良かったり、良くなかったり〜清水vs松本(8/10)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

清水と松本って、「なんかキャラがかぶるなぁ」と感じていたのですが、キャラかぶりの背景がわかりました。松本空港と富士山空港ですよ。どちらも、「確かに地元の人が飛行機に乗ろうとしたら、無いと不便なんだろうけど、どこまで需要があるんだ?」ってところが似ている。その微妙な感じというのは、東京と名古屋の中間点だからこそ発生する微妙さ。ドラマ「白線流し」の最終話で、群像のそれぞれが東京へ、名古屋へと旅立って行った、あのイメージですね。

東京に住んでいると、ついついJRの論理が身に付いてしまうので、信州は関東圏感が強くて、静岡は東海圏色が濃い。ただ、静岡といっても伊豆はもはや関東。だけど、ここに「武田信玄」という要素を1枚噛ませると、途端に完全同一キャラになって、戦国時代は山梨県の属国ですよね。これを言えば一発で世代がバレますが、ワタクシが生まれて初めてしっかりと通して見た大河ドラマ中井貴一の「武田信玄」でございました。今宵はここまでに致しとうござりまする。

 

せっかく清水を訪ねたのだからと、この日は三保の松原まで足を延ばしてみました。すったもんだあって、どうにかこうにか世界遺産にねじ込んだ三保の松原です。戦後の日本って外交下手というかロビー活動とかができない国だったんですけど、三保の松原世界遺産にねじ込んだあたりから、そのあたりは諸外国並みになりましたね。

ただ、この日はあいにく富士山が失踪中で行方不明でした。どこの警察署に捜索願いを出せば良いんですかね? というか、富士山のヤツ、あれだけでっかい図体をしているくせにシャイ過ぎません? 明るい時間に新幹線に乗ったとしても、見えたことより見えなかったことの方が多い気がする。もう少しサービス精神を持っても良いような。昔、王貞治は「自分は消化試合であったとしても、絶対に手抜きはしない。なぜならば、こっちにとっては消化試合でも、スタンドには、もしかしたら、この試合がその人にとって最初で最後のプロ野球観戦になるって観客がいるかもしれない。そう考えると手抜きなんてできるわけがない」と答えたそうな。富士山にも王さんの爪の垢を煎じて飲ませたいところです。

 

ともあれ試合です。清水は北川の抜けた穴をどうするか、が少し不安視されていたのですが、杞憂だった模様。しょんないのダンナこと河井がトップ下にスポッと収まってます。“トップ下”と聞くと礒貝(元ガンバ)や大野(元レイソル)みたいな王様ファンタジスタを思い浮かべるのですが、河井は違いますね。要するにリンクマン。プロ野球でたとえるなら、30年前の巨人での岡崎郁や、20年前のロッテでのサブローみたいな、繋ぎの4番がときどきあらわれますよね、河井もそんなイメージです。

アウェイの松本は順位のわりには、内容は相当に良いサッカーをしてます。堂々と正面から渡り合ってます。特に目をひいたのが前線での守備。いわゆる“ハイプレス”と違って、陣地回復したあとは相手にクリアさせずにコーナーキック蟻地獄に引き込むような、そういう守備が素晴らしかったです。ついでにセルジーニョの技術も素晴らしかったです。

 

ただ、素晴らしくないものもあって、それはGK守田のキャッチング。コーナーキックを思いっきりポロリしてドウグラスの先制ゴールを献上してしまいました。「お前は80年代に大磯ロングビーチでやっていた女だらけの水泳大会か‼」とツッコまずにはいられない。そんな前半の戦いでございました。ちなみに、先制ゴールの後も基本的にはイーブンの応酬だったかと思われます。

後半に入ると松本は宮阪を投入してポゼッションを高めます。が、かえってこれが清水の試合運びを容易にしたかもしれません。45分間(+7分)を通じて清水がゲームをコントロールできていたと思います。ある程度、松本にボールを持たせながら、ドウグラスを中心としたカウンターを繰り出しつつ、危なげなく試合をクロージングさせた清水の完勝となりました。

 

試合を通じて印象に残った選手は2人。どちらも清水ですが、1人はヘナト・アウグスト。この選手は良いですね〜。まず、フィジカルが安定している。それから読みが良い。とても良い。なので、あらゆるプレーが 淀みないのです。どこにでも顔を出しますし、1対1でやられるそとはない、というか、そもそも1対1になったときにはすでに有利な状況を作り出している、みたいな。いかにも鹿島が好きそうな“王国のボランチ”。清水的には流失を全力で予防しなければならないでしょう。

逆に「あれ⁈ もっと魅力的な選手じゃなかったっけ?」との印象を拭えなかったのが金子。なんというか、突貫不足なんですよ。この選手を初めて見たのは、栃木にレンタルされていたとき。そのときの印象が鮮烈で、ガムシャラというか、突貫小僧というか。きっと、「この選手は関口訓充みたいなキャリアを重ねていくのかな?」とか思っていたのですよ。それなりに円熟味を増して、プレーの幅が広がっても、本質の部分はギラギラ全開の突貫小僧、みたいな。金子には、もっともっと猪突猛進して欲しいなぁ。

 

だから、暑すぎるってば〜FC東京U23vs鳥取(8/4)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

日曜日は、ワタクシ心のホームスタジアムこと西が丘。アウェイチームとして乗り込んできたのはガイナーレ鳥取です。去年は森岡さんが率いていたのですが失脚して今年は高木理己体制。なんとも懐かしい‘高木理己’。森岡さんも、一見、クレバーなのですが、まあ、正直、結果論的に述べれば失敗しがちなパターンですよね。反町さんとかがナチュラルボーンなインテリなのに対して、森岡さんには清水宏保とか須藤元気みたいな、後付けというか、付け焼き刃的なインテリ臭を感じる。BSとかの解説を聞いていると、さほど中味のない内容を延々と喋っていて、とにかく話が長い。要点を押さえて話すのではなく、自分の頭の中味を説明文的に順番にダラダラ話しつづける感じで、「こっちはサッカーが見たいのであって、あなたのウンチク自慢を聞きたいわけではない!」ってなっちゃう。

 

この日の午前中は久々に浅草に出かけてみた。すっかりインバウンドが増えましたねえ。昨今の緊迫する外交関係の影響を受けない国々の方々が多く訪ねております。もちろん日本人も多い。いつの間に、あそこの通りには‘ホッピー通り’という名前が付いていたんだ?いわゆる六区ブロードウェイを闊歩してみたら、伝説のお店こと「捕鯨船」を発見したり、なんやかんやしつつも、雑踏に疲れたので、田原町駅やら合羽橋やら、そっち方面に遁避してご飯やさんを見つける。「餃子会館 浅草店」。餃子ですから無条件に美味しいわけですよ。加えて、いかにも‘おかあさん’みたいな女将の接客に安心感が溢れていて、居心地が良かったっす。その前日に行った店では、一見した風体だけで判断すると「歌舞伎町の用心棒」みたいな店長らしき兄ちゃんがドスを利かせた接客をしていておっかなかったので、余計に気持ちよかったです。

ちなみに、そのあとは、せっかく銀座線なので銀座で途中下車して、Ginza Sony Park内にある「BEER TO GO」にも立ち寄りましたよ。要するに代官山にある「SPRING VALLEY BREWERY」と同じなんですけどね。歴代ウォークマンが展示されているので、“(あの頃=90年代)ソニーだった人々”に囲まれてしまったよ。

 

そんなこんなで、西が丘に到着してのは16時過ぎ。……暑いよ。というか、暑すぎるよ、ムリムリ。灼熱地獄だし、いつも通りバックスタンドに陣取ったがために、親の敵のような攻撃力で逆光が攻め寄せてくるし。ついでに言えば、熱中症対策のためにローソンストアで買ったスポーツドリンクの糖分に胃がビックリしてしまったし。プレーヤーも集中力を維持するのが大変でしょうが、ここまで厳しい環境だと、オーディエンスはオーディエンスで集中力が保てねー!

そんな環境のもと、鳥取はどこか「いつも通りにプレーしよう!」って感じで、FC東京U23は「割り切りましょ。。。」って感じでサッカーをしていたような印象。ブラジル人は暑さに強いのか、アルトゥール・シルバだけが動きにキレを見せていた、みたいな。

 

展開としては、前半のうちにFC東京U23が原大智の2ゴールで先手を打ちます。1点目はPKをしっかりと決めたもの。2点目は、カウンターのチャンスで相手のファールに妨げられながらも、主審がアドバンテージをとって、その流れで抜け出して決めたゴール。対する鳥取もキックオフ30分過ぎから風が吹き始めて気温が下がってきた影響もあるのか、徐々にペースを奪い返し、連動性あるパスワークから混戦となったゴール前に突っ込んでいった可児のゴールで1点差に追い上げると、後半、勢いのままに鳥取が追いつきました。三沢がスルーパスを出して、右サイドを魚里が激走して突破しきってからのクロス。ニアに突っ込んだ林がヒールで小憎く押し込みました。グッドプレーが3つ続くとゴールになるというのがワタクシの持論なのですが、まさにそのようなかたちとなりました。ここからは、いかにも夏場の消耗戦。夏休みシーズンの試合はクオリティが下がるから試合をすべきでないとか、夏休みだしとか、賛否両論ありますが、それも含めてJリーグ。夏の風物詩ですな。ドロー決着となりました。

 

ところで、来シーズンいっぱいでU23は終了するんですって? ある種の“ガチャ感”のあるU23には様々な意見があるのでしょうが、ワタクシ個人としては危機です。というのも、FC東京U23がなるなくると、J3を見る困難さが桁違いに跳ね上がるのです。ただでさえ、南関東には3チームがあるだけ。FC東京U23がなくなれば、相模原とYS横浜の2チームだけになる。年間スケジュールの組み立てが困難極まりなくなるって話です。

なぜ廃止なんですかね。例えば、当面はU23要員としてお試し期間的に契約した選手たちって大学に通っていたりするのだろうか。実質的な単位取得は厳しいとしても籍だけはもっていたりするとすれば、自宅近くに大学がある地域、すなわち東京と大阪を中心とした大都市圏に限られ、そうなると大都市有利の不平等感を地方のクラブは抱くかもしれない。そんな要素も廃止の背景にはあったりするのだろうか⁇

 

解決の糸口となんの解決にもならなかったこと〜FC東京vsC大阪(8/3)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

FC東京が、ヴェルディのことを強く意識していることは周知の事実(だと思う)。実はトップチームの選手やフロントには、もはやライバル意識は薄れているのかもしれませんが、ユース年代なんかには、やっぱり互いを意識する感情というのはあるのでしょうし、何よりサポーターに、そこの意識がは強く残っている。

面白いのは、現在のトップチームの立ち位置を考えると、もはやFC東京サポーターは「歯牙にもかけない」というスタンスで良くって、ヴェルディサポーターの方が粘着的になっていてもおかしくなさそうなのに、なぜか、FC東京サポーターの方に、「いつまでも、ここのライバル関係は尊重していくぜ!」っていう気概を感じるところ。近年は、なかなかトップチームのダービーは実現してませんが、この試合に関しては、“ロティーナ”を1枚噛ませることで、代理ダービーみたいなことになりましたね。

 

というわけで、キックオフ。まずホームのFC東京をチェックしてみると、高萩ですね。どうも今シーズンはこれまでのシーズンほど絶対の存在ではなくなっている模様。どのあたりに長谷川監督は不満を抱いているのだろうかと眺めていると、確かに「だがMPが足りない!」ってシーンが散見されるなぁ、というのはある。広島生まれファンタジスタ育ちにとってMPが足りないのは致命的。年齢的な部分と関わるとするならば、ドラクエとは違ってMPはHPの衰えの影響をモロにかぶるってことなのか?

対するC大阪ボランチは藤田。前線に柿谷ではなく奧埜を据えているようにロティーナさんはスーパープレーのできる選手よりも、その時々で最適切なプレー判断ができる選手を重視する傾向にある。そういう評価基準だと、藤田、輝きますね〜! 5年前くらいは、遠藤保仁の後継者としてブルーのユニフォームで活躍することさえワタクシ的には期待していた選手。三ノ宮近辺の伏魔殿ともいえるクラブに移籍し、高額年俸と引き換えに冷飯を味わい続けてきましたが、ここにきて、プレースタイルとの相性が抜群な指導者と巡り合えましたね。

 

さて、試合展開ですが、前半は基本的にC大阪がポゼッションで圧倒しましたね。ロティーナ流ポジショナルサッカー全開。でも、そこは首位を走るホームチーム。何度か決定機を許しながらも徐々に順応していき、「C大阪が攻め込みながらもシュートは打てない」そんな展開でハーフタイムを迎えました。

後半になると、がぜん、FC東京が牙を剥く。ハーフタイムもあけて数分で永井がゴーゴーなヘディングシュートを決めて先制する。追う立場になったセレッソは柿谷やソウザという、戦術的というよりも一芸の必殺技を備えた飛び道具を次々に投入。FC東京もウェルカムバックな三田たまをピッチに送り込むと、そのたま三田のプレースキックに森重が合わせて追加点。終了間際にはジャエルとディエゴが翼と岬ばりのコンビプレーを見せつけてダメ押し。首位のチームが貫禄を示しました。

 

というわけで結果的には一方的なスコアになった一戦でしたが、プレー内容的には見応えがありました。ともに442でありながら、内実は少し違って、FC東京がオールドファッションドな442だったのに対し、セレッソは“ポジショナル”とか“5レーン”とか称される、今風のスタイリッシュな442。このサッカーのミソは日本人の骨格によるキック力でもサイドチェンジがバシバシ出せるってところにあるかな、なんて思ったりします。やっぱりJリーグと欧州リーグの差って、サイドチェンジに代表されるミドルレンジのパスの部分だと思いまして、で、だとしたら、それは骨格とかそういう部分に規定される。となれば、それでも大丈夫なパスレンジでサイドチェンジできるようなポジショニングをすれば良い。いわゆる“ポジショナルサッカー”ってのは、そういう意味では、日本人が世界と戦っていく上で、重要なヒントが含まれているのかな、なんて考えるわけです。ポイントは、そのために必要なのは“技術”ではなく、“サッカー脳”だというところ。そこが風間さんとかのスタイルとは決定的に違うし、現在進行形では、ワタクシとしては、“風間的技術サッカー”よりも、“ポジショナルサッカー”にワクワクを感じております。

 

この日は試合後にご飯だけ食べて帰ろうと、乗換ついでに新宿で下車し、「飲食笑商何屋 ねこ膳」という24時間やっている定食屋に立ち寄ってみた。新宿で下車したわけではあるのですが、お店があるのは、厳密には新宿三丁目。そこで悩みが発生するのです。わざわざ一駅分の運賃をメトロなり都営なりに払うのか、それとも新宿駅から歩くのか、と。土曜の夜の新宿の雑踏をすり抜けるのも、まあまあ難儀ですからね。それで、知らない間に準特急とかが笹塚に止まるようになっていることだし、そこで新線に乗り換え、新線新宿で下車すれば上手いこと新宿三丁目まで閑路で移動できるのではないかと企ててみたところ、そもそも直通の都営新宿線新宿三丁目に駅があり、新線の新宿駅は西口寄りにある。つまり、なんの解決にもならなかったの巻!

 

中島vs矢野〜町田vs新潟(7/31)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

ミッドウィークの一戦は野津田へ。ホームの町田は…絶不調っすね。去年はJ1ライセンスがないにもかかわらず昇格圏の順位にあって、一部J1クラブの希望の星みたいなキャラを押し付けられるくらいの好成績だったのですが、今年はすっかり下位から抜け出せない状態でおります。去年からの変化として挙げられるのは平戸が鹿島にレンタルバックしていっていたことですかね。昨シーズンはゼルビアの大黒柱といって過言でない立ち位置にあった平戸が、満を持して鹿島に復帰。結果、ゼルビアは不振、平戸もなかなか試合に絡めていない。“レンタルバックあるある”と言ってしまえばそれまでですが、皮肉なものです。

対する新潟は、これまた大苦戦。いろいろあって、切り札的にアルビレックスシンガポールの名物社長を迎え入れましたが、苦労してます。しかも、シーズン途中に“お友達人事”的な監督交代をしちゃいましたからね〜。責任は重大です。最も、政府で一番偉い人の施策から判断する限り、お友達人事をすればするほどは支持率が上がる島国が、どこぞのイーストエンドにあるみたいですが。

 

この試合は平日だったのですが、お気楽極楽稼業のワタクシは17時とかに登戸にいたりしました。しっかし、知らないうちに登戸って、すっかり藤子不二雄タウンになっているのですね。ミュージアム的なものができて以降。その登戸から10分くらい歩いたところに「ムーンライト」というブルワリースタンドがあるのですよ。“ブルワリースタンド”という言葉があるかどうかは知りませんが、要するにビール醸造所のカジュアルな直営店です。

そこに行ったのですが、いやあ、あたり! まずね、安いのですよ。各ビールともSサイズは300円。これは、いわゆる“飲み比べセット”のサイズで、300円で穏当。でも、1つ上のMサイズがだいたいジョッキサイズで、しかも400円〜700円くらいの価格帯。激安でしょ⁈  パイントより一回り小さいとはいえ、下手したらパイント1500円くらいするこのご時世。500円前後でクラフトビールのジョッキサイズが飲めるのだから、そりゃ、もう、天国ですよ。

 

ほろ酔いになりながらメインスタンドに着席。ピッチを眺めると、まず目に飛び込んできたのは、バックスタンド裏の小高い雑木林の崖っぺりが整地されていたこと。たんなる自然災害予防上の措置だとは思いますが、実は、サイバーエージェントマネーによるスタンド改修の布石だとすれば、めっちゃテンション上がるんですけど〜、どんだけ〜、チョベリグ〜〜。

新潟については、レオナルド、フランシス、カウエというブラジル人トライアングルが強烈です。余りにも強烈すぎて、一瞬、「外人頼りのクソサッカー?」とか思ってしまうのですが、高木二男や戸嶋や、やたら多い渡辺姓の1号・2号などが要所を押さえているので、外人頼りというようなことはないのかな、と。

 

試合の展開ですが、前半は基本的に新潟が圧倒します。もちろん、ゼルビア名物“ワンサイドにやたら人を集めるサッカー”の片鱗が垣間見える場面もありましたし、散発的ながら鋭いカウンターも発動していたのですが、総じて町田のアタッキングは低調。攻撃の不振が守備陣にも伝染したのか、わりとイージーな局面でCBが豪快なクリアミスをぶっかましすと、そのままレオナルドに決められて失点。前半の終了間際にはコーナーから大武がヘディングを叩き込んで、新潟2点リードでハーフタイムを迎えました。

このまま新潟の圧勝なのかなぁと思いつつ始まった後半45分。町田は頭から中島と戸高を投入すると、これがものの見事に功を奏す。2人とも右サイドに入ったのですが(どちらが最前線でどちらが2列目かはかなり流動的)、中島があらゆる場所で起点となり戸高がテクニックで相手守備陣を翻弄する。新潟左サイドは前半のうちに渡辺1号(何号かは知らんけど)が負傷退場して堀米がスクランブル投入されていたのですが、まあ、ものの見事にペンペンにされてました。

後半は前半とは逆に町田が新潟を圧倒し、そして戸高のテクニカルに巻いたシュートが新潟ゴールに吸い込まれます。まるで俊輔のフリーキックのような、それはそれは芸術的な弾道。がぜん勢い付いた町田は、角度のないところから放ったロメロ・フランクの豪快なシュートで追いつきます。その前の佐野か誰かのスルーも魅惑的でした。そして、極め付きは中島の同点ゴール。ケイマンが岡崎ばりの泥くささで潰れて中島が押し込みました。

新潟に視点を移しましょう。あれだけ左サイドがペンペンにされ続けていたのだから、例えば左SHとして矢野を投入などするなどして守備を再整理すれば良いものの、そこには手をつけず。むしろ、より攻撃的な本間を左SHに入れて、矢野を右SHとして使ってきた。そして、その矢野が再び追いつく同点ヘッドを決めるのだから世の中わかりません。というか、矢野がカラダを張って町田における中島の役割を果たしたことで新潟がペースを押し戻していたことが同点劇のベースにあるので、矢野に関してはそちらの功績の方が大きいかもしれません。

 

サヨナラ同点ホームラン〜YS横浜vs八戸(7/28)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

日曜日は三ツ沢です。ホームはYS横浜なわけですが、YS横浜といえば、フォーエバーで辻正男。その辻正男、また大怪我をしたみたいですね。ホント、もってない。YS横浜で大活躍して、より待遇の良いクラブに移籍すると、必ず怪我をしたり、チーム自体がズタボロでそもそも本領発揮する環境でなかったり、「全身全霊のプレー、自分のできるマックスのプレーを尽くしましたが、相手DFには通用しませんでした」って経験をできないまま現在に至っているのではなかろうか。

相手はヴァンラーレ八戸。八戸といえば“南部と津軽”のうちの南部。ラインメール青森でなく、ラインメール弘前だったら、ダービーとか、凄ぇんだろうなぁと下衆の勘ぐりをするのはワタクシだけでしょうか。ワタクシ的に八戸といえばフェリーに乗るところ。八戸から苫小牧へのフェリーは便利です。ただ、東京〜名古屋の夜行バスと同じで、一眠りするには時間が足りません。ちなみに夜行バスの東京〜大阪と、飛行機の成田〜西海岸が、だいたい同じ所要時間です。

 

最近はなぜか逗子にはまっていて、この日も横須賀線で赴いてみた。京急でも良いのですが、京急の運行体系、特急とか急行とかがどういうパターンなのかが今ひとつ理解できず、品川〜蒲田間の非特急停車駅から乗ると異様にイライラするので、比較的シンプルなJRで。んで、ホントなら別の店をチェックしていたのですが、うっかり店構えを早とちりしてしまい、「三三五五」という沖縄料理系のカフェでランチ。結果おいしかったので、なんら問題はない。

わざわざ逗子に来たのも、未踏の地である葉山に足を踏み入れるため。「よ〜し、葉山の御用邸を見学しちゃうもんね!」と意気込んだところ、まさかの……、いや、当然にも当然のことながら、そうそう気安く一般人が入れるわけもなく、スゴスゴと25分くらい歩いて森戸神社へ。隣は森戸海岸。森戸神社で敬虔な神仏習合教徒っぽくお参りをすれば、自動的に森戸海外で繰り広げられている湘南の真夏を体感できるシステム。生まれ変わったらパリピになります。

 

そんな思いを抱きながらニッパツに到着し、キックオフ。YS横浜は、なかなか面白いシステムですね。たぶんスターティングポジションは中盤ダイヤの442。この時点で21世紀になってからは珍しい。でも、ほんとの面白さは攻撃にトランジットしてから。まずでダイヤの左右が張り出して4トップ気味になる。そして、両SBの2人ともがアラバロールをしてトリプルボランチっぽくなる。攻撃時のフォーメーションは2314になるのです。

対する八戸ですが、正直、知らない選手ばかり。申し訳ない。知っているのは9番の上形くらいかな。長崎で奮闘してましたよね。逆に10番の新井山は完全に初見。10番なのに。元J1とかJ2が少ない、そういう選手層。でも、ちゃんとサッカーをやっているのですよ、これがまた。なんせ、監督さんが藤枝を率いていた大石さん。芸術家的なエレガントさはありませんが、職人的にきっちりチームを作ることに定評がある指導者なんで、ソリッドなカウンターを繰り出していましたよ。

 

特に目立っていたのが20番の三田ですね。この選手は前半だけで2〜3回裏抜けから独走状態になったのではあるまいか。ボールを持ちすぎてシュートチャンスを逃してしまうことくらい大目に見ましょう。それから、もう一つ目立っていたのが、大石監督のいい人加減。この日は暑くなったので給水タイムがあったのですが、そのときの大石監督ったら、ラインズマンにもボトルを手渡してあげていたのですよ。イメージばく上がりです。

後半に入って、スコアが動きます。吉田が蹴ったコーナーキックに進が合わせました。それにしても吉田のポジショニングは捕捉できなかった。たぶん左SBだと思うのですが、YS横浜にはSBという概念がそもそも存在しなかったのかもしれません。ともあれ、八戸はリードを許しました。なので、必死に反撃を仕掛けるのですが、どうにも判断スピードが遅い。だから、状況が厳しくなってミスも出る。わりと八方塞がりだったのですが、それでも途中出場の高見が奇跡のサヨナラホームランを放り込み、勝ち点1をもぎとりました。

 

この試合、ハーフタイムに売店に行ったところ、生ビールが売り切れておりました。つまり、想定(=通常)よりたくさん売れたということです。前日に台風(関東に辿り着く前に力尽きて熱帯低気圧に)が颯爽と通り過ぎていき、ようやく夏全開。7月下旬らしい暑さとなったことの影響が主要な原因かと思われます。

ただ、それに加えてアウェイから駆けつけたサポーターがそれなりに多かったということもあるような気がします。それで、若かりし頃、上京したての時期に抱いた感覚が戻ってきました。それは「関東と東北って、近い!」という感覚です。西日本の人間の感覚だと、東北って九州みたいなイメージで、京阪神と九州がそうであるように、関東と東北って別世界だと思っていたのですよ。ところが、特に東北人の皮膚感覚だと、東北と関東の関係は、北陸と京阪神みたいな感じらしい。なので、横浜くらいならたくさんサポーターも来る。何より首都圏在住の東北人って、非常に多いのだと思われます。ってことを再認識した生ビール売り切れでした。

 

逃げ切ることの難しさ〜甲府vs岡山(7/27)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

今週は、まず小瀬です。中銀スタジアム。ホームの甲府ですが、う〜ん、調子が良いのか、そうでもないのか、なんとも評価を下しづらい。新監督でシーズントップから常に昇格枠を争っているのだから、悪くないのは間違いない。ただ、とはいえ、ここ最近はプレーオフ争いを行ったり来たり。ってことを鑑みると、「大変良くできました(できてます)」という花丸評価を与えるほどのこともない。

そういう評価の難しさについては、アウェイの岡山とて同じ。この試合直前の順位はプレーオフ圏内に飛び込んできましたが、総じて10位前後を行ったり来たりしているイメージ。というか岡山というクラブが、例年、10位前後の順位を行ったり来たりしているイメージ。そこに、新監督として有馬さんが赴任してきて、それで一桁後半の順位。及第点なのか落第点なのかさっぱりわかりませんが、甲府と岡山の順位が近いことだけは理解できます。

 

この日は甲府ということでプチ旅行。どこかに立ち寄ろうかと思案したところ、河口湖に行くことにした。……河口湖と甲府、まあまあ遠いですけどね。河口湖といっても湖そのものを眺めるつもりはさらさらない。富士山世界遺産センターを見学することにしたのです。そのためのプランニングも、自分では完璧に練ったつもりでいたのです。のですが、大きな大きな落とし穴が……。河口湖近辺のバスって、基本としてダイヤを守るという発想がなさそう。バスが遅れに遅れて見学時間がミニマムもミニマムに。ともあれ、世界遺産センターの次は「シンバルズ」という富士桜ビールの直営レストランを目指す。これまたバス。シャトルバスかと思いきや、実質的には循環バスだっのですが、こちらもダイヤを守らない(世界遺産センターも今回も無料循環バスなんで、ホントは文句を言ってはいけない)。15分予定のはずが25分とかかかる。70分予定が80分になるのはわかるんですよ、でも、15分予定で10分も超過するかねえ。というか、守れないダイヤを立てるな、と。こちらはそれを信用してプランニングしているわけであって、所要時間15分予定のところで9分も余裕を見たにもかかわらず、電車に乗り遅れるとは、、、ねぇ……。

 

さて、視線をピッチに。甲府のスタメンで感慨を禁じえなかったのは、小椋と佐藤和弘がダブルボランチを組んでいたこと。2人とも、ホーリーホックで名を馳せたといって良い選手。水戸産(厳密には違いますが)の両選手が、めぐりめぐってダブルボランチを組んでいるなんて、これをロマンと言わずして、何をロマンと言うのか!(大げさ)

岡山は岡山で、ダブルボランチのロマンティックが止まらない。なんせ喜山と上田康太。どちらも修業時代に岡山に立ち寄り、羽ばたき、そして帰省してきた選手で、技巧派レフティ。このコンビもなかなかロマン溢れる。ちなみに、レフティが2人並んでいるので、左右はどうなるかと思っていたら、基本的には、その気になればトップ下もできる上田康太が左前、その気になれば最終ラインもできる喜山が右後みたいな感じで、喜山よりも上田の方が、よりレフティ属性が強いのかなとか思ったのですが、時間とともに左右は逆傾向になっていったような。

 

試合の展開は甲府が先制。苦しまぎれに蹴り出したボールにウタカが絡んでいき、相手DFを引きずり倒して独走。その折り返しに曽根田が合わせました。もはや反則。「ウタカ+スペース=チート」であることを説明するのに多言は要すまい。とはいえ、それで甲府が岡山を圧倒したかというと、そうでもない。基本的には一進一退の時間帯が続きました。先制点までは「ポゼッションの甲府とカウンターの岡山」だったのが、「カウンターの甲府とポゼッション岡山」へと構図は正反対になりましたが。

甲府が先制してから岡山が攻勢を仕掛けていたのですが、後半になると割と一方的な展開となっていきました。厳しい言い方をすれば甲府の腰が引けてしまった。その結末が試合終盤の大逆転劇です。同点ゴールは、けっこう不安定だった審判のジャッジとの相性が悪かったという要素もありますし、逆転ゴールはオフサイドを主張するのに気をとられて抜け出した相手の対応に集中しきれなかった部分もあろうかと思いますが、いずれにしても甲府サポーターの怒号が飛び交う結末となってしまいました。

 

それにしても、サッカーにおいてリードを守りきるというのは難しい。結果論的に言えば伊藤監督の采配が裏目に出た。1枚目のカードを切ったとき、アウトになる横谷がなかなかピッチから出ずイエローカードをもらった。この手の遅延行為は近年、珍しい。それくらいチームは青息吐息だったということなのでしょう。その要因の一つにファジアーノ左SH仲間のキレッキレなドリブルを止められなかったことがある。そこで、チンチンにされていた湯沢に代えてCBの新井を投入しましたが、残念ながらそれでも守備は安定しない。そして、最大の問題は3枚目のカードの切り方。ウタカを下げました。前線で頑張れる金園を入れるという判断に合理性はありますが、その一方でウタカの爆発力を失ったことで陣地を回復する術を放棄してしまった。アバウトなボールを蹴れなくなったことで、パスミスばかりが目立つこととなり、まあ、逆転されたのも必然といえば必然ということになるのかもしれません。

 

 

サポも小川航基も千両役者〜水戸vs琉球(7/21)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

日曜日は水戸まで遠出。ホーリーホックは好調ですね。長谷部さんが安定して勝ち点を拾えるチームに仕立て上げております。シーズン途中からジェフを率いることになったときは、そこまで目立つような成績を残したわけではないのですが、シーズントップからチームを委ねられた水戸では「長谷部名将説」を提唱したくなるくらいのご活躍。何かと話題になった「あつまーれ」の件も含めて、ホーリーホックは上げ潮に乗っているのかもしれません。

対するアウェイの琉球ですが、こちらはこちらで大健闘。「キン監督あってこその」感を漂わせていたチームだったにもかかわらす、昇格初年度にそのキン監督を引き抜かれたわけですから、それはそれは大苦戦するに違いないと思っていたところ、案に反して残留争いからは少し余裕のある位置をキープしている。今年からバトンを受け継いだ樋口監督が、ベテラン監督らしく、経験豊富な手練れを発揮していますね。なんか樋口監督、YS横浜を率いるようになってから、監督として大器晩成を醸し出している気がする。

 

この日はせっかくの遠出ですし、ホントは朝一で水戸を目指し、なんなら袋田の滝とかに行こうと企んでいたのですが、起きれない起きれない。水戸に到着したのは昼だったよ。そして、とりあえず常磐線ホームにある立ち食いそば屋の「水戸 上りそば」でお昼ご飯。唐揚げ蕎麦を食べる。前日も津田沼で唐揚げ蕎麦を食べたので、2日連続で唐揚げ蕎麦。どちらの店もそれぞれに美味しかったのですが、唐揚げの大きさだけを‘とりあげ’れば、水戸に軍配が上がるかも。

夕食(がてら)は久々にスタグルです。水戸のスタグル、なかなか満足度高めですよね、全体的に。その中から、まずはホルモン炒め+ハイボールを頂戴する。最近は糖質に意識高い系なんで、ビールではなくハイボール。そのあとにどうしても食べたい炭水化物メニューがあったので、余計な糖質を摂るわけにはいかなかったのです。で、どうしても食べたかった炭水化物とは、パーコー麺。「パーコー麺を名乗っておいて、実際は唐揚げラーメンじゃないだろうな?」とか思ったのですが、ちゃんとパーコー麺で、美味しかったですよ。

 

さて、試合。水戸に関して目立っていたのは、なんといってもンドカ。先祖代々、この列島に住んでいたら、おそらく決して発生しない「ン」から始まる名字のCBは、ある種の愛されキャラらしく、ヘディングで競り勝つたびに拍手喝采が起きる。それから、両SBも良かった。水戸の場合、左SBの志知の攻撃力に注目が集まりがちなのですが、どっこい右の外山も侮れない。手数というか、攻撃に絡んでいく回数では、むしろ外山の方が優れているのではなかろうか。

琉球については富所ですかね。司令塔タイプなんですが、真ん中でなく右サイド。たぶん右利きっぽいんですよね。左利きの選手が右からゲームメイクするのは、セルティック時代の俊輔みたいに、よくありますけど、右利きの選手が右サイドで司令塔の役割を担うって、まあまあ珍しくないですか? それから琉球で、もう一人、挙げるとしたらキーパーですかね。去年までキーパーは琉球のセールスポイントであったわけですが、今年のキーパーは、ちょいと危なっかしいぞ、いろいろと。

 

スコアの展開は前半のうちに水戸が2点をリード。2点ともコーナーキックからでしたね。先制点はFWの黒川が、2点目は志知が決めたもの。小川航基とか福満の加入でお尻に火が付いた黒川と、外山の影に隠れている場合ではない志知が決めたわけですから、チーム内で健全な競争が繰り広げられているであろうことが想像されます。

後半に入ると、琉球がポゼッションのイニシアチブをとり、やはりコーナーキックから増谷が押し込んで1点差に追い上げます。ちなみに小川航基が交代で投入されるタイミングで、スタンドもそっちに盛り上がっていたのにつられてしまい、ゴールシーンを見逃したのは内緒です。小川に続けて福満も投入されると、福満を起点とした展開から小川がデビュー戦でゴールを奪いました。千両役者ですねえ。FWにケガ人の多いJ1クラブの中には、彼を必要とするところはあるんじゃないでしょうか、ジュビロとか……。

 

ところで、この試合ではサポーターの応援が印象に残りました。琉球のサポーターが指笛?って言うんですか?「いーやーさっさ〜」みたいな琉球民謡のリズムに合わせて鳴らすヤツ。あれを取り込んだ応援をすることはもはやお馴染みですね。水戸については、もう10年以上前になりますかね、試合開始だったか選手入場だったかの直前に君が代を高速で歌っていた記憶があります。

さすがは水戸学というか、水戸学が過ぎるというか、そんな時代もあったのですが、今年になって、途端に垢抜けました? 選手入場までのアプローチの時間、FC東京や神戸なら、ユルネバや神戸賛歌を歌うあの時間に、ドンドコドンドコ雰囲気を盛り上げていったり、試合中でもポゼッションで優位にたったときには、当意即妙でそれ用のチャントに切り替えたり、なんだか、素敵なのですよ、水戸の応援。去年まではそこまで印象に残っていないので、なにか革命でも起きたのでしょうか⁇

 

宇宙開発機構〜柏vs金沢(7/20)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

今週はまず日立台へ。ホームの柏は、今シーズンからネルシーニョ。困ったときのネルシーニョ。柏のフロントって、いまも、吉田さんとか、そのチルドレンを軒並み追い出した、あのチームなんですかね。だとしたら、サッカー界にさほど太いパイプはなさそうなんで、ネルシーニョくらいしか選択肢がなかったということかも。とりあえず江坂と瀬川に注目しておこうかと。

アウェイは金沢。金沢は、わりと監督人事は安定しているような印象。上野さん、森下さんと伝えてきたバトンはヤンツーへ。札幌時代も新潟時代も、頑固一徹、‘小さなことをコツコツと’という、とにかく基本を大切にする監督さん。それで、資金力相応以上の成績を残し続けてきているんですから、立派なものです。札幌にせよ、新潟にせよ、金沢にせよ、雪国。基礎を大切にする頑固さと、雪国の我慢強さが、ポジティブなフュージョンを見せているということでしょうか。注目は小松と垣田という、ユース年代とかが好きなクラスターにはヨダレダラダラな2トップだったのですが、この試合、小松は欠席。。。

 

柏=千葉県ということで、この日は、少し早めのランチを食べるべく津田沼に行く。JR津田沼でも、京成津田沼でもなく、新京成津田沼駅、のホームの端っこにある「弥生軒」という立ち食いそば屋へ。我孫子駅の立ち食いそば屋として一部に熱狂的なファンを持つ店ですが、なぜか、新京成津田沼に支店がある。ちなみに、なぜ一部に熱狂的なファンがいるかというと、唐揚げそばの唐揚げが大きいのです。思わずハイボールを頼みたくなるくらいに。ここの店については唐揚げのみならず、店構えの場末感が素敵でした。

ちなみに少し早めの夕食は柏の名店ボンベイでカレーを食べる。しかも西口店で食べる。本店もムーディーで良いですが、こちらは、よりスタイリッシュで洗練されたな内観。店員さんの日本語は決してスタイリッシュで洗練されているわけではありませんが、物腰は素敵。味も素敵。マウンテンカレーというトリッキーなのをオーダーしたのですが、いわゆるクセになる系で美味しゅうございました。

 

さて試合。柏はスポナビアプリだとオルンガと江坂が2トップとなる442表示でしたが、江坂が1列落ちた4231のように見えました。攻守の切り替えの際にはクリスティアーノが攻め残りがちだったので、その瞬間は変則442に見えなくもなかったですけど。で、江坂を挟んだ両ウイング、クリスティアーノと瀬川がシュートを打ちまくる。さしづめWシュートマシーンシステムとでも言うようなサッカー。

対する金沢は、軽やかで小気味よいサッカー。特に藤村と大橋からなるWボランチの配球が軽やかで小気味よかった。藤村とか、超絶テクニックじゃないですか⁈ それから両SBが古典的。最近はパスの出し手みたいな役割を担うことも多いSBですが、金沢の両SBは古式ゆかしき‘使われるSB’。ドタドタドタとオーバーラップして、クロスを上げて、さっさと戻るみたいな。

 

そんな両チームの対決でしたが、先手を打ったのは柏。江坂が流れて瀬川とかと左を崩して、そこからの折り返しをクリスティアーノが決めました。その時の、その時に限らずですが、江坂の「絶対に古賀にはパスを出さないマン」加減が、まあまあ面白かった。もちろん、悪気はないのでしょうけど。先制してからは柏がゲームをコントロールする。ゴール前でチャンスを作るシーン自体は金沢の方が多かったかと思いますが、シュートの数はレイソルの方が圧倒していたのではあるまいか、な、前半の戦い。

後半に入っても、一進一退ながら、柏が状況を掌握して、途中、ネルシーニョクリスティアーノを読んで何か指示していたかと思ったら、江坂とクリスティアーノの位置を入れ替える。さらに負傷で古賀が交代を余儀なくされると、今度は、それを契機にシステムを3421に変更し、押し込まれたとしても5バックで対応できるような処置を施して、まんまと逃げ切りを成功させました。

 

この試合で印象に残ったのは金沢の2トップ。特に垣田。日本サッカー界待望の大型CFですが、‘和製ビエリ’となるまで、もう一皮むける必要があるかもしれません。ヤンツーさんに鍛えられて、大型CFとしての責任感に満ちたプレーを繰り返していることは間違いない。ただ、技術面の正確性や、フィジカル面での屈強さが、柏クラスのチームが揃えるCBを向こうに回したとき、まだ物足りない。今まで通り、これからも精進してスケールアップしてくれ!

その垣田の相方は、この試合では山根永遠でした。セレッソからのレンタル選手ですが、セレッソU23ではサイドハーフだったような。とはいえ、ポジションは変わっても、プレースタイルは変わらない。相変わらずのインテンシティお化け。常にボールに絡んで、ガツンとぶつかっていける。技術面もそれなり。惜しむらくは、どうやら宇宙開発機構の一員らしく、シュートをふかす確率が異様に高いところ。宇宙を開発したくてしたくて仕方ないのは分かりますが、フリーキックを強奪して悉く大きくふかしてスタンドインってのは少し反省の余地があるかもしれませんね。

 

池袋!〜YS横浜vs熊本(7/7)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

もう、ホントね。クセになるというか、中毒性があるというか。ってのが、今シーズンのYS横浜に対する印象。厳密にはYS横浜のリヒャルト監督に対する印象。もうね、「ほわーい、じゃぱにーずぴーぽー‼」つってレフェリーに詰めていく感じ。ニコチンばりの中毒性がございます。

対する熊本は、渋谷さんが「実は自分、歯車がうまいこといってるときは名将なんです!」と言わんばかりに快調。J2からJ3に降格したチームは、そのまま沼にはまり込む傾向が強いのですが、どこ吹く風。なんと4月半ばから10試合負け無しですってよ、奥さん! 大宮の監督に就任してしばらくは良くって、その後は少し精彩を欠いているイメージもあったのですが、「渋谷は死なず」。90年代ほどの輝きを失ってしまっていると地盤沈下が叫ばれている東京都の渋谷も、少しは見習ってほしいです。やまんばギャル、アゲイン!!

 

ともあれ、試合ですが、いやあ〜、YS横浜、なかなかのハイプレスでしたね〜。結論から言うと、いわゆる梅雨寒の気候ってこともあり、かつ、雨で相手の視界が制限されていたことの影響もあるのでしょう、ロアッソを90分間+αに渡って苦しませ続けました。熊本としては、芝のコンディションも含めて厳しかった。というか三ツ沢の芝、なかなか悲鳴を上げてますね。シーズン当初から「三ツ沢を使用するサッカークラブ多すぎる問題」が指摘されていましたし、梅雨時ですし、お世辞にも綺麗とは言えないピッチコンディションでした。

で、熊本はGKがほとんどボールを蹴り出さない。キーパーからショートパスを繋げていくスタイル。YS横浜のハイプレスにハマらざるをえない要素が指折り存在していた。逆に言えば、それだけ熊本が志のあるサッカーをやっているということです。特に中盤でリズムを作ってスイッチが入った時のシュートで終わる率はけっこう素晴らしかったのではあるまいか。後半はグダりましたが。

 

展開としては、まず、前半のうちに熊本が先制します。高瀬がロングシュートなのかシュータリング(出典:いつぞやの代表戦における明神智和のコメント)なのかわかりませんが、ロングシュートだったらファインゴールでした。ただし、YS横浜も怯みません。というか、YS横浜、J3首位のチームを向こうに回し真っ向勝負。カウンターからパスをリズミカルに交換しながらシュートに持ち込むスタイルで、しっかり崩して同点に追いつくと、後半の20分前後の時間帯は、むしろYS横浜が押せ押せだった。バーやらポストやらに3回くらいぶつけたのではあるまいか。

熊本は4123だったと思われますが、定石通りアンカー脇を突かれて、最終ラインに不揃いが出来てしまっていて、四苦八苦しながらもどうにか凌いでいましたが、遂に決壊。YS横浜左SB西山のスーパーミドルが突き刺さります。しかし、熊本は直後にコーナーキックから追いつきます。「スコアが動いてからの5分くらいは注意!」の典型例。そして、その波が収まると再び試合は膠着し、そのままドロー決着となりました。

 

この試合では「熊本が好調であることの要因は何か?」という観点で注目していたのですが、それぞれの一発芸的なストロングが有機的に噛み合っているってのが大きそう。具体的には、まず、CBの鈴木がデカいのですよ。背番号が小さく見えるくらいに。対照的にアンカーの上村は小柄ながらも敏捷性に富み、クルクルと回りながら相手のマークを剥がすのが上手い。

それから三島ですね。後半途中から投入されましたが、相変わらず高い。圧倒的に高い。アジリティや運動量と違って、高さはそうそう劣化しないですからね。この選手の高さについても、適切に活用されてました。そして、何よりも田村翔太の推進力ですよ。もうね、田村翔太を使ってくれているってだけで、ワタクシ的には名将なわけで。守備への献身性とか、何度も動き直す我慢強さ、ポジショニングの工夫、いつの間にか大人なプレーヤーになってるぞ。ドリブルが敵陣中央突破オンリーなのは、それが彼の良さ。こういった特性を渋谷監督が上手にコーディネートしておりました。コーディネートはこうでねーと……。

 

試合後は知り合いと待ち合わせして、わざわざ横浜から副都心経由に乗ること40分、池袋で飲みました。というのも、これまで行きたいと思いながら、一人で突撃する勇気のなかった昭和酒場な「大都会」を訪ねたかったから。いやあ、凄いっすね、池袋。元赤羽住民としては「いこい」とか「まるます家」みたいに、完全に観光地していると思っていたらそうでもなく、池袋という地域性がしっかり出ている。

(気を悪くする人がいたとしたらスマンが)赤羽みたいに「常連」と「観光客」で占拠されているのではなく、ちゃんと池袋っぽい人、言ってしまえば‘乙女ロード的世界観’を好むジャンルの若者が、けっこうな割合でいる。もちろん赤羽にそんな層は絶対にいない。「いかにも酒場にいそう!」っていう‘ニッチ’(=常連+観光客)に占められていない、逆言すれば‘多様性’がある、それが池袋。ワタクシ個人の持論として「多様性」と書いて「ゆたかさ」と読むので、池袋、好きだぞ!

 

魅惑の!〜FC東京U23vsカターレ富山(7/6)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

先日、レアル移籍を受けてFC東京サポーターに挨拶した久保くんさん。いやぁ、レアルか〜。レアルソシエダとか、南米のレアルなんちゃらならともかく、マドリードかぁ。そんな久保くんさんですけど、ワタクシ的にはFC東京トップチームの試合で活躍しているイメージよりも、FC東京U23で淡々と場数を踏んでいる姿の方がイメージしやすい。久保くんさんが感謝すべきは、厳密にはFC東京U23のスタッフであったり、そこにまで足を運んでくれたサポーターたちなんじゃないかな、なんて思ったりします。

そんなFC東京U23は今シーズン、岡山時代の順位だけみると「超絶名将!」って感じではない長澤さんが指揮していますが、先日の『エルゴラッソ』にあった矢島輝一の試合後コメントとかを読む限り、少なくとも育成年代やセカンドチームを鍛える上では有能な模様。ちなみにFC東京U23をかつて率いていたのが、現在トップチームのコーチたる安間で、その安間さんの古巣がカターレ富山。そう、安間さんは、カターレ時代に中島翔哉を独り立ちさせ、そしてFC東京U23では久保くんさんを‘いっちょまえ’にしたのですな。

 

■前半

この試合は西が丘。となれば赤羽ですよ。元赤羽住民としては、ドキがムネムネです。この日のランチに選んだのは「鶴田」というお店です。このお店、夜はカウンターのダイニングなのですが、週に何度か、ラーメン屋さんとしてランチ営業をする。カウンターオンリーのダイニングに行く勇気のないワタクシですが、カウンターオンリーのラーメン屋さんに行く勇気はあるので、突撃してきました。そして汁無し担々麺を食べてみた。ちゃんと修行した大将がやってるらしく、旨かったっすよ。出汁をとる技術って、あらゆる料理に応用できるって話です。

その後は荒川放水路の資料館とかに立ち寄って、もう一度、赤羽駅前に戻る。お茶がてらケンタッキーに入ってみた。だって「カーネルハイ」ってハイボールが飲めるのですよ。というか、ケンタッキー赤羽店、タップ(樽生を注ぐヤツ)が4つもある。もはや、その辺のクラフトビールバーではないか。。。

 

さて、試合。FC東京U23で気になったのは、原大智。格好よく修飾語を並べるならば「ジャパニーズ長身アタッカー」なのですよ。どういう意味かというと、日本人の長身アタッカーって、ポストプレーに奮闘するというよりも、裏抜けとかドリブルとかにストロングがありがち。1トップ向きの、一昔前なら「電柱」と言われたタイプが非常に少ない。大迫勇也の代役が育たないのですよ。

対する富山ですが、ワタクシ、個人的に若い背番号の選手が多くピッチにいる状況が好きです。そういう意味では、敢えてシステムを541と表現したときの前5人のうち4人が「6」「7」「8」「9」だった富山、好きです。ちなみに残りの1人、「20」番は花井聖です。元グランパスのプリンス、まだまだ現役で奮戦してるのですね。とはいえ、チーム戦術の問題なんでしょうけど、FC東京U23は思いっきり花井をフリーにして放っておく。元グランパスのプリンス花井聖、完全に舐められてますやん。

 

■後半

 

展開としては、前半から富山が優勢に進めます。ポゼッションといい、シュートの数といい、見ている体感では結構な差があったのではあるまいか。とはいえ、なかなかスコアが動かなかったので、「このままハーフタイムかな……」とあくびしかけたロスタイム、前嶋のナイッシュで富山が先制しました。序盤から前嶋、動きが良かったですからね、報われた感じです。

後半に入っても、イニシアチブを握ったのは富山。なのですが、追いつかれてしまいました。右からのクロスに原が合わせたゴール。「ストライカーの嗅覚!」というより、「とりあえず足を伸ばしたら届きました♪」ってイメージのゴール。とはいえ、その後もイニシアチブは富山。なのですが、勝ち越せません。試合終盤はさながらFC東京U23GKの波多野劇場。もはや波多野はU23要員にしちゃいけないレベル。というわけで1ー1の引き分けでした。

 

この試合、印象に残ったのは、後半のFC東京U23の布陣。常磐が退いて平川がボランチに落ちたことで品田・平川という魅惑のWボランチが実現しました。高萩・東のWボランチみたいな。常磐に代わって投入されたのはFWの久保。つーわけで前線は久保と原という魅惑のツインタワーが君臨。‘君臨’ってほどの圧倒的感はなかったですけど、富山が前がかりになったことで、それなりに存在感は示していました。主に地上戦で、でしたけど。久保が前線に入ったことでユインスがサイドハーフ。両サイドハーフが宮崎幾笑とユインスという魅惑の突貫小僧コンビとなりました。ユインスは走っても走ってもパスが出てきません。幾笑は、まだトップフォームじゃなさそうですね。

ちなみに富山で魅惑だったのは途中出場の伊藤優汰。さすがは将来を嘱望された時代もあったタレント。久保くんさんとか、トゥーロン伊藤達哉みたく、隙間でもらって、そこからの推進力って部分が秀逸でした。