サポも小川航基も千両役者〜水戸vs琉球(7/21)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

日曜日は水戸まで遠出。ホーリーホックは好調ですね。長谷部さんが安定して勝ち点を拾えるチームに仕立て上げております。シーズン途中からジェフを率いることになったときは、そこまで目立つような成績を残したわけではないのですが、シーズントップからチームを委ねられた水戸では「長谷部名将説」を提唱したくなるくらいのご活躍。何かと話題になった「あつまーれ」の件も含めて、ホーリーホックは上げ潮に乗っているのかもしれません。

対するアウェイの琉球ですが、こちらはこちらで大健闘。「キン監督あってこその」感を漂わせていたチームだったにもかかわらす、昇格初年度にそのキン監督を引き抜かれたわけですから、それはそれは大苦戦するに違いないと思っていたところ、案に反して残留争いからは少し余裕のある位置をキープしている。今年からバトンを受け継いだ樋口監督が、ベテラン監督らしく、経験豊富な手練れを発揮していますね。なんか樋口監督、YS横浜を率いるようになってから、監督として大器晩成を醸し出している気がする。

 

この日はせっかくの遠出ですし、ホントは朝一で水戸を目指し、なんなら袋田の滝とかに行こうと企んでいたのですが、起きれない起きれない。水戸に到着したのは昼だったよ。そして、とりあえず常磐線ホームにある立ち食いそば屋の「水戸 上りそば」でお昼ご飯。唐揚げ蕎麦を食べる。前日も津田沼で唐揚げ蕎麦を食べたので、2日連続で唐揚げ蕎麦。どちらの店もそれぞれに美味しかったのですが、唐揚げの大きさだけを‘とりあげ’れば、水戸に軍配が上がるかも。

夕食(がてら)は久々にスタグルです。水戸のスタグル、なかなか満足度高めですよね、全体的に。その中から、まずはホルモン炒め+ハイボールを頂戴する。最近は糖質に意識高い系なんで、ビールではなくハイボール。そのあとにどうしても食べたい炭水化物メニューがあったので、余計な糖質を摂るわけにはいかなかったのです。で、どうしても食べたかった炭水化物とは、パーコー麺。「パーコー麺を名乗っておいて、実際は唐揚げラーメンじゃないだろうな?」とか思ったのですが、ちゃんとパーコー麺で、美味しかったですよ。

 

さて、試合。水戸に関して目立っていたのは、なんといってもンドカ。先祖代々、この列島に住んでいたら、おそらく決して発生しない「ン」から始まる名字のCBは、ある種の愛されキャラらしく、ヘディングで競り勝つたびに拍手喝采が起きる。それから、両SBも良かった。水戸の場合、左SBの志知の攻撃力に注目が集まりがちなのですが、どっこい右の外山も侮れない。手数というか、攻撃に絡んでいく回数では、むしろ外山の方が優れているのではなかろうか。

琉球については富所ですかね。司令塔タイプなんですが、真ん中でなく右サイド。たぶん右利きっぽいんですよね。左利きの選手が右からゲームメイクするのは、セルティック時代の俊輔みたいに、よくありますけど、右利きの選手が右サイドで司令塔の役割を担うって、まあまあ珍しくないですか? それから琉球で、もう一人、挙げるとしたらキーパーですかね。去年までキーパーは琉球のセールスポイントであったわけですが、今年のキーパーは、ちょいと危なっかしいぞ、いろいろと。

 

スコアの展開は前半のうちに水戸が2点をリード。2点ともコーナーキックからでしたね。先制点はFWの黒川が、2点目は志知が決めたもの。小川航基とか福満の加入でお尻に火が付いた黒川と、外山の影に隠れている場合ではない志知が決めたわけですから、チーム内で健全な競争が繰り広げられているであろうことが想像されます。

後半に入ると、琉球がポゼッションのイニシアチブをとり、やはりコーナーキックから増谷が押し込んで1点差に追い上げます。ちなみに小川航基が交代で投入されるタイミングで、スタンドもそっちに盛り上がっていたのにつられてしまい、ゴールシーンを見逃したのは内緒です。小川に続けて福満も投入されると、福満を起点とした展開から小川がデビュー戦でゴールを奪いました。千両役者ですねえ。FWにケガ人の多いJ1クラブの中には、彼を必要とするところはあるんじゃないでしょうか、ジュビロとか……。

 

ところで、この試合ではサポーターの応援が印象に残りました。琉球のサポーターが指笛?って言うんですか?「いーやーさっさ〜」みたいな琉球民謡のリズムに合わせて鳴らすヤツ。あれを取り込んだ応援をすることはもはやお馴染みですね。水戸については、もう10年以上前になりますかね、試合開始だったか選手入場だったかの直前に君が代を高速で歌っていた記憶があります。

さすがは水戸学というか、水戸学が過ぎるというか、そんな時代もあったのですが、今年になって、途端に垢抜けました? 選手入場までのアプローチの時間、FC東京や神戸なら、ユルネバや神戸賛歌を歌うあの時間に、ドンドコドンドコ雰囲気を盛り上げていったり、試合中でもポゼッションで優位にたったときには、当意即妙でそれ用のチャントに切り替えたり、なんだか、素敵なのですよ、水戸の応援。去年まではそこまで印象に残っていないので、なにか革命でも起きたのでしょうか⁇

 

宇宙開発機構〜柏vs金沢(7/20)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

今週はまず日立台へ。ホームの柏は、今シーズンからネルシーニョ。困ったときのネルシーニョ。柏のフロントって、いまも、吉田さんとか、そのチルドレンを軒並み追い出した、あのチームなんですかね。だとしたら、サッカー界にさほど太いパイプはなさそうなんで、ネルシーニョくらいしか選択肢がなかったということかも。とりあえず江坂と瀬川に注目しておこうかと。

アウェイは金沢。金沢は、わりと監督人事は安定しているような印象。上野さん、森下さんと伝えてきたバトンはヤンツーへ。札幌時代も新潟時代も、頑固一徹、‘小さなことをコツコツと’という、とにかく基本を大切にする監督さん。それで、資金力相応以上の成績を残し続けてきているんですから、立派なものです。札幌にせよ、新潟にせよ、金沢にせよ、雪国。基礎を大切にする頑固さと、雪国の我慢強さが、ポジティブなフュージョンを見せているということでしょうか。注目は小松と垣田という、ユース年代とかが好きなクラスターにはヨダレダラダラな2トップだったのですが、この試合、小松は欠席。。。

 

柏=千葉県ということで、この日は、少し早めのランチを食べるべく津田沼に行く。JR津田沼でも、京成津田沼でもなく、新京成津田沼駅、のホームの端っこにある「弥生軒」という立ち食いそば屋へ。我孫子駅の立ち食いそば屋として一部に熱狂的なファンを持つ店ですが、なぜか、新京成津田沼に支店がある。ちなみに、なぜ一部に熱狂的なファンがいるかというと、唐揚げそばの唐揚げが大きいのです。思わずハイボールを頼みたくなるくらいに。ここの店については唐揚げのみならず、店構えの場末感が素敵でした。

ちなみに少し早めの夕食は柏の名店ボンベイでカレーを食べる。しかも西口店で食べる。本店もムーディーで良いですが、こちらは、よりスタイリッシュで洗練されたな内観。店員さんの日本語は決してスタイリッシュで洗練されているわけではありませんが、物腰は素敵。味も素敵。マウンテンカレーというトリッキーなのをオーダーしたのですが、いわゆるクセになる系で美味しゅうございました。

 

さて試合。柏はスポナビアプリだとオルンガと江坂が2トップとなる442表示でしたが、江坂が1列落ちた4231のように見えました。攻守の切り替えの際にはクリスティアーノが攻め残りがちだったので、その瞬間は変則442に見えなくもなかったですけど。で、江坂を挟んだ両ウイング、クリスティアーノと瀬川がシュートを打ちまくる。さしづめWシュートマシーンシステムとでも言うようなサッカー。

対する金沢は、軽やかで小気味よいサッカー。特に藤村と大橋からなるWボランチの配球が軽やかで小気味よかった。藤村とか、超絶テクニックじゃないですか⁈ それから両SBが古典的。最近はパスの出し手みたいな役割を担うことも多いSBですが、金沢の両SBは古式ゆかしき‘使われるSB’。ドタドタドタとオーバーラップして、クロスを上げて、さっさと戻るみたいな。

 

そんな両チームの対決でしたが、先手を打ったのは柏。江坂が流れて瀬川とかと左を崩して、そこからの折り返しをクリスティアーノが決めました。その時の、その時に限らずですが、江坂の「絶対に古賀にはパスを出さないマン」加減が、まあまあ面白かった。もちろん、悪気はないのでしょうけど。先制してからは柏がゲームをコントロールする。ゴール前でチャンスを作るシーン自体は金沢の方が多かったかと思いますが、シュートの数はレイソルの方が圧倒していたのではあるまいか、な、前半の戦い。

後半に入っても、一進一退ながら、柏が状況を掌握して、途中、ネルシーニョクリスティアーノを読んで何か指示していたかと思ったら、江坂とクリスティアーノの位置を入れ替える。さらに負傷で古賀が交代を余儀なくされると、今度は、それを契機にシステムを3421に変更し、押し込まれたとしても5バックで対応できるような処置を施して、まんまと逃げ切りを成功させました。

 

この試合で印象に残ったのは金沢の2トップ。特に垣田。日本サッカー界待望の大型CFですが、‘和製ビエリ’となるまで、もう一皮むける必要があるかもしれません。ヤンツーさんに鍛えられて、大型CFとしての責任感に満ちたプレーを繰り返していることは間違いない。ただ、技術面の正確性や、フィジカル面での屈強さが、柏クラスのチームが揃えるCBを向こうに回したとき、まだ物足りない。今まで通り、これからも精進してスケールアップしてくれ!

その垣田の相方は、この試合では山根永遠でした。セレッソからのレンタル選手ですが、セレッソU23ではサイドハーフだったような。とはいえ、ポジションは変わっても、プレースタイルは変わらない。相変わらずのインテンシティお化け。常にボールに絡んで、ガツンとぶつかっていける。技術面もそれなり。惜しむらくは、どうやら宇宙開発機構の一員らしく、シュートをふかす確率が異様に高いところ。宇宙を開発したくてしたくて仕方ないのは分かりますが、フリーキックを強奪して悉く大きくふかしてスタンドインってのは少し反省の余地があるかもしれませんね。

 

池袋!〜YS横浜vs熊本(7/7)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

もう、ホントね。クセになるというか、中毒性があるというか。ってのが、今シーズンのYS横浜に対する印象。厳密にはYS横浜のリヒャルト監督に対する印象。もうね、「ほわーい、じゃぱにーずぴーぽー‼」つってレフェリーに詰めていく感じ。ニコチンばりの中毒性がございます。

対する熊本は、渋谷さんが「実は自分、歯車がうまいこといってるときは名将なんです!」と言わんばかりに快調。J2からJ3に降格したチームは、そのまま沼にはまり込む傾向が強いのですが、どこ吹く風。なんと4月半ばから10試合負け無しですってよ、奥さん! 大宮の監督に就任してしばらくは良くって、その後は少し精彩を欠いているイメージもあったのですが、「渋谷は死なず」。90年代ほどの輝きを失ってしまっていると地盤沈下が叫ばれている東京都の渋谷も、少しは見習ってほしいです。やまんばギャル、アゲイン!!

 

ともあれ、試合ですが、いやあ〜、YS横浜、なかなかのハイプレスでしたね〜。結論から言うと、いわゆる梅雨寒の気候ってこともあり、かつ、雨で相手の視界が制限されていたことの影響もあるのでしょう、ロアッソを90分間+αに渡って苦しませ続けました。熊本としては、芝のコンディションも含めて厳しかった。というか三ツ沢の芝、なかなか悲鳴を上げてますね。シーズン当初から「三ツ沢を使用するサッカークラブ多すぎる問題」が指摘されていましたし、梅雨時ですし、お世辞にも綺麗とは言えないピッチコンディションでした。

で、熊本はGKがほとんどボールを蹴り出さない。キーパーからショートパスを繋げていくスタイル。YS横浜のハイプレスにハマらざるをえない要素が指折り存在していた。逆に言えば、それだけ熊本が志のあるサッカーをやっているということです。特に中盤でリズムを作ってスイッチが入った時のシュートで終わる率はけっこう素晴らしかったのではあるまいか。後半はグダりましたが。

 

展開としては、まず、前半のうちに熊本が先制します。高瀬がロングシュートなのかシュータリング(出典:いつぞやの代表戦における明神智和のコメント)なのかわかりませんが、ロングシュートだったらファインゴールでした。ただし、YS横浜も怯みません。というか、YS横浜、J3首位のチームを向こうに回し真っ向勝負。カウンターからパスをリズミカルに交換しながらシュートに持ち込むスタイルで、しっかり崩して同点に追いつくと、後半の20分前後の時間帯は、むしろYS横浜が押せ押せだった。バーやらポストやらに3回くらいぶつけたのではあるまいか。

熊本は4123だったと思われますが、定石通りアンカー脇を突かれて、最終ラインに不揃いが出来てしまっていて、四苦八苦しながらもどうにか凌いでいましたが、遂に決壊。YS横浜左SB西山のスーパーミドルが突き刺さります。しかし、熊本は直後にコーナーキックから追いつきます。「スコアが動いてからの5分くらいは注意!」の典型例。そして、その波が収まると再び試合は膠着し、そのままドロー決着となりました。

 

この試合では「熊本が好調であることの要因は何か?」という観点で注目していたのですが、それぞれの一発芸的なストロングが有機的に噛み合っているってのが大きそう。具体的には、まず、CBの鈴木がデカいのですよ。背番号が小さく見えるくらいに。対照的にアンカーの上村は小柄ながらも敏捷性に富み、クルクルと回りながら相手のマークを剥がすのが上手い。

それから三島ですね。後半途中から投入されましたが、相変わらず高い。圧倒的に高い。アジリティや運動量と違って、高さはそうそう劣化しないですからね。この選手の高さについても、適切に活用されてました。そして、何よりも田村翔太の推進力ですよ。もうね、田村翔太を使ってくれているってだけで、ワタクシ的には名将なわけで。守備への献身性とか、何度も動き直す我慢強さ、ポジショニングの工夫、いつの間にか大人なプレーヤーになってるぞ。ドリブルが敵陣中央突破オンリーなのは、それが彼の良さ。こういった特性を渋谷監督が上手にコーディネートしておりました。コーディネートはこうでねーと……。

 

試合後は知り合いと待ち合わせして、わざわざ横浜から副都心経由に乗ること40分、池袋で飲みました。というのも、これまで行きたいと思いながら、一人で突撃する勇気のなかった昭和酒場な「大都会」を訪ねたかったから。いやあ、凄いっすね、池袋。元赤羽住民としては「いこい」とか「まるます家」みたいに、完全に観光地していると思っていたらそうでもなく、池袋という地域性がしっかり出ている。

(気を悪くする人がいたとしたらスマンが)赤羽みたいに「常連」と「観光客」で占拠されているのではなく、ちゃんと池袋っぽい人、言ってしまえば‘乙女ロード的世界観’を好むジャンルの若者が、けっこうな割合でいる。もちろん赤羽にそんな層は絶対にいない。「いかにも酒場にいそう!」っていう‘ニッチ’(=常連+観光客)に占められていない、逆言すれば‘多様性’がある、それが池袋。ワタクシ個人の持論として「多様性」と書いて「ゆたかさ」と読むので、池袋、好きだぞ!

 

魅惑の!〜FC東京U23vsカターレ富山(7/6)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

先日、レアル移籍を受けてFC東京サポーターに挨拶した久保くんさん。いやぁ、レアルか〜。レアルソシエダとか、南米のレアルなんちゃらならともかく、マドリードかぁ。そんな久保くんさんですけど、ワタクシ的にはFC東京トップチームの試合で活躍しているイメージよりも、FC東京U23で淡々と場数を踏んでいる姿の方がイメージしやすい。久保くんさんが感謝すべきは、厳密にはFC東京U23のスタッフであったり、そこにまで足を運んでくれたサポーターたちなんじゃないかな、なんて思ったりします。

そんなFC東京U23は今シーズン、岡山時代の順位だけみると「超絶名将!」って感じではない長澤さんが指揮していますが、先日の『エルゴラッソ』にあった矢島輝一の試合後コメントとかを読む限り、少なくとも育成年代やセカンドチームを鍛える上では有能な模様。ちなみにFC東京U23をかつて率いていたのが、現在トップチームのコーチたる安間で、その安間さんの古巣がカターレ富山。そう、安間さんは、カターレ時代に中島翔哉を独り立ちさせ、そしてFC東京U23では久保くんさんを‘いっちょまえ’にしたのですな。

 

■前半

この試合は西が丘。となれば赤羽ですよ。元赤羽住民としては、ドキがムネムネです。この日のランチに選んだのは「鶴田」というお店です。このお店、夜はカウンターのダイニングなのですが、週に何度か、ラーメン屋さんとしてランチ営業をする。カウンターオンリーのダイニングに行く勇気のないワタクシですが、カウンターオンリーのラーメン屋さんに行く勇気はあるので、突撃してきました。そして汁無し担々麺を食べてみた。ちゃんと修行した大将がやってるらしく、旨かったっすよ。出汁をとる技術って、あらゆる料理に応用できるって話です。

その後は荒川放水路の資料館とかに立ち寄って、もう一度、赤羽駅前に戻る。お茶がてらケンタッキーに入ってみた。だって「カーネルハイ」ってハイボールが飲めるのですよ。というか、ケンタッキー赤羽店、タップ(樽生を注ぐヤツ)が4つもある。もはや、その辺のクラフトビールバーではないか。。。

 

さて、試合。FC東京U23で気になったのは、原大智。格好よく修飾語を並べるならば「ジャパニーズ長身アタッカー」なのですよ。どういう意味かというと、日本人の長身アタッカーって、ポストプレーに奮闘するというよりも、裏抜けとかドリブルとかにストロングがありがち。1トップ向きの、一昔前なら「電柱」と言われたタイプが非常に少ない。大迫勇也の代役が育たないのですよ。

対する富山ですが、ワタクシ、個人的に若い背番号の選手が多くピッチにいる状況が好きです。そういう意味では、敢えてシステムを541と表現したときの前5人のうち4人が「6」「7」「8」「9」だった富山、好きです。ちなみに残りの1人、「20」番は花井聖です。元グランパスのプリンス、まだまだ現役で奮戦してるのですね。とはいえ、チーム戦術の問題なんでしょうけど、FC東京U23は思いっきり花井をフリーにして放っておく。元グランパスのプリンス花井聖、完全に舐められてますやん。

 

■後半

 

展開としては、前半から富山が優勢に進めます。ポゼッションといい、シュートの数といい、見ている体感では結構な差があったのではあるまいか。とはいえ、なかなかスコアが動かなかったので、「このままハーフタイムかな……」とあくびしかけたロスタイム、前嶋のナイッシュで富山が先制しました。序盤から前嶋、動きが良かったですからね、報われた感じです。

後半に入っても、イニシアチブを握ったのは富山。なのですが、追いつかれてしまいました。右からのクロスに原が合わせたゴール。「ストライカーの嗅覚!」というより、「とりあえず足を伸ばしたら届きました♪」ってイメージのゴール。とはいえ、その後もイニシアチブは富山。なのですが、勝ち越せません。試合終盤はさながらFC東京U23GKの波多野劇場。もはや波多野はU23要員にしちゃいけないレベル。というわけで1ー1の引き分けでした。

 

この試合、印象に残ったのは、後半のFC東京U23の布陣。常磐が退いて平川がボランチに落ちたことで品田・平川という魅惑のWボランチが実現しました。高萩・東のWボランチみたいな。常磐に代わって投入されたのはFWの久保。つーわけで前線は久保と原という魅惑のツインタワーが君臨。‘君臨’ってほどの圧倒的感はなかったですけど、富山が前がかりになったことで、それなりに存在感は示していました。主に地上戦で、でしたけど。久保が前線に入ったことでユインスがサイドハーフ。両サイドハーフが宮崎幾笑とユインスという魅惑の突貫小僧コンビとなりました。ユインスは走っても走ってもパスが出てきません。幾笑は、まだトップフォームじゃなさそうですね。

ちなみに富山で魅惑だったのは途中出場の伊藤優汰。さすがは将来を嘱望された時代もあったタレント。久保くんさんとか、トゥーロン伊藤達哉みたく、隙間でもらって、そこからの推進力って部分が秀逸でした。

 

ジャイキリさせず!〜川崎vs明治大学(7/3)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

今シーズンのフロンターレですが、ごく最初だけ「スタートダッシュ失敗⁈」みたいな雰囲気こそあったものの、リーグ戦については堅調と言うしかないですね。しかも憲剛も小林悠もスタメンにならないような中での好成績。鬼木監督の手腕に、ただただ感服。ACLについては壁にぶちあたっていますが、アジアの舞台で戦うには、そもそもクレイジーであるか、あるいは適切にノウハウを蓄積しているかのどちらか必要でしょうから、まあ、来年に期待しましょう。

それにしても、なぜ学生相手の天皇杯を見に来たかというと、明治大学に特別な関心があるわけではありません。実は、リーグの鳥栖戦を見に行くつもりだったのですが、いまや川崎フロンターレは広島カープ化している模様。ワタクシ、指定席ユーザーなのですが、等々力の指定席って、一般発売日にマウスをクリックしているようでは到底手に入らないんですね。法律が施行されて、あべちゃん肝いりのオリンピックもありますから、差額利益を追求する職業集団をなんとかしてもらえないだろうか。

 

■前半

水曜ナイトマッチのときは、そもそも仕事をお休みにしてしまうワタクシ。でも、そうはいかないときは、そうもいかない。夕方に職場を出て新丸子で下車。あらかじめ調べてあった洋食屋かオシャレ中華屋でメシにしようとしたものの前者はグーグルマップや食べログ情報とは異なり「18時からです!」との貼り紙。後者に至っては、店があるはずの場所が空き地になっている。たまに発生するグーグルマップの錯誤でなければ、絶妙に建て替え期間にぶち当たってしまったらしい。

そんなわけで「瓦奉店」という薬膳系餃子の店に転がり込み、せっかくなんで焼き餃子と水餃子のどちらも頂戴する。ここの餃子の特徴は、まず、「さわやか」のハンバーグのような赤身の肉肉しさ。そして、昨今、「なんでもかんでも“汁(じる)をプシャーッ!”ってすりゃええってもんちゃうで! 口の中、火傷するわ‼」みたいな店ばかりのなか、プシャーッ!の量とか温度が理性的でとても良かった。それでいて、特に水餃子は適切に出汁(でじる)に満たされており、いやあ、旨かったっす。

 

さて、試合内容。川崎は田中碧と車屋以外はターンオーバー。でも、とてもターンオーバーとは思えない。知念慶とか、山村とか、齋藤学とか、阿部浩之とか、マギーニョとか、レアンドロ・ダミアンとかですよ。「どうなってんだ⁈」と。そういうなかで、お休みを頂戴できなかった車屋は何かの罰ゲームでしょうか? 本人のコンディションの問題か、競争の結果か、今シーズンは登里にスタメンの座を明け渡してますからね、そういったところの影響なのでしょう。ちなみに車屋、明治のカウンターを止めるべくアフター気味にタックルを仕掛けて軽やかに交わされていました。

対する明治大学は、例えば3バックという名の5バックにするとか、そういう小賢しいマネはせず、4231での真っ向勝負。もちろん、押し込まれること前提のカウンターサッカーでしたが、ビビることなく勇戦を続けます。特にカウンターの際の走力であるとか、推進力、あるいは守備の時のぶつかり合いなどにおいて特攻隊精神を発揮させてました。

 

■後半

明治が勇戦していたとはいえ、やはり格上なのはフロンターレ。そんなフロンターレは血も涙もなく沽券を示しにかかる。コーナーキックからの先制点。せめて「カウンターやセットプレーから一発チャンス〜‼」というのは弱者のために譲ってあげなさいよ、みたいな。少なくとも明治大学のゴール裏はそんな思いだったのではあるまいか。

後半になってもスコアは1ー0のまま推移するなか、フロンターレは切り札の中村憲剛をピッチに送り込みます。これによってパスの回りも、展開のダイナミックさも向上しましたが、スコアが動く気配はなし。とういか、いろいろな気配がなかった。何度かカウンターからの決定的なシュートを打った明治大学に勝つ気配がなかったわけではないですが、それ以上にフロンターレに負ける気配がなかった。明治の大学生たちが思ったよりもタフでしたが、まあ、辛勝にみえて川崎の完勝でしょう。

 

この試合は「プロとアマチュアの差はどこにあるか?」という視点で見ていたのですが、案外、大学生ともなるとドゥエルのシバキ合いは、たとえ相手がレアンドロ・ダミアンであっても、それなりに渡りあえる。でもギャップで受ける動きとか、一瞬の隙を突いた裏抜けなんかではペンペンでしたね、特に前半は。

それから“雑なパス”の精度とか、もらいにいくファールとか、そういった部分でのクオリティがだいぶ違う。前者については、Jリーグだけみてると「そこで、そんな無難なパスに逃げるなよ〜」なんて感じることも多いのですが、実は、そういう“とりあえず”のパスが相手に引っかからないというのは、素人が考えるほどイージーなことではないらしい。それからもらいにいくファールを確実にもらったり、ライン際の攻防でスローインをマイボにしたりできるってのは、結局、技術的あるいは精神的に僅かなりとも優位にあることによる余裕の向こう側にこそ発生する現象なんだろうなあ、なんてことも強く感じた一戦でした。

 

今後に期待!〜東京武蔵野シティFCvsヴィアティン三重(6/23)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

武蔵野陸上競技場に来るのは、この試合で今シーズン2回目。特に横河を贔屓にしているわけではないのですが、ブリオベッカが陥落して以降、JFLを観戦しようとすれば、新宿から特別快速高尾行きに乗るしかないわけでして。

で、じゃあ、なぜJFLを見ようとするかというと、前回は鈴鹿アンリミテッドFCで、今回はヴィアティン三重の試合っていう理由なわけです。鈴鹿より一足先にJFL昇格を果たした三重。JFLへの昇格プレーオフ鈴鹿と三重の直接対決となった試合を見に行ったときは、どちらが点を取っても涙がこぼれてきたよ。頭の中は槇原敬之「遠く遠く」が無限ループ。そんなヴィアティンは、今年から、かつて山口で旋風を起こした上野展裕監督が指揮をとっていて、現時点での順位は7位。パスサッカーは、時間とともに成熟していく傾向が、より顕著に出るので、終盤に向けて期待が持てるのではなかろうか。地域リーグに落ちると、リアル地獄なのですが、そこは大丈夫そう。

 

■前半

この日は、ちょいと所用があって青井駅の近くへ。青井駅って、皆さん、知ってます? 東京在住の人でも、青砥は知ってても青井は知らないのではなかろうか。先方さんの指示をもらったところ、つくばエクスプレス沿線の、思いっきり快速に通過されてしまう駅。いかにも足立区の都営住宅タウンって感じだったのですが、所用はさっさと済まして秋葉原へトンボ返り。秋葉原秋葉原で、あまり普段は近寄らない町なので、ドキドキしながら、ランチに考えていた「常陸野ブルーイングラボ」へ。エキュートの一画にある、常陸野ネストビールの直営店。居心地が良いわりに客がそれほどごった返してはいなく、快適でしたよ。ビールが絶品なのは言うまでもなく、カツサンドもなかなか美味しかったし。でも、それ以上に度肝を抜かれたのが秋葉原名物「肉の万世」のビル。だって、「いらっしゃいまんせい」とか幟に書いてあるんですよ。そんなん、度肝抜かれるに決まってますやん。次の機会には万世でいただきまんせいしたいと思います。

 

さて試合内容。武蔵野は前回観戦したときにも思ったのですが、さすがは「東京シティ」やら「吉祥寺」を背負うだけあって、当世風というか、スタイリッシュなサッカーです。どういうことかというと、奪ってから縦に速いのですよ。そして、着実にシュートまで結びつける。ヨーロッパのサッカーに近いですよね。それから、25番のロングスローという飛び道具もあって、総じて合理主義的なのです。

対する三重は、いわゆるパスサッカー。2019年度における当世風ではありません。しかも、マイボにしてからボランチがボールを持っても、そこからの展開がマイナスの横パスをSBに出す感じなので、各駅停車になりがちで、かつパスカットに見舞われまくる。それでもパスサッカーらしい重厚な攻撃が発露されることもあるのですが、当たり前のことながら、それはクサビの縦パスが前線に入るかどうか次第といいますか、条件に左右されるところが大きかった。

 

■後半

そんなわけで、前半はサポーター目線でいけば、三重サポーターより武蔵野サポーターの方が爽快感を感じられたのではないでしょうか。武蔵野の守備を褒めるべきか、三重のパス精度の問題か、ともあれ三重はなかなかリズムをつかめなかった。それでも前半の終わりに近づくにつれ、ゴール前中央での攻防が増えていったので、少しずつリズムをつかんでいったようにも見えました。

後半に入ると、少し両チームともヒートアップして荒れ気味の展開となりましたかね。「最初のファールをちゃんととっておけば…」みたいなこと。で、前半に比べると三重が攻勢となる時間帯が増えました。ただ、試合巧者という意味では武蔵野の方に分がありましたので、よくあるパターンで、「三重が攻めているけど、決定機の数は武蔵野」という構図となります。こうなると、三重が自滅しそうなものですけど、そこは守備陣が踏ん張ってスコアレスドローに持ち込みました。

 

それにしても三重、パスが繋がらなかったですねぇ。もちろん、武蔵野のパスカットが異様に素晴らしかったというのもあるんでしょうけど、ストレスフル。その要因を探ってみると、1つには野垣内依存ということがあったかもしれません。J2の岐阜などで長く活躍しただけあって、ここでは頭一つ抜けた存在。最終ラインで攻守をコーディネートをしていたので、ボランチの選手などはついつい、前方ではなく、野垣内にバックパスをしてしまい、それがパスを各駅停車にしてしまった。

そして、そのことと密接に関わるのですが、結局はボランチをはじめとしたパスの出し手のクオリティが上野さんの望むレベルに届いていないということもありそうです。もっとも、「そこで、そのパスが出せればJFLにはいないよ!」っつう話なのですが。そして三重のパスが繋がらなかったです最大の要因は、受け手の問題かな、と。受け手の“止める蹴る”もそうなんですが、それ以上にパスコースを作る動きの工夫が足りなかったように思います。そこは身体能力というより、頭の動きの部分。戦術理解の深化とともに改善するでしょうから、期待したいところです。

 

生の醍醐味〜YS横浜vs北九州(6/9)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

この日はYS横浜と北九州の試合を観戦。YS横浜は新たに招聘したリヒャルト監督が奮闘中で、クラブ規模を踏まえると「よくやっている」の範疇にあるのではなかろうか。ちなみにリヒャルトといえばリヒャルト・ワーグナー。高尚なことはいっさい分からないワタクシでも「リヒャルトといえば、リヒャルト・ワーグナー」というのは分かります。なぜかというと、ワタクシが使っている変換アプリの予測変換だと「リヒャ」の時点で「リヒャルト・ワーグナー」が出てくるから‼

対する北九州は好調。開幕当初の絶好調からは少し落ち着きつつありますが、なんせ、信頼と実績の小林印。10試合で失点7。守備組織なんぞ、さっさと整えてしまうのです。攻撃面はやや物足りない現状ですが、コバさんのチームは、シーズン終盤に近づくに従って、加速度的に得点と勝ち点を積み上げていく傾向にある。仮にこの法則がギラヴァンツでも発動すると措定すれば……オラ、想像するだけで、ワクワクすっぞ!

 

■前半

この日の午前中は戸塚まで足を伸ばす。戸塚って、実はヨットスクールがあるわけではないんですね。いや、何らかのヨットスクールそのものはあるかもしれませんが、80年代に取り沙汰された、あのヨットスクールは、別に東海道戸塚宿の地名を冠していたわけではないらしい。そんな体罰地獄というわけではない戸塚に来たのは、「とんかつ専門的 山かつ」でランチを食べるため。揚げ物って、揚げたてであれば、その瞬間、自動的に美味しいのですが、しかも素材に最低限の手間暇をかけているであろう店。美味しくないはずがない。優勝〜‼

 

さて試合内容ですが、大変です、YS横浜のリヒャルト監督。ラップトップの使い手です。厳密にはタブレットの使い手です。もっと厳密にはタブレットを片手に指揮をとりながらも、たぶん、タブレットのスイッチはずっと切れたままです(そういうタイミングでベンチを見ることがなかっただけなんですけど)。そして、タブレットを駆使して選手に植えつけているのは、「最小手数でシュートまで!」です。ゆえに、ロングボールや、一発で局面を打開したいって感じのパスが多いのですが、北九州のディフェンダーに「蹴らせとけば良いよ♪」とか言われていました。

対する北九州は、イーブンボールの勝率が異様に高いような印象があります。一見、フィフティに見える場面でも、10cm、20cm、北九州の選手の方がボールに近いところにいる。こういう、フィフティボールの勝率については、「サッカーの本質だ‼」「気合だ!気合‼」ってことにされますよね。もちろん、選手はそれで良いのですが、たぶん、そこには論理というか、必然性があって、コバさんみたいな名将は、そこにこだわったチーム作りのマニュアルを持っているんだと思われます。

 

■後半

展開としては、序盤から北九州がイニシアチブを握ります。ただ、日本のサッカー界では「イニシアチブ掌握=決定力不足の露呈」が絶対のデフォルトですから、そういう意味では北九州が貫禄の決定力不足を顕示しまくって、それに伴い、YS横浜のプレーがラフになっていく、そんな前半戦でございました。ディサロがケガしちゃったし。

ということで、後半から北九州は池元を投入。ジーコジャパン(古っ!)で言うと、前線でカラダを張ってた巻誠一郎が負傷交代して、代わりに点取り屋の大黒将志が入ったような感じ。そして、ベテラン池元は貫禄を見せつけ先制点をゲット。先制すると北九州は強い。YS横浜の反撃をのらりくらり交わしながら、終了間際に町野がダメ押しゴールを奪い、上位チームの沽券を示しました。

 

この試合は観客が1000人くらいで、しかも専スタということもあり、ピッチの声がよく聞こえてきた。そして分かったこと、それは北九州においては新井が叱られ役だということ。チームスポーツにおいて、叱られ役になれるというのは、とても大切な才能。こういうタレントがいないとチームはなりたたない。そして、その役割を果たせる個性というのは、そうそういない。

他に聞こえてきた声は北九州ゴール裏のヤジ。いやあ、偏見ですよ、偏見。でもね、やっぱり北九州のサポーターのヤジは、荒々しくあってほしい(表現を選んだ)。炭鉱と鉄鋼の都市。汗にまみれて、いわば封建制の寄親寄子的な人間関係で秩序を作ってきた都市なんだから、そりゃ、なめたらあかんぜよ。けれど、それ以上に目立った声はYS横浜リヒャルト監督の審判団へのアピールですね。もはや、ただのクレーマーですやん。ほわーいじゃぱにーずぴーぽー‼

 

試合終了後は桜木町まで足を伸ばし、「ゴールデンもつ」というクラシカルな地下街酒場へ。そこには樽生のホッピーがあるんですけど、びっくりしました。樽生ホッピー、メッチャ上手い。黒ホッピーとか、ハーフ&ハーフも飲んだんですけど、樽生ホッピーの軽やかさを満喫するのは、いわゆる「白ホッピー」だと思います。なかなか東京って、「東京ならでは!」ってものがないなか、東京(南関東)ローカルグルメとして気を吐いているホッピー。地方から来たお客さんを接待するなら、がぜん、樽生ホッピーです!(接待相手を選ぶ)

9番の系譜?〜大宮vs京都(6/8)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

この日はWヘッダー。西ヶ丘でJ3を観戦した後は大急ぎでNACK5スタジアムへ。まさに翔んで埼玉。そんなアルディージャ、すっかり高木色ですね。まるで何年も前から指揮をとっているかのような。そもそもアルディージャといえば堅守速攻の質実剛健サッカーというイメージが強い。で、高木さんは元FWらしからぬ、堅守速攻の質実剛健サッカーを、どこのクラブでもやってきた。そして、結果を出してきた。惜しむらくは高木さんが3421を重用しているところ。アルディージャらしく442でやってほしい気持ちがなくもない。

対する京都も今シーズンから新指揮官。我らが中田一三ですよ。老若男女を問わず、日本人なら全員が知っている、いや、知っていなければならない中田一三(*本ブログは個人ブログなので、時々ひどい独断と偏見が紛れこみます)。そう、四中工3羽烏の中田一三なのですよ。地元のクラブチームを育てていた頃から変わらないクレーム対応の下手くそさに大きな不安こそあるものの、ここまでのところ監督としては優秀じゃないですか!ここは応援あるのみ!

 

■前半

京都についてスタメン発表を眺めていたときの感覚だと、庄司ではなく宮吉が出ていたので、「おっ!、今日はいつもの4123ではなく442か?」と思ってしまったのですが、実際は、いつもの4123で、宮吉はインサイドハーフでした。「宮吉をスペースのないところで使うのは勿体ないなぁ」と反射的に感じたのですが、どうやらワタクシ、宮吉と宮市を混同している模様。宮市がインサイドハーフだと勿体ないですからね。

一方、大宮のスタメンを見ていて感じるところがあったのは、すっかり茨田が2列目の選手になっていたこと。レイソルサポーターには「茨田と秋野、キャラがカブる!」でお馴染みの茨田、相棒(?)の秋野が湘南で最終ライン扱いされているのとは対照的に、もはやアタッカー扱いなのですね、ピルロ系アンカーではなく。

 

試合は前半のうちから騒がしかった。大宮は奥抜と吉永という2人の若武者が先発起用されていて、しかもFW登録の吉永がWB、MF登録の奥抜が前線起用というトラップが仕掛けられる中、奥抜が京都の一瞬の隙を付いて先制ゴール。しかし、京都は京都で、スーパー仙頭がスーパー銭湯ばりに同点ゴールを決める。挙げ句の果てには、大宮3バック一角の河面が、それだけ切り取ればワールドクラスなロングシュートを決めて、前半だけで3ゴールが決める乱戦模様。塩試合にならないことがハーフタイムを待たずに既成事実となりました。

 

■後半

後半に入ると、がぜん、京都のパスサッカーが炸裂。でも、得点は大宮。ファンマがカウンターから相手GKと交錯しながらも決めきります。ファンマは、この交錯で負傷交代。得点と引き換えにプレー続行が不可能に。まさにスカイラブツインシュート状態。この例えがわかる人は、リアルタイムなら、確実に40代以上です。リードを広げられた京都は怒濤の総攻撃。もうね、パスサッカーのクオリティ、めっちゃ高いっすよ。そして、守る大宮の守備戦術のクオリティも、めっちゃ高いっすよ。攻める側も守る側も、ちゃんとサッカーしてる。そんなん、見ててエキサイティングに決まってますやん。感動で涙ぐみそうにさえなりながら、試合は3ー1のままタイムアップとなりました。

 

それにしても京都、負けたとはいえ、贔屓目なしで素晴らしかった。中でもドリブルを始めるときのフォルムがミュラーに似ている重廣には刮目。でも、やっぱり仙頭・小屋松ですよね、京都の象徴は。特に小屋松。正直、この試合では奥井に押さえこまれましたけど、彼のある部分には注目せずにはいられない。思い返せば、大黒将志岡崎慎司など、ブルーのユニフォームに袖を通したストライカーたちは、若い頃から、その、ある部分との死闘に打ち勝ってきた。後退を余儀なくされながらも、それでも驚異的な生命力を発揮してきた。そういう意味では、今後の驚異的な生命力次第では、小屋松にも代表の「9」番を背負う資格を得られる可能性があるのではなかろうか。期待せずにはいられない。

 

……ともあれ、試合後は、かつてNHKの「ドキュメント72時間」でみた「伯爵亭」に立ち寄ってみる。厳密には、立ち寄ろうとしてみる。だって、めっちゃ行列してるんですもん。そりゃ、諦めて帰りますよ。元赤羽住民として、ワタクシ、「いこい」「まるますや」「丸健水産」が観光地化して以降、行列に並ぶ人々を冷めた目で眺めてきました。地元に愛される店は、行列してまで行くべき店ではないのですよ。というか、地元に愛される店が観光地化したら、もはや、それは別の何物かになってしまうわけです。

仕方ないので、「ごはん家 たじま」ってところに足を伸ばしてみたら、Googleマップ情報とは裏腹にお休みだったりする。やさぐれながら辿り着いたのが「武州うどん みどり&あかねダイニング」という店。夜定食があるというので、うどんの定食を食べようとしたら、定食メニューにうどんがない。仕方ないので、居酒屋メニューの焼きうどんを食べて帰ったとさ。

 

懐かしさと革新と〜FC東京U23vs長野(6/8)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

この日は西ヶ丘へ。FC東京U23長野パルセイロの試合。FC東京U23は、J3のビリを独走しています。独走とまで表現すると、少し過剰ですが、最下位は最下位。東海地方民のワタクシ、18歳で上京して、最初に仲良くなった大学の友人に「そうなんだよね、東海地方の人って“ドベ”って言うんだよね。関東では“ビリ”だよ」って教えてもらったことを、まるで昨日のことのように覚えております。

対する長野も期待値ほどは奮いません。J3が出来た頃は、「J2にイチ抜けするのが長野かな?」って雰囲気もあったのですが、足踏みが続いております。関係ないですが、長野県といえばイナゴの佃煮を食べる文化が残っていることで有名。そしてFC東京サポーターといえば、アウェイのスタグルを食べ尽くすことから「蝗」と形容されたりする。ということは、仮に長野ホームの試合なら、「長野のスタグルを食べ尽くす蝗を、長野県民が佃煮にして食べる」という構図が発生するわけですね。むむむ、俄然、因縁めいてきたぞ。

 

■前半

この日は午前中に早稲田方面に用事があったので、とりあえず新宿を目指します。新宿といえば、街の端々にどこか学生運動の時代の残り香を湛えているのですが、最近ご愛顧にしている「ベルグ」も、そんな感じ。椅子席とスタンディングが混ざった、改札近くの猥雑なコーヒースタンドであり、ビールパブでもあるようなお店。ここで朝食ではなく朝飲みをして、早稲田方面へのバス停を目指す。「新宿駅東口」なんてバス停があるらしいので、探したものの見つからない。結論的には、最もベタな場所にあったのですが、「まさか、こんなスクランブルのまん真ん中にあるはずがない」ってな場所だったので気づくこともなく、徘徊しているうちに歌舞伎町のバス停に辿り着いていた。路線番号は覚えていたので、「ここからでも乗れる」って思って待っていたものの、待てど暮らせどバスが来ない。改めて調べ直したら、なんと、同じ路線でも、帰りのバスは歌舞伎町バス停に停まるものの、行きは止まらないときたもんだ。全くもって、とんだスットコドッコイだったよ。

 

さて、試合。長野には内野がいますね。脳内美化も含めて、いまだに“高校サッカー史上、最高のチーム”なのが、伝説の野洲高校なのが、オールドファッションなワタクシ。野洲戦士の名前を見つけるとそれだけで嬉しくなる。それから、長野には明神もいるんですね〜。明神みたいなプレースタイルの選手こそ、日本人代表。こういう選手に欧州挑戦して欲しかった。

対するFC東京U23。J1は代表ウィークで中断中なのだから、もっとえげつないラインナップも可能だったのですが、ミニキャンプをしているのかオフなのか。通常営業モードのメンバー構成。仮にトップチームがオフだとすると太田宏介と丹羽は残業を押しつけられているようなもの。どこの職場でも、誰かが留守番してくれるから、GWに10連休とかを取れるわけであって、世のサラリーマンを代表して、二人には感謝申し上げたい。

 

■後半

試合展開としては、プチブレイクしかけの渡辺剛が筋肉系のトラブルで前半から交代。岡が投入されます。ちょうどFC東京U23が圧倒的にポゼッションしているバイオリズムだったのですが、ちょいと、そこは、岡君、おぼつかない。この日は30℃はあろうかというなかでのデーゲーム。全体的な動きにキレがなく、動物としてフィジカル的な負荷のかかるコンディション。渡辺剛の負傷もそういう要素がありそう。原大智も一度倒れてピッチ外に出たりしてましたね。

前後半通じてポゼッションではFC東京U23が圧倒気味だったように思います。ただ、ポゼッションってのは、圧倒してしまうと、却って相手の守備の準備を整えてしまう。シュートを打てなくなってしまうんですね。それでも、長野が保持率を回復したタイミングで原が久保君さんじゃない方の久保とのコンビプレーで先制点をもぎ取ります。もぎ取ったのですが、長野のベテラン津田によって同点に追いつかれ、なんだかんだで同点決着となりました。

 

今年はBSでプンデスの試合を多く見てました。で、思ったのが、この試合の長野のスタイルは、ブンデス下克上チームのスタイルに似ているということ。長谷部のフランクフルトとか、大迫のブレーメンの試合を見ていると、いわゆる“ビッグクラブ”でないチームのサッカーって、「攻撃で手数をかければかけるほど、こちらのポジショニングが乱れるのだから、それだけ失点に近づく」という考え方ですよね。“手数は身を滅ぼす”といわんばかりの。

だから、少々の無理をしてでも、シュートまでの最短距離となる強引なパスを出しまくる。日本人はパスに“正確性”とか“受け手への思いやり”を込めますが、「そんなこと、知ったこっちゃない。そんなこと気にしたら、最短距離じゃなくなるじゃん!」みたいな。長野のサッカーには、どこかをそういうところがあって、だとすると、長野の横山監督は欧州のトレンド最前線を追求する革新的なサッカーをしていると言えなくもない。言えないでしょうけど。

 

アジカン⁇〜相模原vs岩手(6/1)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

今週はギオンスタジアム、相模原です。それにしても相模原、毎年毎年、選手も監督もコロコロごっそり入れ替わり続けてますね。なんでしょう、たぶん、グラウンド内だけでないところで、いろいろ歯車が噛み合わないんですかね。他のJ3と比較して、経営難のニュースを特段に頻繁に耳にする感じでもないのですが、何か、永遠に掛け違い続けるボタンでも抱えているんですかね。とりあえず、頑張れ、望月。

対する盛岡ですが、ワタクシ個人の印象として、どうも影が薄い。お隣のブラウブリッツみたく、県知事さんがオモロい人であれば、新スタジアム関連とかでニュースも届いてくるんでしょうけど、幸か不幸か、そういうインパクトもあまりない。そもそも岩手県のイメージが、あんまり、、、って感じ。平泉は何度か観光したことがあります。盛岡も行きましたが、あまり強烈な印象は感じなかったような。遠野高校出身の菊地利三が監督しているわけですし、カッパにでも会いに行きますかね。

 

■前半

そういや、指原の卒業コンサート的なもので、九州のJクラブのマスコットが大集合したってニュースがありましたね。ニータンの人脈、なかなか恐ろしい。ああいう場合は、中の人も集合するんですかね、それとも中の人以外の部分が集積されるのだろうか?(中の人などいない)。マスコットというか、ゆるキャラで思い出したのですが、「ずーしーほっきー」って、ご存知です?「ブキウギ専務」で知ったのですが、北海道北斗市のご当地ゆるキャラ。ほっき貝の寿司だから、「ずーしーほっきー」。なぜ、そんなことを言い出したか。それは、この試合の前、逗子に寄っていたから。京急新逗子駅の駅ソバが、立ち食いソバとしてはまあまあ旨いと聞いて、そのためだけに逗子くんだりまで出向いたのですよ。もはや海岸はウインド何某的なマリンスポーツに興じるリア充の巣窟とも言える逗子。というか、うすうす知ってたんですけど、同じ神奈川県とはいえ、逗子から相模原、遠いなー。川崎市の「南北問題」はしばしば噂に聞きますが、神奈川県そのものの南北問題も、なかなか根深い。

 

ともあれ、神奈川北郊の雄・相模原は、神奈川ブランドなのか、それなりにネームヴァリューの高い選手も多く、ポゼッションの部分では優勢に立つ。ただ、不思議なことに、なぜが、「相模原と盛岡、ボールを大切にしていてのはどっち?」って聞かれると、なんだか盛岡な気がする。盛岡からは「ボールを持ったら受け手にちゃんとタスキを繋げよう」と意識が感じられました。

そんな盛岡3トップの頂点にいたのは10番の谷口。相模原の最前線には大石がいたので、大石治寿vs谷口堅三という、いかにもJ3の点取り屋対決になったのかと思いきや、盛岡の谷口は、数年前まで所属していた堅三ではなく、海斗という24になる歳の選手だった模様。しかも谷口海斗、四中工出身らしいじゃないですか!世代的には湘南の坂圭祐と同級生なのかな?前線の預けどころとしては、それなりに機能していたように思われます。

 

■後半

前半は両チームともこれといったシーンを作り出せないままハーフタイムって感じでしたが、先にも述べたように、やや相模原が優勢だったでしょうか。特に、中盤の強度というか構成力というか、個の能力の合計値というか、その辺で上回っていたように感じられました。ただ、後半になっても、相変わらずゴール前での迫力は今ひとつ。後半の20分くらいでしたか、混戦の押し込みを盛岡キーパーが掻き出すという、遠目にはゴールラインテクノロジー案件っぽく見えなくもなかったシーンこそありましたが、まあ、それくらいのもの。

試合がようやく動いたのは試合終了間際、相模原が少しずつ高さで相手の腰を引かせるようになっていき、ってことはミドルシュートのチャンスが増えるというわけで、果たせるかな、伊藤大介がエリア外から見事なコントロールショットでネットを揺らしました。こうなると、今度は守備で高さが生きる。グルージャのパワープレーを高さずくで跳ね返した相模原がホームで勝ち点3を獲得しました。

 

盛岡としては手痛い勝ち点0になってしまいましたが、その中で気を吐いていたのがボランチの江頭。主に守備面で存在感を示しておりました。そんか江頭、絶対に学生時代とか「2時50分!」「やーい、3時の10分前〜」ってイジられていましたよね。というか、あのお方の登場以来、それくらいしかポピュラーな有名人がいないこともあり、日本全国津津浦浦の江頭さんが、そういうイジりに耐え忍んでいきたに違いない。

たぶん、そういう悲劇は、相模原中盤の梶山幹太も同じで、なんか、名字を聞いただけで、「きっと、ヌルヌル系のモッサリとした動きで、腰やら膝やらが使い物にならなくなった後でも、謎のキープ力だけは健在なプレースタイルに違いない!」という先入観をJリーグサポーターなら抱いてしまいますもんね。ちなみに「梶山・幹太」、どこか「アジアン・カンフー」ジェネレーションと響きが似ているような気がするのはワタクシだけでしょうか⁇