たぶん世田谷のが絶対値が高かった〜スフィーダ世田谷vsFC十文字ベントス(9/20)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

□試合前

この日も試合前には都内を散策したりして。ワタクシが大学生だった頃、京王相模原線ユーザーだったのですが、ごく稀に「大島行き」というのがありました(「東大島行き」だったかも)。それ以来、ワタクシの憧れの場所、それが江東区大島。一帯は都営住宅タウンなのですね。で、団地の一角に「おがわ」という蕎麦屋があったので入ってみた。高度成長期からバブル期にかけて開発された公団には、だいたい蕎麦屋があります(ありました)、増田屋的な。

メニューを眺めた結果、「ざる蕎麦と親子丼のセット」をオーダー。食べてみて、「あれ⁈美味しいぞ」と。「むむ、美味しいぞ」でも、「おぉ、美味しいぞ」でもなく、「あれ⁈美味しいぞ」。大袈裟に本格派感が前面に押し寄せてくるとか、そういうのではなく、言うなれば、食堂のカレーがメッチャ美味しかったときの感動です。お昼とはいえ蕎麦屋ですから、もちろん瓶ビールも頼みます。最近は、夜に飲むなら生ビール、昼に食べ物屋で飲むのは瓶ビールって感じになってきました。チビチビお茶代わりに飲めるのが良いのです。ってのを満喫してから都営新宿線京王線飛田給を目指しました。

 

□ピッチ上の両チーム

女子サッカーで、しかも2部とくれば、今ひとつどう見れば良いか難しい。女子サッカーってそういうものだったようなきもするし、この試合固有の特性だったのかもしれませんが、前半はスフィーダが相手陣内で守備をしている時間が長かった。攻撃しているのではない、プレスをかけているのです。だけどボールは相手陣内。攻撃については、手数は少なめ。でもシンプルにシュートまでやりきる、そんな感じでしたっけね。

逆に十文字は、スフィーダのハイプレスに四苦八苦。マイボールになっても、なかなか前を向けない。剥がせない。いわゆる“ビルドアップ”が不全状態。とはいえスタイルはあって、「ツートップに相手の裏を取らせて、サイドを走らせよう」という狙いは一貫していたように思います。そこから人数をかけるのか、少ない手数でシュートにいきたいのかは、よくわかりませんでしたが。

 

□注目点

女子サッカーにほ、男子ではなかなか見かけないプレーがありますよね。例えば、キーパーの図上を越えてゴールネットに吸い込まれていく、フンワリとしたロングシュート。まず、男子と比べてキック力がないので、ロングシュートが山なりになってしまう。では、そんなロングシュートに意味がないかと言うとそうではなくて、キーパーはキーパーで、サイズも小さいし、ジャンプ力も男子よりは劣るので、そういう山なりシュートでも決まるのですよね。で、こういう光景を見て、「男子と違ってレベルが低い」と感じるのか、「これこれで、男子とは違った面白さがあるな」と感じるかで、女子サッカーという(男子サッカーとは異なる)競技を楽しめるかどうかが分かれるのかな、などと考えた次第です。

 

□試合展開

試合はわりとスコアが動きました。早い時間帯にスフィーダが9番のヘディングシュートで先制します。サイドからのクロスに奇麗にあわせたのですが、女子としては9番のジャンプの滞空時間がかなり長かったような。スフィーダはさらに畳みかけショートカウンターから11番が押し込んで2点目。そこからはしばらく試合が落ち着いて、十文字も少しずつスフィーダのプレスをかいくぐれるようになってきた。そんな前半終了間際、コーナーからの流れで10番がファインショット。前半だけでスフィーダが3ー0としました。その前からバーやらポストやら直撃3連発だったので、必然のゴールとも言えます。

後半に入ってもスフィーダの攻勢は続き、コーナーキック地獄に十文字を追い込むと、連続何本目かCKからヘディングシュート。クリアしようとした十文字の選手がヘディングにヘディングをかぶせて、オウンゴールとなりました。ただ十文字もここから意地を見せ、ぐりぐり右から突破して最後は左ハーフの11番が決めて一矢報いると、さらに11番の選手がドリブルでスフィーダ守備陣を切り裂き2点差に追い上げます。しかし、後半も前半同様、終了間際のセットプレーでスフィーダが十文字を突き放し、そのまま完勝となりました。

 

□試合後

この試合の後は、お隣の味スタでFC東京戦。とはいえ3時間も間が空くので、いったん調布に引き上げます。以前に入ろうとして勇気がでなかった「潤」という喫茶店に突撃。やはり、齢も四十(しじゅう)を越えると、若者で賑わうフラペチーノ屋さんよりも、落ち着いた純喫茶を好むようになるのですよ。

東京には、なんだかんだで多くの商店街が残っていて、商店街が残っていれば純喫茶の一つや二つは健在だったりします。ちなみに「潤」がある商店街の名前は「調布銀座」という。この「〇〇銀座」という響きの持つ絶妙な(いい意味で)ウラブレ感(←褒め言葉)、たまらないですよね。フロアのお姉さん(と表現しておく)の愛想も素敵で、いまさら調布にお気に入りのお店が出来てしまったよ。

 

熱かったのか暑かったのか、どちらでもなかったのか〜町田vs磐田(8/19)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

□試合前

コロナ禍もとどまることを知らず、超厳戒態勢が続いております。例によって「不要不急の都県境を越える移動は控えましょう」が継続していて、Jリーグ観戦も原則その線。……「都道府県」というのは行政の枠組み、経済流通の枠組みとは、本質的に異なるもの。病院を用意するのは行政だから「都県境を越えるな」と言わざるをえないわけですけど、人の流れはそれとは別の論理で形成されている。ってのを最も実感するのが町田ですね。東京都民が都県境を越えることなく、どうやって東京都町田市に行けと言うのだ?

正解を教えます。まず小田急線は使えません。思いっきり神奈川県を通過します。京王相模原線も駄目です。稲田堤のあたりが神奈川県です。なので、まず京王線聖蹟桜ヶ丘高幡不動に向かって下さい。そこからバスなりモノレールで多摩センターに行って、で、無料シャトルバスです。都心から町田に都県境を越えずに行くのは、これしかないと思われます。

 

□両チームの現状

壮大な遠回りの末、辿り着いたは野津田公園。町田ギオンスタジアムをホームとする町田を率いているのは、今年からポポビッチ。第1次相馬政権→第1次ホポビッチ政権をトレースするように第2次相馬政権→第2次ポポビッチ政権。…ということは、ホポビッチが退任した後には、その頃にはフリーになっているに違いない、ヘディングの鬼と呼ばれたあの漢の第2次政権なのか? ともあれ、現状の町田を評価するなら「良くはない」といったところでしょうか。

乗り込んできたのはジュビロ磐田。昨シーズン途中からフベロさんが率いています。昨シーズンは名波さんが勤続疲労を起こし、跡を継いだ鈴木秀人がハチャメチャなことになって、絶望感に包まれているなか、多少ながらも希望を持てるチームにしたというので、それなりに評価されていますけど、ワタクシ的には、結局のところ降格させましたし、半信半疑。ということで、今シーズンを注視しているのですが、、、やっぱり半信半疑。決して良くはないですよね。シーズン、まだ先は長いですけど。

 

□ピッチ上の両チーム

何はともあれ大切なのは、いま現在どんなサッカーをやっているのか、ということ。ポポさん率いる町田は、ワンタッチ、ツータッチのパスをリズミカルに繋いでいこうというスタイル。ただ、いわゆる“ポゼッションスタイル”かというとそうではなくて、リスクを冒しすぎず、最小手数でカタチを作りましょう、という感じ。個人では安藤瑞季が良かったですね。前線でカラダを張ったり、裏抜けダッシュを繰り返したり、いかにもCFといったプレースタイルで。

対する磐田ですが、3バックでしたね。10代の鈴木を抜擢し、「伊藤とどちらがCBで、どちらがボランチなのかな?」と考えていたら両方ともがCBだったというオチ。サッカーの内容は少しわかりづらかった。だってフィールドプレーヤー10人のうち7人が黄色とオレンジの、同じデザインのスパイクなんですもん。スタジアムの観戦環境も相まって、誰が誰だかサッパリわかりゃしない。

 

□注目点

この試合で際立っていたのは伊藤洋輝の左足ですね。大型ボランチとして将来を嘱望されてきただけあって、キックの質はDFではなく、MFのそれ。糸を引くような弾道のロングパスはイチローのレーザービームを彷彿とさせる。しかも回転が綺麗ということでしょうか、受け手にとっても鬼パスになってないっぽいんですよね。この選手が最終ラインからゲームメイクできるのは、とても大きい。

もちろんこのポジションで使われている以上、本職は守備。その守備でも大きな穴はみせていなかったのみならず、キックが上手いから、クリアも綺麗。遠藤保仁なんかもそうなんですが、しっかりミートしてクリアするから、安心して見ていられる。ひょっとして、3バックの左CBというのは、この選手の天職なのではなかろうか。ボランチや4バックのCBも対応できるポリバレント性も加味すると、おそらく3421で挑むであろう五輪代表には打ってつけの存在かと思われます。

 

□試合展開

試合は…荒れました。荒れたといっても乱打戦になったという意味ではなく、レフェリーのジャッジが不安定だったのか、両チームの選手のバイオリズム的なあれこれの巡り合わせなのか、とにかくヒートアップする場面が多かった。それに伴ってポポビッチ監督の声も大音量になっていく。いや、これについては審判のジャッジ云々とは無関係に、そもそもポポさんが激情的なだけかもしれません。にしても声のボリュームが尋常じゃないよな〜。

ハーフタイムを挟むと両チームとも落ち着きを取り戻し、丁々発止は収まりましたが、スコア的にも落ち着きまくってしまいます。大勢としては磐田が押し込んでいたわけです。でも、決定機がたくさんあったかというとそうでもない。むしろ時間の経過とともに町田のカウンターが鋭さを増し、決定機の数、決定機の決定機感については町田の方が得点に近づいた。でも、決まらないんですよねぇ。となれば、どうなるか? そう、スコアレスドローになるのです。という一戦でした。

 

 

藤本寛也の壮行試合〜東京Vvs琉球(8/8)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

□試合前

え〜、都内にはですね、かつて都立図書館が三カ所あったのですね。日比谷、広尾、それから立川。そのうち日比谷の図書館は都立ではなくなって、ときどき図書館で調べ事をしてるフリして、涼みながら居眠りしたくなるワタクシとしては、まれに広尾の都立中央図書館に行くことがあります。

ただ、多摩の図書館には、そうそう行かない。というよりも、20年ほど行ってない。20年前は聖蹟桜ヶ丘に住んでいて、しかも大学生だったので、卒論云々とかで多摩図書館に行くことはあった。で、この日、久々に調べ事をしてるフリして(以下略)のため、わざわざウェブ予約して多摩図書館に行ってきた。多摩図書館、リニューアルして、もはや立川にはない。西国分寺にある。建物はピッカピカ。でも、閉架資料を借り出すときに、紙カードを預けて、返却とともに返してもらってっていうシステムは平成のまま。なんか、懐かしかったぞ。

 

□両チームの現状

東京Vについては、再開以来、ずっと一貫して「まあまあ」ですよね。ときどき、「永井サッカーは浸透に時間がかかる」なんて言われたりもします。その言葉の裏側には「浸透すれば、一気に駆け上がる(に違いない)」という期待が込められているかと思われますが、なんとなく、浸透したところで、ずっと「まあまあ」のままになるのではないかとの危惧もなくはない。風間さん時代の名古屋とか、大木さん時代の岐阜みたいに。

アウェイの琉球も、あまり絶好調という感じではないですね。というか「低空飛行」。尤も、苦戦はある程度予想されたことでもある。戦力的にも、昨シーズンは這々の体で残留したところですし、ただでさえ振興策が模索される経済状態の中で、高原のところとか複数のクラブが、限られたリソース、僅かなパイを奪い合っていて、そこに昨今の流行病。観光産業が占める比重が高いお土地柄だけに、これは厳しい。来シーズンも含めて、ベテラン監督たる樋口さんの手腕で、なんとかサバイバルを果たしてもらいたいところ。

 

□ピッチ上の両チーム

毎度毎度、思うのですが、東京Vって、『エルゴラッソ』なんかではゼロトップっぽくフォーメーションが表記されたりもするのですが、言うほどゼロトップじゃないですよね。スタンドからは明確なワントップに見えます。また、立ち位置は中盤逆三角形の433ってことになってますが、守備時はインサイドが攻め残ってウイングが下がたりするので瞬間的にクリスマスツリーになったりもする。

対する琉球ですが、風間宏矢はセントラルのユーティリティというイメージがあったのでボランチかトップ下だと思っていたら、右のハーフで起用されていました。逆に右のハーフかと思っていた山口和樹がボランチで、その山口和樹の相方が上里でした。高卒でルーキーイヤーから活躍しているので大々ベテランっぽく感じるのですが、まだ33歳かぁ。この選手の出場数もヤバいですよね。15年間、コンスタントに試合に出続けているので、普通に500試合出場とか達成してしまいそう。

 

□注目点

この試合の注目は、なんといっても藤本寛也でしょう。ポルトガルのジル・ヴィセンテFCに移籍する壮行試合ですからね。藤本については、大ケガをしていたこともあって、「J2では、もはや格が違うね!」って地位を築いたわけではないかと思いますが、安西とか中島翔哉とか、ポルトガルでは「安心安全のヴェルディユースブランド」が定着しているということでしょうか。まだまだケガ明けで、コンディションが100には戻ってなさそうですけど、まずはお手並み拝見ですね。

それにしても藤本、勝手に「高木3兄弟ー中野ー井上」の黒髪系譜ではなく、「河野ー小林祐希ー南」の茶髪系譜に位置づけられるパターンと思い込んでいましたが、壮行セレモニーに流れたビデオを見る限り、一貫して黒髪(多少の茶色は入っているにしても)ですし、スピーチではカンペを棒読みするのではなく、訥々と自分の言葉を紡ぎながら、感謝を表現していましたので、本当は前者の系譜だったのかも。ただ、訥々と言葉を選びながらも、次から次へと言葉が湧き出てくるタイプでもなさそうなので、言葉の面で壁にぶつからないよう祈るばかりです。

 

□試合展開

試合について、前半の戦いを端的に言いあらわすなら、「まずは一進一退」といった感じだったでしょうか。互いに志向するところの片鱗は見せつつも、十全には表現できていない感じ。ということで、ハーフタイムに積極的な動きを見せたのは東京Vの永井監督。アンカーを山本から藤田に交代。そうすると、確かに中盤でのリズムは良くなった。繰り返すこのジョエリズムですね。

とはいえ灼熱の戦いということもあり、徐々に両チームともトーンダウンしていく。KINCHOの夏、日本の夏、これもJリーグの風物詩。試合は終盤に「こういうときのためにVAがあります」という案件のPKで決勝点を挙げた琉球が9分のアディショナルタイムを凌いで勝ち点3を獲得しました。ヴェルディとしては後味の悪いPKでしたが、この時節柄です、サポーターはブーイングしちゃいけません。

 

キャラ変〜FC東京vs鳥栖(8/1)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

□試合前

FC東京というか、味の素スタジアムの城下町といえば飛田給ではなく調布。コロナでない状況で、「飲んで帰ろう」となれば、いったん調布にいく。混雑するので国領や仙川の鳥貴族に行くという選択肢もある。それはともあれ、その調布の再開発が止まらないのですよ。ジャマな踏切が地下での立体交差になって、地上部分の再開発がひとしきり完成に近づいている。

それはそれで結構なのですが、なんかね、パルコが歪んでいるんですよ。もちろんピサの斜塔みたく物理的に歪んでいるわけではないのですが、再開発前の調布に馴染んだ身として、駅前のランドマークがパルコ。線路を挟んだ向こう側がグリーンホール。駅出口とパルコの位置関係で調布の地図イメージを作っていた。でも、もはや、「改札でたら、ドンっとパルコ」でなくなったので、駅前の風景が全体的に歪んで見えてしまうのです。

 

□両チームの現状

え〜と、FC東京ですね。スタートダッシュ的には可もなく不可もなく、いかにもFC東京らしい平常運転。なんですけど、東が故障離脱しちゃいましたね。それから橋本がロシアに飛び立った。U23がリーグ参加を辞退したので、三田も含めて、駒数が足りないということはないと思うんですが、職人的な働きのできる選手が不足していますね。今シーズン、ブラジル人トリオの個を日本人選手の献身が支えるというイメージでチーム作りしてきたと思いますが、そこの部分で献身性担当が足りないかもしれません。

一方の鳥栖ですが、なんか『101回目のプロポーズ』状態。武田鉄矢浅野温子を好きになって、結婚指輪(婚約指輪だったかも)まで買って、でもいったんフラれて仕事も指輪も捨ててしまって、「もう、ボクには何もありませんよ」と浅野温子に問いかけた名シーン。鳥栖の社長さん、たぶん、現在、こういう感じですよね。ただ、武田鉄矢はそれでも、いや、それだからこそ浅野温子と結ばれた。きっと鳥栖も「僕は死にましぇ〜ん‼」ってなるのでしょう。

 

□ピッチ上の両チーム

さて、オンザピッチ。FC東京は442なのか433なのか定まりきっていない今シーズン。この試合では、一応、433だったんでしょうか。高萩アンカーの。ただ、流れのなかで、守備を整えていると、なぜかディエゴオリベイラがセンターサークルにいることも多くて、ほぼ中盤ダイヤモンドの442に見えるような時間帯も多かった。ほんの少しだけ、立ち位置だけみればヴェルディっぽかったりもする。哲学は正反対だけど。

アウェイの鳥栖は、こちらも433なのか442なのかって感じですが、442だったでしょうか。サッカーの内容ですが、ちょいと前『フットブレイン』で岡田武史さんが「中央突破を抑制して、サイドアタックばっかりやってれば、カウンターをうけないから、勝つんですよね(未来がないけど)」みたいなことを言ってて、この試合の鳥栖は、まさにそんな感じ。サイドから攻めてシュートで終わるを愚直に追求してました。

 

□注目点

ワタクシ、高萩のことが好きだったりします。好きと言ってもそういう意味ではなく、と中学生みたいなことを言ってしまう程度には好きです。そんな高萩、年々、長谷川監督の序列が下がっている模様。おそらくそれは、年々高萩が家長化していることと関係があるのでしょう。尤ももともと高萩は家長と雰囲気が似ている。一方、家長は年々家長化している。それゆえ、家長の家長化に比例して、高萩も家長化しているように思うのです。

家長化とは、一言でいうと「舐め腐った悠然」。ボールを取られないという自信があるからか、家長って、他の選手と違う競技をしているのかってくらい、ゆっくりとプレーする。それが年々、より顕著になってる。高萩も、そういうタイプ。ただ、家長と違って高萩はボールを失うんですよね。それから、相手に飛び込む気力を失せさせてしまうようなオーラというか、凄みも違う。三田の序列をみても長谷川監督は、家長系のプレーへの評価点が高くなさそう。東や橋本みたいに、キビキビ走り続けるってことが求められるんでしょうけど、さすがにキャラ変も簡単じゃないと思われますので、なんにせよ、もう一発奮しておくれ。

 

□試合展開

試合としては、比較的スコアが動く試合でした。まず試合を動かしたのは、鳥栖の若武者・石井。鳥栖は数撃ちゃ当たる的に攻めてましたが、昔の人というのは人生の真理を付いた格言を残すもんですね。数撃ちゃ当たるんです。とはいえ、FC東京も黙っていたない。レアンドロが、「えっ! そこからそのコースに蹴って決めてしまうの⁈」ってフリーキックを放り込んで同点に追い付く。ただ、鳥栖はこれまた若武者な森下が練習でも決まらないようねミドルを突き刺して、リードを奪い返す。そんな前半戦でございました。

後半もスコアの動く展開は続きます。まずは鳥栖がデザインされたセットプレーから東京を突き放します。で、そのまま鳥栖は逃げ切りモード。FC東京は総攻撃。両チーム合わせて9人の選手交代が繰り返されるなか、終盤、「いやん、高丘、困っちゃう〜」みたいなゴールでFC東京が1点差に追い上げながらも、決定的なシーンでのシュートミスも重なって、鳥栖に逃げ切りを許しました。

 

 

渡邊新の真価とは。〜東京Vvs新潟(7/29)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

□試合前

ワタクシの記憶が定かならば(『料理の鉄人』の鹿賀丈史風)、東京都立川市といえば、今世紀初頭に繰り広げられたFC東京東京Vによる多摩地区争奪戦において、いち早くヴェルディ領化した自治体だったように思うのですが、現在はどうなんですかね。ってなわけで、試合前に久しぶりに立川へと立ち寄ってきました。「グリーンスプリングス」なるニュースポットへ、夕食がてら。

それにしても立川の開発が止まらない。思わず「止まらない柏♪」と口ずさみたくなるくらい止まらない立川。イケアとかなんと、ここ10年くらいで次から次へと駅前が再開発されていく。それだけ再開発できる土地が余っているということですが、ここで勘違いしてはならないのが、立川に土地が余っているのは、田舎だからではなく、米軍をはじめとする軍用地銀座であったから。返還されて、一つ一つ丁寧に再開発している印象を抱きながら南武線から京王線に乗り継いで飛田給を目指します。

 

□両チームの現状

対戦する両チームについて、ホームの東京Vは、さほど負けてないのですよね。もはや昨シーズンと思って差し支えない開幕の徳島戦と、絶好調時の大宮、この2試合です。まあ、7戦して2敗ですから、悪くはない(良くもない)。にもかかわらず14位。引き分けが「3」と少し多い。ちなみに引き分けが一つ勝利であれば、8位。そこまで極端にジャンプアップするわけではないですね。まあ、7戦2勝の順位ということです。

アウェイの新潟は、ワタクシ的には予想外の好調。今年も含むここ数年のトレンドとして、攻撃サッカーを志向する戦術家タイプの欧州系指揮官を迎えると、けっこう苦労する印象が強い。そのなかで5位に付けているのは、まずは素晴らしい。しかも3ー3で引き分けたり、3ー5で負けたりのバカ試合をやらかしたからと思いきや、ここ2戦はスコアレスドローとウノゼロ勝利ですからね。比較的、修正能力の高い、柔軟なタイプの指揮官なのかもしれません。

 

□ピッチ上の両チーム

さて、キックオフ。東京Vは例によって井出がISHで、井上潮音がウイングという左サイドコンビ。これって、どういうことかというと、一般的には配球役がボールを持つと、それを外から追い越していく。で、そちらに気をとられてスペースができるとインナーラップを繰り出していくってのがパターンですが、この組み合わせだと、まずインナーラップありきで、それを補う手段としてSBの大外オーバーラップが位置づけられることになる。いうなれば、「インナーラップの構造化」ともいえる現象が発生するのですね。面白い試みですが対策されてからどうするかが気になるところです。

対する新潟、ボールを持たれるものと予想していてのですが、存外、そんなこともなく。尤もそれは「ポゼッションで負けていない」というより、「相手にポゼッションさせない」という部分が優れていたから。永井さんが志向するのは、大きく言えばポジショナルサッカーで、多くの場合、ポジショナルサッカーは攻撃における優位性をポジショニングで作り出そうとするもの。それに対し新潟はポジショニングによって守備での優位性を作っていた。「ポジショナルディフェンス」という造語を作りたくなるスタイルでした。

 

□注目点

5人交代制になってから、まだまだ慣れないですが、少しずつその楽しみ方もわかりつつあります。それを実感させてくれたのが、この試合の新潟の選手交代。同時に3枚替えしてきたのですが、そのうち2枚はファビオとシルビーニョという、言わば飛び道具。ただ、3枚目に選ばれたのが、いぶし銀・島田というのが心憎い。攻守のバランスを考えるというのは用兵の常套ですが、オーガナイズのバランスも整えるというのは良いですね。

で、前線で先発した選手のうち、ピッチに残さたのは中島と渡邊新。中島についてはレンタルされてすぐですので、いわば、「お手並み拝見」的な要素もあったのかもしれませんが、渡邊新については期待されているというか、アルベルト監督のサッカーにおける戦術的なキーマンなのでしょうか。正直、ボールを持ってからのプレー選択にハズレが多かったような気もするのですが…

 

□試合展開

試合の方は、ポジショナルな攻撃を、ポジショナルな守備で受け止める、詰め将棋のような展開でハーフタイムを迎えましたが、「おっかしいなぁ、こんなはずじゃないんだけどなぁ」って焦れていたのはヴェルディの方ではなかろうか。メンタル的な充実感は新潟にあったと思われる前半戦でした。

後半に入るとヴェルディはそれなりに微修正に成功した、「まんまとパスカットされる」というシーンは激減しましたが、両チームともにこの試合では決定力を欠いたため、詰め将棋状態は続く。そのなかでスコアを動かしたのはヴェルディコーナーキックに高橋がヘッドで合わせます。で、そこからは往年のヴェルディらしい、“舐め腐った(褒め言葉)”逃げ切りモードにはいるのですが、ロスタイムに決壊。ロングスローから、件の渡邊新が足を振り抜いて同点に追いつきました。…渡邊新、ワンタッチゴーラーということか?

 

“映える”試合〜東京ヴェルディvsヴァンフォーレ甲府(7/15)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

有観客試合ですね。都内では感染者が多く出ているので、いろいろ躊躇するところが全くないわけではないのですが、都内から都内への移動ですし、ここは堂々と。ということで、渋谷から井の頭線、明大前から京王線に乗り継ぎます。15年ほど前までは毎日乗っていた京王線。もはや、「区間急行」の意味がさっぱりわからない。「この電車はつつじが丘あたりで準特急に抜かされるのか?」なんて疑問を抱えながら調布で途中下車。常に『孤独のグルメ』状態なので、勝手にソーシャルディスタンスは守られるし、飛沫が飛んでくるようなシチュエーションも全く発生しないっつうわけで、怯まず外食。「CAFE BunS」で軽食を済ませます。調布が誇るモツ焼きの一大勢力「い志井」系列のアメリカンダイナー風カフェ。ミックスピザは貫禄のクオリティでございました。

 

□両チームの現状

試合に先立って両チームの状況を確認すると、まず東京ヴェルディは監督が永井さんですね。志向するスタイルが風間さんとかぶる印象があります。その割に風間さんほどはアンチにストーキングされていないような気もする。「出る杭は打たれる」と言いますが、 永井さんの場合、まだ「出る」に至っていないということでしょうか。あるいは、現役の頃から太客なタニマチがスポンサーにいることで有名ですが、そちら方向からのゴリ押しがありそうな雰囲気も仄かに漂う。そういう意味では風間さんというよりも秋田さんとかラモスさんに近いのか?

対するヴァンフォーレ甲府の監督は伊藤彰さん。佐久間さんがフロントの実質的トップだけあって完璧なアルディージャ閥。別に閨閥が自動的に悪いわけではないので、手腕で評価したい。では、その評価はどうか。この試合では随分と大胆なターンオーバーをしてきました。まずは、その胆力に花束を。それもこれも今シーズン無敗の進軍を続けている余裕でしょうか。まあ、無敗の進軍といっても、1勝3分の勝ち点6なのですが、悪くないの範疇に入るところに付けています。

 

□ピッチ上の両チーム

試合が始まって、まず思ったのは、ヴェルディ、意外と秩序があるぞ。もっと「最後は1対1ですから」とか、「止める蹴るが完璧なら守備なんてする必要ないわけですから」みたいなポジションレスアナーキーになるのかと思っていたら、ちゃんと各人に持ち場は割り振られている模様。守備でも、きっちり532のブロックを作ってましたし(途中から4321で4-3ブロックになったかも)。

対峙するこの日の甲府は、山本英臣リベロで先発していました。ホント、鉄人ですね。中盤をやってたのは15年くらい前なんでしょうけど、いまだ、元中盤らしくボールを持ち出して、ダイナミックな配球ができるので、思わず「お前は長谷部誠か!」とツッコミたくなる。それから、ポゼッション率で圧倒されることは織り込み済みだったでしょうから、そういう時のディフェンスリーダーには焦れない強さが求められる。そこの部分でも、豊富な経験が生かされていました。

 

□注目点

この試合で注目されたのは、藤田譲瑠チマ。なんか、藤田譲瑠チマ、「ジョエル」という響きの持つ「なんかわからんけど、かっこいい」感と、「チマ」という響きの持つ、どことなく脱力的なラブリーさ、そのアンバランスに心を奪われる。そんな長谷川アーリアジャスール、じゃなくて藤田譲瑠チマ、途中からピッチに入ってきた甲府の宮崎・アジアの・純真(一瞬、宮崎幾笑かと勘違いした)と謎のグータッチを交わしました。

アプリ版エルゴラ選手名鑑をチェックしたところ、譲瑠ジャスールの一個上でFC多摩出身とあった。アーリアチマはヴェルディの下部組織出身なんで東京都多摩地区出身の可能性も十分にある。同じ小学校に通っていたご近所さんとか、そういう関係か?必然的に最寄り駅は京王永山とか京王多摩センター、意表を突いて唐木田、ワンチャン若葉台、みたいな。

 

□試合展開

試合はたくさんゴールが生まれる展開でした。まず、序盤からインサイドに流れずアウトで辛抱しながら虎視眈々とペナルティエリアを伺っていた井上潮音の我慢が報われるゴールでヴェルディが先制すると、甲府もサクッとコーナーキックに合わせた今津の一発で追いつく。

後半に入るとさらに試合は加速して、たぶん森田か誰かのスルーパスに抜け出した小池の折り返しを井上潮音がこの日2点目を決める。ケチャドバ状態になったヴェルディは、前半から「ゴール決めたい病」でもんどり打ってい井出がようやく決めて突き放すと、前半から「攻撃参加したい病」でのたうち回っていた若狭がダメ押しゴール。でも甲府甲府で、ハーフナー・マイクの落としからの流れで山田陸が押し込んで差を縮める。

ただし、甲府の追撃もそこまでで、まあ、ヴェルディの完勝といった内容でしたね。ポゼッション率で圧倒するのはいつものことですけど、ここに、人間のバイオリズムばりに気まぐれな「決定力」というマレビトがマッチすると、それはそれは“映える”試合になるってもの。7月半ばとは思えぬ肌寒さでしたが、試合は寒くなかったです。

 

 

ジェフへの期待感と柏の貫禄〜ちばぎんカップ(2/9)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

前日のゼロックススーパーカップに続いて、日曜日はちばぎんカップです。「ちばぎんカップ」「エッセルスーパーカップ」「翔んだカップ(ル)」が世界三大カップなんでしたっけ?

ともあれ千葉には少し期待感があります。なんせ、新監督がユンジヨンファン。スパルタで有名な新指揮官が沼にはまり続けているジェフを引きずり上げられるか。代名詞ともいえる朝練の成果が発揮されれば、ジャンプアップも夢ではない。ちなみに山登り朝練、千葉の場合は鋸山にでも登ったんですかね⁇

対する柏は円熟のネルシーニョ2年目。ネルシーニョネルシーニョでスパルタなイメージがありますね。昔々はラモス瑠偉と対立して、ラモスはさっさと京都に逃げていった、みたいなこともありました。そんなネルシーニョ、神戸では少しミソが付いてしまったものの、柏での成績については、まさに「信頼と実績」。なお、「ミソが付いてしまった」といえば、菊池大介。今シーズンは福岡へレンタルだそうですが、湘南の若大将も、浦和や柏では上手くいかなかったですね〜。フィジカル的な問題を抱えているとか、スランプとかでなければ、じきに復活するでしょうけど。

 

 

さて、千葉のスタメンとフォーメーションを眺めていると、オーソドックスな442なのですが、ハンパない適材適所感。クレーベと船山のツートップとか、アンドリューと田口のWボランチ、左右のSBが安田と米倉あんどーそーおん。面白かったのは左SHにレフティの堀米が入って、右SHが右利きの田坂だったことでしょうか。順足の美学といいますか、「SHは折り返しを入れる人」という役割分担が明確です。

対する柏は、4231かなと眺めていたのですが、自由に動き回る江坂の位置次第ってところもあって、彼が高い位置にいれば442っぽくなる。低い位置にボールをもらいにいくことも多かったですし、ヒシャルジソンと三原が縦関係っぽかったので、433に見える時間帯が一番長かったように思えなくもない。ただ、そうはいってもクリスティアーノと瀬川の立ち位置も非対称なんで、まあ、よくわかりません。

 

 

この日はメインスタンドで見ていたこともあって、特に後半の最初の方はジェフ左サイドの躍動に目を奪われました。なかなか殻を破れない印象もある堀米が、何度となく単独突破で推進力を見せつけると、それをフォローするのは安田理大。ユンさんのもとでどこまで絞ってくるかが注目されましたが、絞りきったって感じではなかったですかね。キレも“キレッキレ”ってほどでもなく。まあ、「もともと、あれくらいの感じだよ」と言われると、あれくらいの感じなのかも。

一方の柏で注目されたのは中盤。三原が良いですね〜。攻守において、とにかく必要なところに顔を出す感じ。カウンターの危険を察知すれば、そこを潰し、最終ラインがビルドアップに苦労していたら、パスコースを作ってあげる。ネルシーニョが寵愛する理由が伝わりました。それからヒシャルジソン。何が凄いって、体幹の強さ。熊谷アンドリューを引きずり回した上に吹っ飛ばしてましたからね、すんごかったです。

 

 

試合展開は「オルンガがおるんが!」と言わんばかりの挨拶代わり弾でレイソルが先制すると、続けざまにクリスティアーノが角度のないところから追加点をねじ込んでリードが広がります。このあたりは貫禄の差ですかね。もちろん、まだまだジェフのリトリート戦術が構築中っていところもあるんでしょうけど、それ以上に、「オルンガとクリスティアーノの個人技にやられちゃったら、もはやそれは致し方ない!」って感じかもしれませんね。「あんなん、ズルいやん!」ていう話。

ハーフタイムにはジェフ側から羽生直剛レイソル側から岡山一成がピッチゲストとして登場。「期待のベンチメンバーは?」と聞かれてしどろもどろになった岡山さんが発した、「2ー0というのは、サッカーにおいて最もスリリングな点差なんで、後半に期待です!」という言葉に胸をときめかして迎えた後半でしたが、スコアが動くようなことはなく、柏がJ1としての沽券を示しました。

 

 

試合が終わってからは京葉線越中島、歩いて門前仲町。まだ明るい時間だったので、その途中にある「カフェ・デザールピコ」でコーヒーを飲む。どちらかと言えば豆の販売に力を入れている雰囲気の店だけあって、味はとても美味しかったですね。くそ寒い中、暖を求めて入った店でアイスコーヒーを頼むという暴挙に出たのですが、一片の悔いなし。

https://cafe-pico.com/

そこから飲んで帰ろうとしたところ、さすがは下町。多くの飲み屋は日曜日休業。お腹もすいていたので、ラーメン屋でちょい飲みすることに。訪れた店は「支那そば晴弘」。とりあえず生中。そりゃ旨い。つまみはさしあたり餃子を頼む。これも旨い。〆にチャーシュー麺。うん、…うん、うんうん、いわゆる中華そば。不味くはない。もちろん。普通に旨い。というか、普通の中華そば。団塊の世代が昭和を懐かしんですする、あのラーメンのお味ですな。

https://tabelog.com/tokyo/A1313/A131303/13008015/

 

スーパースルーパスに反応したグダグダPK戦〜横浜FMvs神戸(2/8)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

いよいよ2020シーズンも目の前に。というわけで、ゼロックススーパーカップへ。前座試合はパスして本番から参加したのですが、前座試合、知らないうちに、「ユース選抜vs高体連選抜」じゃなくなったんですね。まあ、構造的に「ユース2年生選抜vs高体連3年生選抜」にならざるをえなかったので、賢明な判断といえば賢明な判断。

そんなわけで午前中は散歩もかねて門前仲町をフラフラと。下町、厳密には川向かい、要するに深川、現代風に言えば江東区って、歴史を感じさせてくれて、散策にはとても良いですよね。清々(きよきよ←イジリネタとしては、古っ!)しい気持ちになりながら、お昼ご飯。カフェ飯です。「リコプラス」というお洒落で清潔なカフェで、これでもかっ!ってくらいの種類に調理されたブロッコリーの小皿をアレコレ食べて、自家製(だと思う)のパンを食べて、マロは、もう、幸せじゃぞ。

 

https://tabelog.com/tokyo/A1313/A131303/13176930/

 

 

さて、両チームについてですが、まず横浜FMですけど、仙頭啓矢は?前貴之は?ってな感じ。2人ともベンチにも入れず。まあ、水曜日のACLにはターンオーバーして出てくるんでしょうけど、頼むから、どこぞのミシャの岩崎への対応みたいなことはしないでね、ポステコさん!

前貴之は…今ひとつ前寛之との区別がつかないのでWikipediaで調べたところ、貴重な「Jリーグ・アンダー22選抜」での出場キャップがある選手とのこと。頑張っていただきたい。

 

対する神戸は…そりゃ、もう「アンドレース!」ですよ。去年も横浜FMvs神戸を見て、その時はビジャ以外のVIPお二人はお休み。今回もイニエスタが出るとか、出ないとか、とにかく情報が錯綜していて、「ひょっとしてこのまま生イニエスタを見ることなく終わってしまうのかな」とさえ覚悟していたので、南北線の中でスタメンを確認したときには、小さくガッツポーズですよ、。アンドレース!そして、アンドレース‼ アンドレスフォーエバー!サンキューフォーマイアンドレス‼

 

 

この日のピッチ内のデザインを確認すると、マリノスは、『エルゴラッソ』などで表記されるように4231でなく4213。日産の鳥瞰ではよく分からずとも、埼スタだと、さすがは専スタだけあって、しっかりと把握できる。確かに仲川とエリキはマルコス・ジュニオールではなくオナイウと同じ高さにいる時間が長い。

もう一つマリノスで興味深かったのは、ボランチのボールの受けどころ。真正ボランチの喜田と扇原も、エセボランチと同じようにハーフスペースでボールを受けることが多いのですね。

 

一方の神戸は、見れば見るほどブンデスみたいなサッカー。まず、無駄に繋ぎすぎない。割り切って逃げるところは雑なロングキックで逃げる。こういうところの合理的判断は日本人が苦手とするところなので見習わなければならない。

それから攻撃におけるテンションのメリハリが凄い。全ての攻撃において全身全霊でゴールを目指すような非合理的なことはしない。状況が整ったときだけ一気呵成。これまた、日本人が苦手とするところなので見習いたいところですね。

 

 

この試合で注目されたのは、アンカー対決ですかね。神戸にはサンペール、横浜FMには扇原というアンカータイプのゲームメイカーがいて、シャビ・アロンソが大好きだったワタクシのテンションはだだ上がり。どちらかといえば扇原の方が目立っていた印象です。

そしてもう一つはGK対決。飯倉vs朴ですね。飯倉については古巣対決なんで、その時点で注目なんですけど、飯倉を追いやった朴も飯倉と同じスタイルを身につけて凌駕したからこそレギュラー奪取したわけなんで、両チームゴール前とも、とにかくGKがアグレッシブ。今どきノイアーだってそこまで極端にペナルティエリアをお留守にしないぞ!ってくらいの外回り・出張が序盤からひたすら繰り返されていた。それぞれ、相応の副作用の甘受を余儀なくされたわけですが。

 

試合展開は、まずアンドレスのスーパースルーパスに反応したドウグラスが決めたゴールで幕開け。その後、両GK劇場が取り交わされる。まずアグレッシブに飛び出した朴が相手アタッカーと交錯したこぼれ球をマルクスジュニオールが押し込んだゴールで横浜FMが追いつくと、飯倉のアグレッシブさを前提とした不用意なバックパスを古橋がかっさらって、再び神戸がリードする。これらの1点ずつが、先に述べた「相応の副作用の甘受」ですね。

しばらく「このまま神戸かな〜」って雰囲気になったのですが、そんなワタクシの心のエアポケットが神戸守備陣にも伝染したらしく、左サイドからなんとなくクロスを入れられてしまい、それをエリキ(と思いきや扇原)が決めて同点。ここから、どことなくグダグダ感が仄かに蔓延しだし、横浜FMは低い位置での繋ぎミス連発した挙げ句、イニエスタのスーパースルーパス(その2)によって山口蛍の勝ち越しゴールを献上。神戸は神戸でカウンターからあっさり仲川の突破を許し、その折り返しをさらに折り返した遠藤のラストパスをエリキに決められて3ー3に。そしてグダグダはPK戦でも収まらず、9人続けて外すというなかなかの光景が繰り広げられた結果、神戸が天皇杯に続くタイトルを獲得しました。

ドラマチック〜ルヴァンカップ決勝(10/26)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

ルヴァンカップ決勝でございます。生観戦は何年ぶりかな? まあ、楽しみ。どちらかというとチャレンジャーの立場で決勝の舞台に立つのが札幌。浦和退任後、フリーになっていたミシャを一本釣りして、成績が高止まり状態。野々村さん的にはミシャの浦和退任は「渡りに船」って感じだったと思われますが、ワタクシにとって、札幌の決勝進出が「渡りに船」。今シーズンはなかなか札幌戦との相性が良くなくて、生観戦する機会がなかったのです。「もしや日帰り札幌ドーム⁈」とかも考えていたので、ホント、渡りに船。

そんな札幌を待ち構える壁、それが川崎フロンターレ。まあ、ルヴァンの決勝はフロンターレにとっても高い壁ではあるので、どちらも壁への挑戦なわけですが。思い出すなあ、ガム…。森……。ともあれフロンターレについても今シーズンは天皇杯の明治戦しか見てないので、この大舞台で改めて観戦できるのは、渡りに船っちゃ、渡りに船。なんだかんだでリーグ戦は苦戦してますが、この成績で「苦戦」と言われるのだから、さすがは王者。

 

そんな王者川崎を向こうに回した札幌ですが、ミシャ軍団は怯んだりなんてしない。アタックを仕掛けます。攻守において札幌のキーマンとなっていたのは、ジェイとチャナティップ。この二人にボールが入ると、簡単には失わない。だから守備も体勢を立て直せる。そして、この二人には展開力もあるから、ウイングバック鈴木武蔵も信じて走ることができる。はまったときの攻撃は、とても痛快でした。

対する川崎はスロースターターなんですかね。この試合だけなのか、最近はそんな感じなのか、じっくり相手を見極めようとする序盤。その間に先制点を奪われてしまったのだから、「試合巧者、ウイニングメンタリティに溺れる」みたいなことになりかけました。鹿島やブラジルみたいに序盤を見極める時間にするなら、もう少しセーフティファーストに、例えば大きく蹴るってことを増やすとか、そういう感じでも良いのかな、なんて思ったりもする。パスサッカーのDNAがそれを許さないのかもしれませんが。

 

ともあれ、先制したのは札幌。右サイドからのクロスが抜けて、最後は大外でフリーになっていた菅が豪快なダイレクトボレーを叩き込みました。もう少しミートが綺麗だったら完全にウイニングイレブン状態でしたね。そこからは川崎が攻めまくります。バーやらポストやらに直撃させまくります。なかなかゴールラインを割れませんでしたが、前半のロスタイム、ラストプレーのコーナーキックからの流れで阿部が蹴り込み、前半のうちに同点となりました。

後半に入ると少しずつ札幌がカウンターをしかけることが増えていきます。そしてさらに勢いを加速させるべくミシャ監督はアンロペ(アンデルソンロペス)とルーフェル(ルーカスフェルナンデス)を投入。負けじと鬼木監督は切り札としてとっておいた中村憲剛と小林を続けざまにピッチに送り込みます。しかも、その小林が勝ち越しゴールを決める。これで勝負は決まったかな、と思いきや、後半ラストプレーのコーナーキックで札幌が追いつく。カップ戦の決勝らしくドラマチックです。

 

延長戦に入ると、試合はさらにドラマチックに。チャナティップがカウンターから爆走すると、谷口が決死のディフェンス。イエローカードが提示され、フリーキックの準備をしていると、VAR発動。決定的なレッドカードはVARの対象ということで、谷口へのカードは赤色に変わり川崎は1人少ない状態に。しかも、それだけにとどまらず、直後のフリーキックを福森に決められます。まさに悪魔の左足。これ以上ない“恩返し”で川崎を奈落の底に突き落とします。1人少なくて、さらにリードされる。さすがの川崎も絶体絶命に。

それでも、まだまだドラマチックは終わらない。いや、ロマンティックが止まらない。胸が胸が苦しっくなる〜♪(苦しくなる)。コーナーキックからの混戦、最後は再び小林悠。千両役者というか、なんというか。正直、中村憲剛小林悠が入ってから、リズムとしては少し微妙になったところもあったのですが、それでも決めるときは決める。

 

そんなわけで、試合はとうとうPK戦。いやぁ、一喜一憂ですね〜。正直、テレビや録画で見るときは、PK戦に突入したら、後は見ないのですね。「公式記録的には引き分けでしょ!」ってのもあるし、「サッカーの醍醐味はそこじゃない気がするし」ってもあって。でも、生でPK戦を見ると、やっぱり、そこに勝ち負けのドラマがあるし、サッカーの醍醐味ではないかもしれないけれども、勝敗の醍醐味はあるんだなぁと強く感じた次第です。

で、そのPK戦でヒーローになったのが新井。いつの間にやらチョン・ソンリョンからレギュラーを奪ったいぶし銀。スタンドのフロンターレサポーターのなかには、「新井〜」ではなく「新井さん」って叫ぶ面々も少なからず。メインスタンドにいて、音響が微妙でジョン川平のインタビューが聞きづらかったのですが、なんとも愛らしい表情が素晴らしかったです。ちなみにメインスタンドにいるとセレブレーションもよく見えないってことに、今更ながら気づきました。

 

あと少し〜千葉vs徳島(9/22)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

千葉も徳島もスペイン語やらポルトガル語やらを母国語とする指揮官に、同じような時期から率いられるようになって、ともに「理念や哲学には一目置くべきものがある」との定評を得つつも、「でも、言うほど結果が伴っているわけではないよね」ってところが共通していたりします。

そのうち、先に大ナタがふるわれたのが千葉。まあ、白米ってのは、古代の出挙米の論理に端的なように、「神の恵み」そのものですからね、いくら科学的裏付けがあるといっても、日本人に「白米禁止!」って言うのはヨーロッパ人に「ミサに行ってもサッカーは上手くならない。時間のムダで、非科学的だから、ミサ参加禁止!」って一方的に押し付けるようなもの。そりゃ、結果も出ないし、求心力も維持できないってものです。

千葉の悲劇は、早めに劇薬投下したにもかかわらず、その後も低空飛行が続いてるところ。神戸の吉田前監督もそうですが、第一次政権が悪くなかったにもかかわらず、座を追われ、そして再招聘された元レジェンドな監督って、二次政権で評価を落としてしまう傾向にあるような。

 

 

この日の午前中は千葉駅界隈を散策してました。厳密には「京成千葉駅」ですかね。いろいろ地図を見ていると、京成線はかなり近い距離感で「千葉中央駅」「京成千葉駅」「新千葉駅」が軒を連ねている。この3つの駅を徒歩で移動してみれば、千葉駅界隈の秩序がなんとなく理解できるのではなかろうかと、散策してみた。もちろん、ランチも食べるわけで、チョイスしたのは千葉中央駅近くの「宗庵」という豚骨ラーメン屋さん。背脂が特徴的ですが、大局的には王道の豚骨ラーメン。おいしかったですよ。

ちなみに千葉駅近辺に密集してドミナント展開しているのは京成の駅だけではなく、QBハウスも同様。自慢じゃないですが、ワタクシ、QBハウスが今ほど市民権を得ていない頃から、おそらく少なくとも15年近くはQBハウスのヘビーユーザーです。というかQBハウス以外のどこで髪を切れば良いかがもはやわからない。この日も千葉駅界隈にいくつもある選択肢のなかからペリエ駅ナカ店でサッパリしてもらいました。

 

ってなことでキックオフ。千葉の先発ラインナップを眺めていると、ベテラン選手とか、ボランチもこなせる選手が多いですね。こういうパターンって、あまり良い印象がない。というのも、ベンチが確固たる羅針盤を持たないまま、「あとはピッチで解決してくれ」と丸投げした場合に発生しがちだから。攻守に気が利いてバランス感覚であったり戦術眼に優れている選手って、ベテランかボランチだったりすることが多い。なので、そういう選手が多く起用されているときは、少し怪しいのです。

対する徳島は3421で両WBに杉本と岸本が起用されていました。どちらも元々はストライカータイプですよね。日本代表に例えるなら宮市(あるいは原口)と伊東純也が両WBで起用されているようなイメージなので、相当に攻撃的です。そんなわけなんで、攻撃時に5トップになって、自動的に5レーンも作れてしまう。ただ、5レーンが作れることと、「適切な距離感で三角形ができる」ことは、必ずしもイコールではないらしい。

 

ともあれ、攻撃的な両WBですから、千葉としても突きどころは明確。特に岸本の裏なスペースを何度も為田が攻略していました。突破してからの工夫に物足りなさはありましたけど、総じて千葉がイニシアチブを握る。徳島のカウンターも含めて前半からゴール前での迫力溢れる展開が繰り広げられ、その中で徳島がPKを献上。クレーベがしっかり決めて、千葉リードでハーフタイムを迎えました。

後半も概ね千葉が試合をコントロール。そのままリードを維持しつつカウンターの質を上げるべくゲリアを投入し米倉を1列上げる。徳島は徳島で藤田征也を右WBとして投入し、岸本をトップにスライドさせます。それでもスコアは動かずバイスを前線に上げてパワープレーモード。その一気呵成が実って藤田が殊勲の同点ゴールを決めて、ドロー決着に持ち込みました。

 

それにしても徳島の攻撃サッカーは面白いですね。特に実質5トップに加えて6人目の男として内田が突撃してくると、がぜんセクシーさが増します。そのような総攻撃サッカーを支えているのがボランチ陣のバランス感覚。いつもいつも思うのですが、岩尾って本当に良い選手ですよね。突き抜けたパンチに欠けるとはいえ、パスの正確性、視野の広さ、プレー選択の適切さ、それからポジショニングのバランス感覚。いつ見ても惚れ惚れします。

徳島の攻撃サッカーで惜しむらくは、抽象的になりますが、擬音にして“ポンポン感”が不足しているんですよね。ほぼ必ず「ボランチ→WB→折り返し」という手続きを踏むので、カウンターなんかで、「最小タッチ数でシュートまで」という動きが整備されていない。なんか、“一辺倒”感を否めないというかメリハリが不足しているというか。藤田の同点ゴールは、サイドアタックではありましたが、縦抜けのところで勝負を付けていて、そういう縦へのチェンジオブペースが加わると、昇格も見えてくるのではないでしょうか。