カップなんでしたっけ?

ともあれ千葉には少し期待感があります。なんせ、新監督がユンジヨンファン。スパルタで有名な新指揮官が沼にはまり続けているジェフを引きずり上げられるか。代名詞ともいえる朝練の成果が発揮されれば、ジャンプアップも夢ではない。ちなみに山登り朝練、千葉の場合は鋸山にでも登ったんですかね⁇

対する柏は円熟のネルシーニョ2年目。ネルシーニョネルシーニョでスパルタなイメージがありますね。昔々はラモス瑠偉と対立して、ラモスはさっさと京都に逃げていった、みたいなこともありました。そんなネルシーニョ、神戸では少しミソが付いてしまったものの、柏での成績については、まさに「信頼と実績」。なお、「ミソが付いてしまった」といえば、菊池大介。今シーズンは福岡へレンタルだそうですが、湘南の若大将も、浦和や柏では上手くいかなかったですね〜。フィジカル的な問題を抱えているとか、スランプとかでなければ、じきに復活するでしょうけど。

 

 

さて、千葉のスタメンとフォーメーションを眺めていると、オーソドックスな442なのですが、ハンパない適材適所感。クレーベと船山のツートップとか、アンドリューと田口のWボランチ、左右のSBが安田と米倉あんどーそーおん。面白かったのは左SHにレフティの堀米が入って、右SHが右利きの田坂だったことでしょうか。順足の美学といいますか、「SHは折り返しを入れる人」という役割分担が明確です。

対する柏は、4231かなと眺めていたのですが、自由に動き回る江坂の位置次第ってところもあって、彼が高い位置にいれば442っぽくなる。低い位置にボールをもらいにいくことも多かったですし、ヒシャルジソンと三原が縦関係っぽかったので、433に見える時間帯が一番長かったように思えなくもない。ただ、そうはいってもクリスティアーノと瀬川の立ち位置も非対称なんで、まあ、よくわかりません。

 

 

この日はメインスタンドで見ていたこともあって、特に後半の最初の方はジェフ左サイドの躍動に目を奪われました。なかなか殻を破れない印象もある堀米が、何度となく単独突破で推進力を見せつけると、それをフォローするのは安田理大。ユンさんのもとでどこまで絞ってくるかが注目されましたが、絞りきったって感じではなかったですかね。キレも“キレッキレ”ってほどでもなく。まあ、「もともと、あれくらいの感じだよ」と言われると、あれくらいの感じなのかも。

一方の柏で注目されたのは中盤。三原が良いですね〜。攻守において、とにかく必要なところに顔を出す感じ。カウンターの危険を察知すれば、そこを潰し、最終ラインがビルドアップに苦労していたら、パスコースを作ってあげる。ネルシーニョが寵愛する理由が伝わりました。それからヒシャルジソン。何が凄いって、体幹の強さ。熊谷アンドリューを引きずり回した上に吹っ飛ばしてましたからね、すんごかったです。

 

 

試合展開は「オルンガがおるんが!」と言わんばかりの挨拶代わり弾でレイソルが先制すると、続けざまにクリスティアーノが角度のないところから追加点をねじ込んでリードが広がります。このあたりは貫禄の差ですかね。もちろん、まだまだジェフのリトリート戦術が構築中っていところもあるんでしょうけど、それ以上に、「オルンガとクリスティアーノの個人技にやられちゃったら、もはやそれは致し方ない!」って感じかもしれませんね。「あんなん、ズルいやん!」ていう話。

ハーフタイムにはジェフ側から羽生直剛レイソル側から岡山一成がピッチゲストとして登場。「期待のベンチメンバーは?」と聞かれてしどろもどろになった岡山さんが発した、「2ー0というのは、サッカーにおいて最もスリリングな点差なんで、後半に期待です!」という言葉に胸をときめかして迎えた後半でしたが、スコアが動くようなことはなく、柏がJ1としての沽券を示しました。

 

 

試合が終わってからは京葉線越中島、歩いて門前仲町。まだ明るい時間だったので、その途中にある「カフェ・デザールピコ」でコーヒーを飲む。どちらかと言えば豆の販売に力を入れている雰囲気の店だけあって、味はとても美味しかったですね。くそ寒い中、暖を求めて入った店でアイスコーヒーを頼むという暴挙に出たのですが、一片の悔いなし。

https://cafe-pico.com/

そこから飲んで帰ろうとしたところ、さすがは下町。多くの飲み屋は日曜日休業。お腹もすいていたので、ラーメン屋でちょい飲みすることに。訪れた店は「支那そば晴弘」。とりあえず生中。そりゃ旨い。つまみはさしあたり餃子を頼む。これも旨い。〆にチャーシュー麺。うん、…うん、うんうん、いわゆる中華そば。不味くはない。もちろん。普通に旨い。というか、普通の中華そば。団塊の世代が昭和を懐かしんですする、あのラーメンのお味ですな。

https://tabelog.com/tokyo/A1313/A131303/13008015/